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「君たちはどう生きるか」を楽しめなかった凡庸な感性のわたしの感想

「私の感性は死んでしまったのか」そう思うことがある。

元々はテレビのディレクター職で「作る側」の端くれだったが、代理店に勤務するようになり、「作るため」に何かを深く考えることもなくなってしまったし、
長い映画や古い映画を見るのも最近はしんどい。
サブスクリプションで映画を見ることが多いので、面白くなければ途中で寝てしまったり、辞めてしまうことも多い。

今回の「君たちはどう生きるか」
も、正直私はそこまで楽しめず、残念なことに途中少し眠くなってしまった。
知り合いの映画監督が絶賛していたので、
心から楽しめない自分の感性を呪う気持ちである。

早送りで映画を見るタイパ主義、が時折取り上げられていたりして、
自分はそこまでにはなってはいないものの、
「自分に合わない、もしくは合わなさそうな作品」や、「理解できない作品」に向き合う機会というのはぐぐっと減っていて、
エンタメは、余暇を楽しく過ごすためのもの、と捉えればかなりタイパは良くなっているなあとは思う。

「君たちはどう生きるか」は事前情報がなく、口コミ感想も見ずに行ったので、
(宮崎駿監督作品というところでの、予想や諸々はあるけれど)
タイパ主義的にいえば、効率が悪かった。

でも、久しぶりの体験だなあとは思う。
かつては、謎のミニシアターやインディーズ映画、傑作と言われる古い映画、小劇場の舞台、謎の暗黒舞踊など、
を眠気を噛み殺しながら、頭に?が浮かびながらも見たりすること、
もっと多かったように思う。

ナウシカが大好きだし、風立ちぬも胸に熱いものが沸きあがる感があり、結構好きだったので、今回楽しめなかったことはとてもとても残念ではあるけれど。

「よく分からないものを見る」「自分と合わないものでも最後まで見てみる」体験自体が久しぶりで、
自分の感性は死んでしまったのかなと思うと同時に、
自分の感性を殺さないためにも、
そういう体験も日々に必要なのではないかなあと思った。

その中でも、インコ達のシーンは楽しかったし、塔が崩れるシーンはわーっと思ったし、
感じ取れるものはあったわけで、そんなことでも良いのかなあと思うのです。

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