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noteの有料マガジンを自前サイトに移転した理由(WordPress+BOOTH)

(約 4,500文字の記事です。)

noteの有料マガジンを自前のWebサイトに移転し、ログイン情報をBOOTHで販売するに至った具体的な理由はこちら。


【更新履歴】
2023/10/21  正規表現のメリットを書き忘れていた😱それを書き足したら記事が2倍に膨れ上がった……。

記事移転の理由

ユーザー体験の向上と執筆者側の都合という2つが大きな要因です。


1. ユーザー体験の向上

noteではできなかったユーザー体験の向上を図るためです。具体的には、

  1. マガジン全体の構成をサブカテゴリで章立てできた

  2. それを自動生成して画面右端に表示させるウィジェットの完成

  3. ページ遷移を紙の本のようにできた(上→下、左→右。一方向への移動

  4. カラフルな色分けで重要な情報の強調

  5. マガジン内に限らない「Webサイト全体のキーワード検索」(将来的には検索範囲をマガジン指定や色々な組み合わせに拡張予定

  6. マガジンのカテゴリのページでは更新された記事は上に並ぶ(ブログ的)

  7. マガジン全体の記事では常に読んでほしい順に並ぶ(書籍的)

記事の目次を見つつ、マガジン全体の章構成もマウスホイールを少し回すだけで閲覧できる「全体⇔細部」の認識レベルの自由な切り替え。これを実現させたかったのです。

本のような「読むべき記事の順が固定されている」点と、各記事をメンテして更新された場合に「最新の更新記事が最上部に表示される」点の両立。

つまり本の特性とWebの特性、この2つの機能を同時に実現させたかったのです。

ここまでがユーザー体験に関わる内容です。


次からは執筆者側に関わる内容です。

2. 販売手数料コストの圧縮

noteでは販売手数料が約15~25%かかります。
それに対してBOOTHでは約6%と、かなりのコスト削減が可能です。

もちろん販売手数料の対価としてnoteというプラットフォームでの宣伝機能をnoteにお任せできる点や、アカウント制御とアクセス制御の管理をnoteにお任せできる点があります。

ただ、それに対してもnoteで出来ないことに対する不満と、BOOTHでのアカウント制御、自前サイトでのアクセス制御ができることが実験で確認できたため、完全自前サイトでの運営に切り替えることにしました。

(この実験とWebサイト実装に丸々1ヶ月かかりましたが。)


3. 記事のメンテナンスのしやすさ

noteシステムではないブログシステムで記事を管理・運用できますので、色々な点で過去記事のメンテをしやすくなりました。主に、

  1. 正規表現による文字列置換ができる(超重要)

  2. リダイレクトが使える(既存ページのSEO評価を引き継げる)

  3. 過去の投稿済み画像の置換ができる(画像の差し替え)

  4. 過去の画像URLの使い回し(同一画像の複数回アップロードの回避)

  5. URLのリンク切れの自動検出

  6. マガジンの全体目次ページの自動更新

  7. マガジンの全体構成の再整理のしやすさ

  8. 記事の有料⇔無料の簡単な切り替え

  9. アカウントID単位での細かな記事アクセス制御

これによって情報が古くなった場合にも少ない手間で記事のメンテが行えるようになりました。


正規表現、それは便利ツールさ!

ITエンジニアでないと知らないと思う謎の4文字熟語。これは簡単に説明すると「超絶賢い文字列の置換方法」なのだ。

例えば
「https://hoge.com/2023/01/23/」というURLを
「https://hoge.com/2023-01-23/」に書き換えたり(当然数字は日付なのでみんなバラバラだが、上記の年月日の間のスラッシュだけをハイフンに、一括でまとめて置換してくれる。他にもWordPressでは使わないがnoteから記事を移植すると付いてくる無駄な id="XXXX……-YYYY-ZZZZ-AAAA……" な文字列部分、つまり「 id="~" をごっそりカットすることもできる。

正規表現による文字列の置換の強力さ。これはWordPressならではだと思う。他のメーカー製ブログで聞いたことがない。

逆に言うとWordPressに他社製ブログを移転したときには正規表現による置換が使えないと、移転作業自体がすでに茨道だ😭何十回、何百回と同じ作業を延々と繰り返すことになる。

もちろん正規表現って何ですか?という人はそこから勉強することになるが、正規表現の知識は裏切らない

私は正規表現を使えるようになってから秀丸エディタでも正規表現で置換したり検索したりすることが多くなった。検索時にはOR検索が地味に便利だったりする。

正規表現の知識はライターには必須の知識だ。世界が広がるぞ!


noteやメーカー製ブログには決定的にない機能、それは正規表現による置換。


リダイレクトが使えることのメリット

そしてリダイレクトの構文には正規表現が使える。正規表現を使ってURLをリダイレクトで転送出来るのだ😍

上記の例は私の体験であり、はてなブログ時代にURLが年月日とスラッシュのコンボだった時期が長く、ある時期以降から指定文字列に変更したが、ブログ移植時にはスラッシュ付きの記事が半分以上あった😭WordPressではスラッシュには特別な意味があるため、はてなブログ時代の物をそのまま移植したくなかった。
そして学んだのが正規表現とリダイレクト。結果、年月日の間のスラッシュだけをハイフン化し、WordPressに最適なカタチにできたわけ。そしてリダイレクトでスッキリポンだ。

サイト構造がどんなに変化したとしてもページのリダイレクト(事前指定したURLに自動で切り替わる機能)によってユーザーには何も感じさせないページ遷移。しかもSEOのこれまでの評価を次のページに引き継げます。育てれば育てるほどうま味の出るサイトになります。

noteやメーカー製ブログには決定的にない機能、それはリダイレクト。

また情報の経年劣化・陳腐化によって有料記事を無料にすることも簡単に行えますし、逆も然りです。これによって色々な販売促進活動が可能になりました。(例えば期間限定で一部有料記事を無料化する、無料アカウント情報の期間限定配信など)

そうなると必然的にマガジン単位での統廃合が発生します。場合によってはURL(スラッグ)も変化します。そうなってもリダイレクト機能によって不便を起こさず、次に引き継ぐか緩やかに消滅させられます。

本当に記事を削除した場合を除いて、404 not found. はなるべく避けたいわけです。


ブログパーツによる「リンク表現」

ブログパーツはWordPressの純正機能ではなくて有料テーマのSwellの機能になるが、これがまた優秀。簡単に言うと1~数段落分の表現を小さなパッケージに分けて「ブログパーツ」という単位で『ミニ記事』を管理する。そしてそれは色んな投稿や固定ページで呼び出して使える。そしてミニ記事本体を書き換えるだけで、それを貼り付けた全ての記事でその変更が反映される。

そう、記事のリンク表現だ。マスターデータはブログパーツ1つで、それを利用している複数の投稿や固定ページではその中身を触らない。

だから例えば「来週公開予定のBOOTのリンク先」をブログパーツで作成し、中身を「準備中」の1行にして、投稿ページや固定ページに挿入しておく。暫定措置だがこれによって各作業を進められる。「あとでやる」がなくなるのだ。
そしてBOOTHの準備が整ったらブログパーツに正しいブログカードを貼り付けて上書きするだけで公開完了!といった具合。また将来的にBOOTHのURLが変わった場合でもブログパーツ1つを修正するだけでサイト中の情報が一気に書き換わるため整合性に矛盾が生じない。

こんな感じで全ての情報を「1対多」でリンク運用することで情報の矛盾やとっちらかりを防げる。これもまたWordPressの強みだ。メーカー製ブログではできないことだ。

実は新サイトはこの1対多のリンク運用にこだわって開発した。同じことを何度も繰り返したくないため。

コピペでいいじゃん=それは人的ミスによる情報の齟齬(そご)も発生し得るし、だるい作業だし、いいことが何もない。

可能な限りリンク表現で運用したいのだ。そうすることで「1箇所を修正するだけでサイト更新終了」というシンプルな運用ができる。楽だし正確だし、いいこと尽くめだ。

2のn乗で複雑さが増すようでは、将来的にすぐに詰む。もう嫌だ😭


全てのnote有料マガジンの移転完了

以上の理由で、長らくnote 1st, 2ndアカウントで有料マガジンとして配信してきた全ての有料マガジンを新Webサイトに移転させました。

いままで何冊あるか数えたこともありませんでしたが(ぉぃ)、14冊ありました。

14冊「も」、なのか14冊「しか」なのかは価値感の問題ですが、私個人としては「あれ、そんなもんだったっけ?もっとあった気がした」わけです。たくさんありすぎて数えるのが面倒になった理由の一つとして、note 1st, 2ndという複数アカウントの切り替えの面倒さと、noteマガジンの閲覧性の悪さだと思っています。


目次ページの威力

本の目次のように「文字だけ」で淡々と記事タイトルを列記してパッと眺められるページが地味に重要でした。

上図のように20本以上あると、タイトルを眺めることでサブカテゴリ分けできそうだと感じるわけです。また上から読んでもジャンルがバラバラで読みづらい(笑)ことにも気付けますね。(時系列順に思いつきで執筆しているからそうなるw)そう、いつの日か「マガジン単位で再編集が必要だ」と目次を眺めるだけでそう思えるわけです。

ここまでシンプルに「本の目次」のような見栄えが必要なわけです。noteのリスト(小)でもまだまだ情報過多なのです。

執筆者側も記事を増やしながら「そろそろサブカテゴリ分け」しようか?「サブカテゴリの偏りをなくするように記事を増やすか?」などなど、書きながら色々気付けるようなUIが欲しかったのです。

メンテと公開時期のせめぎ合い

現在、メンテしきれていない記事については非公開記事となっており、一般の人は閲覧できない状態となっております。少しずつ記事をメンテ&再公開していく予定です。もうしばらくお待ち下さい。ここにきて14冊は結構重いです。廃刊も考えるべきマガジンも幾つかあります。

今後も育てるマガジンと廃版に刷るマガジンの取捨選択の苦しさよ。少しずつ整理整頓していきます。まずは主力記事からです。

今後の技術文書の育成はnoteから卒業して自前Webサイトに移転しましたが、その分さらにパワーアップさせてコンテンツを育てる予定です。

今後とも当マガジンシリーズをご愛顧頂けますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

管理人 大和 司


今回の創作活動は約1時間30分(累積 約3,505時間)
(959回目のnote更新)

読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊