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ファシリテーションが機能するのはとても健全な場

2021年27/100冊目。問題解決ファシリテーター_「ファシリテーション能力」養成講座。2003年くらいの本です。kindleで書棚にあったので再読。

ファシリテーターが入ることで、どうやって問題解決が促進されるのか、よくわかります。そのために必要なのは、バッサリ書くと「プロセスデザイン」「ロジカルシンキング」「角の立たないコミュニケーション」の3つだと言えそうです。

議論の順番を示して(プロセスデザイン)、主張をロジカルに整理し(ロジカルシンキング)、論理の抜け漏れをやさしく拾っていく(角の立たないコミュニケーション)のがファシリテーターの役割。そうすることで、会議の参加者みんなが、同じものを見て話をすることができる。そうやって、思ってることをきちんと出させるのがファシリテーションであり、ファシリテーターの役割なんだな、と僕は理解しました。

これはとても有効なスキルだし、役割です。議論がかみ合わなかったりするときには、話者全員が同じ土台に立ってないことが多い。自分でもよくわかってなかったり、きちんと言語化できていないだけだったりするんですけどね。

それをきちんと出せば、あとは判断基準に合わせて判断していけばいい。判断基準が決まっていないなら、それを決める機会を設ければいいし、合理では決まらないのであれば、だれか決裁者が決断するしかない。話はずいぶん簡単になります。こういう会議はとてもヘルシー。理想ですね。

ただ、僕が思ったのは「みんなちゃんと全部テーブルに持ち札を出してくれるのかな」ということです。表裏のない、隠すところのない状態の人たちばかりなら、ファシリテーターが役割を果たせば素晴らしい議論が進むでしょう。

でも、組織ってそう簡単じゃないですよね。個人の利害と相反することがあったり、思いを伝えられない事情があったり、裏で別の話が進んでいるけどまだ明らかにできなかったり。でもそういう裏事情があることすら、言えない状況もある。

そういう場だと、ファシリテーションというものはきっと十分に機能しないんです。これは、ファシリテーションが悪いわけではなく、参加者の問題なんですけど。

でね、大事なのは、ファシリテーターも、会議の参加者も「何か言えない事情があることもある」ということも受け入れて会議を進行することじゃないかな、と僕は思います。裏事情があるな、と思って「何か隠してることがありますか?言えないことでもあるんですか!?」と言うのは簡単だけれど、それはきっと最善のコミュニケーションじゃない。言えること、言えないことがあるなかで、お互いを尊重したり、その事情に配慮した意思決定(先送りも含む)ができるようになることが、ひとつの成熟なんじゃないでしょうか。そんなことない方がいいんですけどね。

あ、コーチングの場では、そういう葛藤も含めてお話ができる安心安全な場を作ります。隠す必要もないし、外にバレることを心配する必要もありません(犯罪などの違法行為を除く)。そういう機会で自分を見つめることで、会議の進め方も変わるかもしれませんよ。


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