津久井五月の略歴と作品

略歴

1992年5月生まれ。2017年、中編小説「コルヌトピア」で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。風景や生物に関心を持って小説を執筆しています。お仕事のご相談などはお気軽に、ツイッターのDM、またはnoteの問い合わせフォームまでお願いします

作品

〈書籍〉
2017年11月 『コルヌトピア』(早川書房)
生きた植物を計算資源として用いる植生型コンピュータ「フロラ」に覆われた2084年の東京を舞台に、3人の若者の関わり合いを描いた作品です。第5回ハヤカワSFコンテストで大賞を頂いたデビュー作。選考委員4名による選評が末尾に付いています
2020年6月 『コルヌトピア』(ハヤカワ文庫JA)
デビュー作に書き下ろし続編「蒼転移」を加えた文庫版です。続編では2100年の東京がある騒動に見舞われます。慌てふためく街の中を、本編とは別の3人の若者たちが駆け抜ける。解説はドミニク・チェンさんです

現在は長編小説と短編集、それぞれ1冊ずつの執筆に取り組んでいます。その過程で考えたことは、noteマガジン「牛泥棒日記」につらつらと記録中。100円で過去記事も今後の記事も読めます

〈雑誌・ウェブメディア〉
2020年6月 雑誌『WIRED VOL.37』(コンデナスト・ジャパン)
地下に吹く風、屋上の土」という短編を寄稿。感染症の度重なる流行に晒される世界での生き方を考えました。研究者の篠原雅武さん、船橋真俊さん、中屋敷均さんへのインタビューから得たヒントを元に執筆しました。ウェブメディア「WIRED.jp」に関連するインタビュー記事が掲載されています
2020年6月 雑誌『S-Fマガジン 2020年8月号』(早川書房)
牛の王」という短編を寄稿。日本人研究者ライが、インド亜大陸北部カシミール地方にひっそりと建つ研究所を訪ね、師と再会します。取り組み中の長編の予告編のような内容です
2020年?月 ウェブメディア「WIRED.jp」(コンデナスト・ジャパン)
ラスト・サパー・アンド・ファースト・サマー」という短編を寄稿しました。人口の大半が仮想現実へと移住した未来のアメリカ合衆国。現実世界のとある施設で、シェフが3人の子どもたちに、分子調理法による特別な料理をふるまいます。2018年冬にVR研究者の鳴海拓志さんにお話を伺い、2019年春ごろに執筆しました。無料で読めるほか、関連するインタビュー記事も掲載される予定です(掲載時期がちょっと延び延びになっているようです)

〈その他〉
2017年3月 『日経「星新一賞」第四回受賞作品集』(日本経済新聞社)
学生時代、別名義で執筆した短編「天使と重力」で日経「星新一賞」の学生部門準グランプリを受賞しました。電子書籍として無料配布されている作品集で読むことができます
2018年12月 『Rhetorica#04 特集:棲家』(Rhetorica)
文化系グループ「Rhetorica(レトリカ)」が隔年で発行する批評誌の第4弾です。「sweet home」という詩を寄稿しました。レトリカの方々をたずねて島根県の津和野に行ったときに感じたことを書きました
2019年5月 『ひとひら怪談』(薄禍企画)
ミステリ・ホラー・SF作家が集った同人サークル「薄禍企画」が文学フリマで頒布した掌編小説集。全体として森や植物をテーマとしています。「マグノリア」「なんか」の2作を寄稿しました
2019年12月 「UNTOUCHED――お金(の未来)を手さぐる」(CANTEEN、ヘイ株式会社)
「お金」をテーマとした企業主催のグループ美術展に「表参道絹行──織物によるお金の“再発明”」という展示作品を出展しました。SF的な設定のもとで、「絹織物でできたお金を会場で織り上げる」というパフォーマンスを実施しました。ファッションデザイナーの川崎和也さんと佐野虎太郎さん、デザイナー・SF作家の太田知也さんとの共同制作です
2020年5月 『ひとひら怪談【l'anima】』(薄禍企画)
『ひとひら怪談』の第2弾。「魂」がテーマです。「オブスキュラ」「疑似炎」の2作を寄稿しました。今後の文学フリマなどでも頒布予定です
2020年7月 かぐやSFコンテスト(VG+)
SFメディア「VG+」が開催したSFショートショート賞「かぐやSFコンテスト」に「忘るべき子どもたち」という作品を投稿しました。結果は一次選考で落選でしたが、追って審査員のお三方に選外佳作に挙げていただきました。4000字という分量の中で新しい作風が試せたので、個人的にはじわじわ気に入ってきました。

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