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ミニチュアストーリー

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小説等のシーンをミニチュアで表現します。
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記事一覧

塚人と黒の呪文

塚人と黒の呪文

アーチェト村の生存者を探す一行は逃げ場の無い玄室に誘い込まれてしまいました。しかし塚人にとっての誤算は彼らは力無き村人などではなく、勇気を持つ者達であったこと。そしてその一人の手には上古の力ある剣が握られていた事でした。それはガラズフォルン(勇気の光)、塚人の主人達を倒す為に鍛えられた剣だったのです。

エイリックとグリフォンの卵

エイリックとグリフォンの卵

威嚇の叫びを上げるグリフォンに怯む様子を見せなかったエイリックだが、内心では不安を覚えていた。流石に一人では手に余る! 一刻も早くディアーセルとキィラがこの猛獣の卵を手にいれて加勢してくれなければ八つ裂きにされるだろう! 

望まぬ狩り

望まぬ狩り

残月のディアーセルは、標的であるエイリックを丘から見下ろす。気付かれた様子はないが、ディアーセルは引き返したくなる気持ちを抑える。「こんなものは狩りではない。大恩ある伯爵の命でなければ誰がこのような薄汚い暗殺者のような真似を…」しかし彼女は意を決すると標的を見据えながら矢をつがえる。

エイリックと傭兵盗賊キィラ

エイリックと傭兵盗賊キィラ

エイリックは亡き父王の言葉を思い出していた。「息子よ。この先、体の相性の合う女には沢山出会うかもしれん。だが背中を預けられる女は一生のうち何度も出会わん。」

魔術師ヴォルディス、最初の探索行

魔術師ヴォルディス、最初の探索行

「装備の用意は抜かり無し。地図の確認、魔術の記憶、全て良し。従者や仲間はいないが…何とかなるじゃろ。ワシには30年に渡って学院で蓄えた知識がある。」

下水道にて

下水道にて

旦那方、この下水道は迷路のようになっていて危険ですぜ。迷ったら出られねえし、どんな怪物に襲われるかもしれねぇ。案内人としてこのベテランのネズミ捕りのギーボを銀貨8枚で雇ったほうが安全だと思いやすがね。

屍竜ヴェルサンサス

屍竜ヴェルサンサス

緑竜ヴェルサンサスの美しかった鱗の色は褪せ、抜け落ちていた。新緑の守護竜と呼ばれていた時の面影は殆ど無く、村にその姿をあらわしたとき、エルフ達はそのおぞましい姿と臭気で、まさか村を守る契約を交わしたヴェルサンサスであるとは誰も気づかなかった。

バケツの戦い

バケツの戦い

兄上! もう遍歴の旅はおやめ下さい。家督を継ぐのは兄上しかいません。アイリスは殴ってでも貴方を連れ戻してみせますよ。「サーグラス冒険行~バケツの戦いより」

エイリックとウィンデル

エイリックとウィンデル

その広間を覗き込んだエイリックは息を呑んだ。ダークエルフの奴隷狩り、いや、プリーステスがいるところを見ると高位の戦闘部隊だろう。地下世界を旅する者がもっとも出会いたくない相手だ。さしもの吟遊詩人ウィンデルもいつもの軽口を叩けずに押し黙る。

剣と戦斧

剣と戦斧

エイリックは部族を滅ぼした張本人である"王殺し"を見上げた。奴の部族も今は無く、不思議と憎しみも湧かなかった。しかし彼を倒さなければならないという思いは前より強い。王殺しが口を開く。「若者よ、良い目つきになったな。剣の腕前も以前と違うということを証明してみせろ!」