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Zb 絵を描くようにモデリングしたいんだ! (Zbrush練習 43)

今回の記事は、だいぶ3DCG寄りの検討なので、興味がない人はスルー&ブラウザバック!多分、訳が分からないことになると思うのです。。。

さて、本題。
これな!ローポリモデリングとかじゃなくて、Zbrushのブラッシング能力を生かして、絵を描くようにモリモリと盛りながらモデリングしたいんだ!Zmodelerを使えばローポリモデリングはできる。けど、それなら他のツールで作るのと同じだ。Zbrushらしくない。そこで、今日は、マガモの制作は置いといて、モデリングスタイルそのものの研究をする事にした。そしてこんな時間になった(笑)

きっかけは「鋼鉄城のカバネリ」を視聴して、久々に絵の持つ力の良さを感じたからだ。Amazon プライム会員なら無料で視聴できますよ。
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で、天気もいいのでサイクリングしていると、ふと、ヒロインの「ムメイ」をZbrushでモリモリと作れるんじゃね?とか思ってしまったのである。

全然作れませんでした(泣)

紙粘土細工でいいなら2~3時間で作れるのでは?と思い、早速取りかかってみた。まずは頭からだな。頭部ができれば残りの作業へのモチベーションが高まる。

15秒の予告編(YouTubeの公式チャンネルより)

静止画状態の絵にムメイはいません(笑)再生すれば、おでこに金色の防具を着けたショートヘアの女の子が2回ほど登場します。それがムメイ。
(スマホの人は音声注意な!)

ポージング状態からだと左右対称機能が使えない

外部ソフトで簡単にポーズを付けた素体から作ろうと思ったら、左右対称のブラシ作業ができない。当たり前だ!既に体中が左右対称ではない。かといっていちいちAポーズに戻すのなら本末転倒。ここは素直にAポーズからスタート。

ハイポリにしてモリモリ盛るぜ~、と思ったら。額の防具がいきなりローポリモデリング向けの構造。

額の円環状の突起を、何とかブラシで盛って平らにすることで作れないかと試行錯誤。結果、微妙。理由は後述。しょうがなくローポリモデリングで円柱をベースに加工した。16角柱。

ここにきて、Zbrushらしいモデリング、絵を描くようなモデリングのワークフローができないかをあれこれ試していたのだ。

ポリゴン上に絵を描いてから立体化したい

やりたいことはそれだ。分かりやすいのはこちら。

頭部のベースはほぼ一緒。頭に落書きして、それを引き出す形で立体化する作戦。発想的にはCAD。服や下着・水着なんかも同じ手法で作れる。ただ引き出すだけならCADと同じだが、Zbrushはそこから自由にブラシで盛ることができる。スカルプトリス・プロモードであれば、ブラシサイズに合わせて勝手にポリゴン面が増えてくれるので、作り手はトポロジを気にしないのであればモリモリ作れる(ただしポリゴン数はハイポリ状態なので、リトポなどが必須)。私はこの機能に未来の可能性を感じているのだ。だから、モリモリと盛って作りたいのだが……。

ハイポリゴンだと面よりも「エッジ」が荒れやすい

これなんです。ハイポリの問題は。

見事に波打つ境界線。これでも四角ポリゴンでないだけまだマシにできたが。最初は階段状にガタガタw
ハイポリ=頂点が多い=綺麗に調整するための頂点数が多い=調整に手間がかかる。

対して、ローポリならば、綺麗な曲線を保ちやすい。ミドリムシ?上記とは逆の理由だから、面を整えやすい。当然、エッジも整えやすい。

面のでこぼこは、正直、離れてみるとそんなに目立たない。
問題なのは、波打つエッジなのだ。これは離れても結構目立つ。まいった。

せっかくのハイポリなのに、成形のためにいちいちローポリ化→整える→多少ハイポリ化する、という手順を踏まねばならない。なんか違う。

別にゲームエンジン(UnityやUnreal Engineなど)に持って行く訳では無いので、ハイポリ上等!なのである。ローポリにしなくてすむなら、それが一番いいのだ。Zbrushのモデルにお絵描きするときの解像度も、メッシュの密度に従うので、ハイポリのほうが綺麗な線が引ける。また、Zbrushにはデシメーションマスターという機能があって、三角ポリゴンにはなるが、形を保ったままローポリ化するという最終奥義がある。だから、作業中はハイポリ上等!なのである。

だから、ハイポリのモデル上に引いた線が、そのまま立体になってくれればそれでいいのだ。モデル上に綺麗に線が引けて、その綺麗さを保ったまま厚さを付けられれば、最高。

真円や正確な幾何学形状にこだわらない

ローポリモデリングなら、CADのような、真円、正方形、平行な線などを作りやすい。だが、アニメ絵でもそうだが、ちょっと斜めから見た形は、幾何学的に正確である必要が無い。元の幾何学形状を想起できる稜線がアリさえすればいい。だから、幾何学形状の正確さのためだけにローポリモデリングに切り替える必要は無いんじゃないかと思っている。だいたい正円、だいたい正方向でOKにしたいのだ。目指す所は紙粘土細工なので。

正方形のつもりであんパン形状ならばまずいが、パックから取り出した豆腐っぽいならそれでいいと思っている。エッジは立っていなくてい。むしろCG臭くなるので、適度に丸い方がいい。

ハイポリ、ローポリにかかわらず、板ポリならば、押し出しによって均一な厚さを付けられる。だから、厚さ方向から見た造形のエッジの綺麗さが得られれば、ほぼ解決なのである。真上から見てほぼ正方形なら、豆腐も、サイコロも作れるってことね。これが星形だったならチュロスになってしまう。豆腐がチュロスってのは、だいぶ違う。せめてちくわぶに。

日曜は夜からその手法を探っていた。最終的に、行けそうなワークフローにたどり着いたのだが、成果は後日。

「左右対称モードからスタート」の先入観

よくよく考えると、左右非対称のポージング状態のキャラクターって、ほとんど左右対称なパーツがない気がする。服だってよれるし。髪だって乱れるし。靴だって、足首の角度違うし。手袋は手の形が違うし。表情だって左右非対称が自然だし。

MMDや、ゲームキャラ用のモデリングだと、ウェイト塗りの都合上、AポーズやTポーズスタートなのだが、それに影響されたかも?一方、私の場合にはボーンもウェイト塗りも無いので、左右対称モードにこだわる部分は少ない。頭部修正の作業がちょっと楽になるくらいか。ポージング自体は左右対称素体を変形させて使っているので問題ない。

それ以外のパーツなら、片方作って、反転コピーして、ポージング状態の体の部位に合わせて適宜回転移動&変形で行けるのでは?2個作ってはいないので、手間の点ではさほど変わらない。むしろAポーズから「どうやって変形させるか」を考えなくていい分だけ効率的かもしれない。

もちろん、長期的に使い回すなら、外部ツールに要部パーツを持って行って、擬似的にセットアップした方が、調整の手間が減るのでいい。が、今回のムメイのように、単発テストならば、いきなりZbrush上で仕上げるほうが手間が少ないことになる。

結論

・単発造形ならば、ポージング済み状態からの素体に手を加えたほうが効率的かもしれない
・どうしてもパーツ単位で左右対称で作りたいのならば、それを別にAポーズで作って、仕上がってからパーツだけをポーズ済みキャラにインポートする手がある(レイヤーズ機能を使えば、センタリング状態に戻せる)
・使い回すことが分かっているキャラについては、疑似セットアップ前提のAポーズで各パーツを作って、疑似セットアップした方が、長期的に修正の手間が少ない分だけ効率的かもしれない。

今回は、だいぶ「深い」日記になってしまった。Zbrushを知らない人、3DCGを知らない人には、ごめんなさい。今回はZbrushの特有のワークフローを探った結果、深くなってしまった(笑)

おまけ

左の図なら瞬殺だが、右の図のようにしようとすると、結構手間がかかる。悩んだよ。一度、板状にすると修正が大変。手順をミスった。でも右の方がリアルでいいよねw

(155回目のnote更新)

読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊