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「魂の言葉」が現場を自立に導く

こんにちは。企業や組織の個性を見つけ潜在力を引き出す、オートパイロット経営コンサルタントで、中小企業診断士・司法書士の小野司です。

カイゼン活動などによる自立した組織作りや、会社の個性を活かした事業計画作りなどに取り組んでいる、若手リーダー、経営者様に、オートパイロット(自動操縦)経営のヒントをお届けしています。

オートパイロット経営のメイン手法の一つとしてカイゼン活動があります。

カイゼン活動では、ホンダのワイガヤ手法を取り入れており、その根幹に「魂の言葉」というものがあります。

「魂の言葉」とは、”自分の頭で考え”、自分で発した言葉のことです。

ワイガヤでは、これを重要視しています。

そのため、ワイガヤ開始前には、「魂の言葉」で話してもらうために、以下のルールをお伝えしています。

「ワイガヤでは、ベテランは、知識も経験も十分にあるため、いい発言をされます。しかし、知識や経験の引き出しただけであれば、”自分の頭で考え”たとは言えないことになります。

このような発言は、ワイガヤでは、普通の発言ととらえます。

一方、経験の浅い人は、知識も経験も少ないため、アイデアの質や原因の深掘り具合など、発言の効果としては、さほど大きくないことがあります。

しかし、”自分の頭で考え”、自分で発した言葉であれば、いい発言ととらえます。」

ワイガヤ活動では、このルールを徹底してゆきます。

経験の浅い人も発言するような場になります。
また、ベテランの発言がメインになるよう場にもなりにくくなります。

さらに、ベテランも考えるようになるため、これまで以上にベテランの力が発揮されるようになります。

さらに「魂の言葉」は、メンバー間のタテの関係をヨコの関係に変える効果もあります。若手とベテランの想いがつながりやすくもなります。
ヨコの関係は自立を生み出しやすくなります。

また、カイゼン活動などでは、ホワイトボードに発言を書き出すことをします。ワイガヤでは、「魂の言葉」を書き出して、見える化します。

そして、回数を重ねるにつれ、自分の頭で考えた発言が多くなってきます。個々の創造的な力がついてきます。
さらに、自立的で創造的な組織が育ってきます。

ある会社のワイガヤで、入社1年目の20歳の女性の「魂の言葉」が、ベテランに響き、カイゼン活動を大きく動かしたことがあります。

この女性は、自動車整備会社の電話担当をしていました。北海道では初雪の季節になるとタイヤ交換の問い合わせが多くなります。その時期も集中します。

その工場は、人手不足から業務の負荷が増大していました。そのため、タイヤ交換はお得意さまに限定していました。

電話担当の女性からの魂の言葉は、「電話に出るのが怖い」でした。なぜなら、電話に出ると、お客さまに対し、断りとお詫びをしなければならないからです。それが続いていたようです。

ベテランからみれば、「それは、わかっていますよ」という発言かもしれません。
その時、その女性は、自分の心の中を覗き、その感情を引き出し、自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分の言葉にして発したものに映りました。

この言葉をキッカケに、ベテランも生産性向上・お客さま満足向上の取り組みが必要と認識を新たにしました。
カイゼン活動が加速しました。

若きリーダーのみなさま、「魂の言葉」のイメージ湧きましたでしょうか。

興味を持たれましたら、拙著『ちっちゃな「不」の解消から始めるカイゼン活動』日刊工業新聞社刊、p78,p193をご覧ください。

みなさまの参考になりましたら、ありがたく思います。

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