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美田を残す。

「田んぼの風景が無くなってしまう。」

そんな危機感がとても強くあります。

僕ら家族が住まわせてもらっている茂木の小さな集落でいうと、日常的に見える近所の範囲で、作付けされている田んぼは4~5ヘクタール(40,000㎡)。雑木整備も含めて管理をしているのは大ベテランの域に入る地域の爺ちゃんたち(やはり4~5人)で、おおまかに考えても平均年齢は75歳以上。

僕はその爺ちゃんたち全員を心の底から日々尊敬しているのだが、あと5年もしたらどうなってしまうのだろう??

今はまだ、爺ちゃんばあちゃんたちが元気だからまだ良いけれど、いつまでも頼れる状況では無くなってきています。実際、高齢化や人手不足により見捨てられる田畑が近所でも増えてきました。そして、日本の中山間地のほとんどの地域で同じ状況を迎えていると思います。

つまるところ、若い頃に沢山働いていた生活にもなんとか余裕のある爺ちゃんばあちゃんたちが支えているのが、「日本の中山間地の美しい景観」であり、「田畑をケアする技術」であり、「各地の農産物直売所の安い新鮮野菜」だと思います(綺麗ごとじゃない側面ももちろんあるよ)。

そして6年間中山間地でお世話になってきた中で、爺ちゃんばあちゃんたちが支えてきたそれら日本の食卓の下支え(骨子だ!)のあまりの比重の大きさに、考えれば考えるほど愕然としてしまうのです。

僕らの世代が投げ捨ててしまってよいのだろうか?

昨年2023年は、世の中の平和に対して何も貢献できない自分自身に虚無感を感じることが多くありました。しかし改めて、食べものが育てられる環境をつないでいくいくことしか、僕ら中山間地の人間にはできないような気もしています。

社会と里山の接点をつくりたくて宿屋をはじめた思いはどんどん確かなものになっていきます。

美田を残し、良い御先祖になる。

みんな今年も、手足をつかって田んぼやろうぜ!!!

僕たち世代は将来に何を残したいんだろうね。

2024年 元旦






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