八方美人な私
私の母は便秘症で、苦しい辛いと、いつも言っていました。
だから私は「○○したら便秘に効くらしいよ」と情報を提供したりしたのですが、いつも「そんなの効くわけない!」と相手にすらされない。
そのわりにはずっと、便秘が便秘がと言っている。
なぜなのかずっと疑問だったのですが。
「体調不良の私、かわいそう! 同情して!」
そんな思考なのですね、母は。そりゃ治ったら困るよね、同情してもらえなくなるから。
ちなみに便秘以外は至って健康で、私が体調不良を訴えると
「あんた、おかしいんじゃないの? 私はねぇ、めったに薬を飲まないから、たまに飲むとすごく効くのよ」と謎の健康自慢をされる。
そんなかまってちゃん思考なのに、まったく逆の謎もあって。
大人になってからの私が健康診断を受けて、骨密度がとても高い、子供のころの食生活のおかげだと看護師さんに言われました。
その旨、母に感謝を伝えたら「あんたが私の作る食事を食べなくなって長いんだから、私は関係ない!」とわめきます。
「だから、子供のころの食生活なんだって」と私。
しかし
「いいや私はなにもしてない、なにも関係ない!」
そう怒鳴り散らすばかりで、耳を貸さない。
まったく話が通じない、私の話を聞く耳を持たない、頭ごなしに否定する。
この心理、そして法則性が、私にはわからない。
褒めるとキレる、というのは昔からそうでした。
褒めるというか、単なる感想でもキレて怒鳴るし、でもキレずに素直に「ありがとう」と返してくるときもある。
まったく規則性がないので、子供のころから「どうやったら母の意に添えるか」と苦悶してましたし、子供ですから、親の機嫌を損ねる=死活問題なので。
ご機嫌を取ったらキレられるので、こっちもキレて返すしかない。
子供のころの私は、そんな苦渋の選択をしていました。
ゆえにずっと「わがまま」「自分勝手」「自分さえよければいいのか」「世間知らず」と罵られ続けてきました。
今思えば、狂人に狂人ムーブで返す、「狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり」状態になってたような気もします。
(徒然草 第85段『人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。』)
私は今でも、他人との会話が怖いです。
自分の思っていることが言えない、相手の意見を探って、相手に同調することを言ってしまう。
反射的に、いつでも。
ゆえに、Aさんと話すときはAさんに同調することを、Bさんと話すときにはBさんに同調すること、それぞれ違うことを言ってしまうので、結果「八方美人」と言われてしまう。
でも、とっさにしてしまう、反射的な行動なので、自分ではどうしようもない。ずっとすっと、自己嫌悪。
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