Amazonプライムビデオにて鑑賞しました。監督・脚本・主演グザヴィエ・ドラン。原作ミシェル・マルク・ブシャール。2013年製作、カナダ・フランス合作。

カナダケベック州の閉鎖的な家族と農場が舞台。

恋人を失い悲しみにくれるトム（グザヴィエ・ドラン）は葬儀に出席するため恋人ギョームの故郷を訪問する。ギョームの母は、息子の恋人が女性だと思い込んでいる。ギョームの兄フランシスはトムに恋人であることを隠すように強要してくるが、、、、

オカルトでもサイコスリラーでもないのですが、不安感と変な緊張感が全編に漂っていました。恋人の葬儀に出席するだけなのに、何てつらい。

とにかく、いつトムがフランシスに殴られるか見ていて恐怖でしかない。
怒鳴りつけたり、首締めたり、死んでしまうやん。早く逃げて！

それなのに、トムは何度も逃げるチャンスがあるのに、自分からフランシスの元に戻ってしまいます。

亡くした恋人の香りとフランシスの香りを重ねあわせてしまったり、農場には自分が必要だと言ったり、もはやフランシスとの相互依存。

フランシスは粗野な人間ですが、老いた母親と孤独に農場で生きていて、トムを手放すのは耐えられない。

その母親も薄々トムが息子の恋人であったことに気がついていて、亡くした息子に対する感情を爆発させるシーンがあるのですが、この感情爆発シーンが良いです。

グザヴィエ・ドラン監督作品は、感情爆発のシーンが、ここぞという所で使われる事が多いです。

それがどれもストーリーの要になっているので好きです。

同監督の「わたしはロランス」でロランスの彼女がカフェの店員に怒りを爆発させるシーンもとっても良いです。

フランシスとトムがタンゴを踊るシーンは印象的です。その後、トムはまたしても顔面を殴られますが。

人間って難しいです。