ライムグリーンのある風景(ライムグリーン②)【短編小説】
「あれ? おまえ、今日は乗ってこなかったのか?」
病院の職員入り口で遭遇した蓼原先生が、不思議そうに俺を見る。
「…お言葉ですが蓼原先生。今日は蓼原先生の歓迎会ですけど。」
酒を飲む前提なのに、バイクに乗ってくるわけがない。飲酒運転で捕まれば、それはすなわち俺の放射線技師としての命が終わるってことだ。医療業界の免許って結構厳しい。飲酒運転で捕まれば、それだけで資格が剥奪される。だから、飲むときは乗らない。これ基本。
「そうだな。」
なのに、そう返事した当の蓼原