見出し画像

未来を、自分たちでつくれるまちへ。〜若者から有識者に最終提案を行いました!〜

 2022年12月16日(金)、つくろう!みらいのまち最終提案を行いました。

 7月3日にキックオフイベントをして以来、夏のフィールドワークも含めて約4ヶ月間、みんなで考えてきた提案をプレゼンテーションしました。

 その後、検討委員会の方からフィードバックをいただき、統合案に向けた議論を行いました。

 メンバーの中で有志の10名ほどが残り、3つのプレゼンテーションを1つに統合していく議論を行いました。まずは、京丹後の事業者の方にヒアリングをすべく、京丹後青年会議所の方をご紹介いただき、4名の方とディスカッションしました。前回の「共催ワークショップ」で議論していた内容も踏まえて、私たちの提案の軸を定めていきました。

統合案MTGの様子(オンラインで行いました)

 高校生はテスト期間と重なって、MTGには参加が難しいメンバーもいましたが、何度かのMTGに最後まで参加してくれた高校生もいました。発表当日は、奈良県で建築を学んでいる大学生も、京丹後市役所まで駆けつけてくれました。

 プレゼンテーションのリハーサルも含めると、4回のMTGを経て、完成した統合案を共有します。原稿も含めて、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

  これから、「つくろう!みらいのまち」3テーマ統合のご提案をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 10月28日の共催ワークショップでは、3チームのプレゼンテーションをお聞きいただき、ありがとうございました。
 都市拠点検討エリアのコンセプトは「My Home Tango」、京丹後市民や、観光客、関係人口など様々な立場にとって魅力的である施設や機能を考案し、峰山・大宮駅間に「シン・エキ」として新たなモビリティを集める提案を行いました。
 共催WSでみなさんからいただいたご意見のうち、今回再検討したものを青枠の中にまとめています。11月9日には、丹後の事業者の方へのヒアリングとして、京丹後青年会議所の方4名と意見交流を行いました。その中で検討した項目を赤枠の中にまとめています。
 以上のことをベースにして、MTGを重ねて、今回の統合案の提案をまとめてきました。

 前回の発表後、統合案としてのコンセプトを再考しました。「My Home Tango」のフレーズはそのままに、コンセプトに込める中身を見直しています。
 まずこのエリアにおいて、特定の世代だけでなくどの世代も活用ができる役割。さらに強く提案したいのは2点目の「京丹後市に住んでいる人の幸福度を上げる」ことです。
 前回の発表後、参加した高校生や大学生からは「自分たちが住む街をより良くするために関わった実感を得た」といった声が出ました。この気持ちこそシビックプライドであり、住んでいる土地に愛着を持ち、そして愛着のある街で暮らすことでの幸福感に繋がります。
 都市拠点エリアでこの2つを達成するために具体的なアクションを洗い出し、次のように機能ごとにまとめました。

 My Home Tangoではこれらの機能を具体的に考えています。
 幅広い世代が集まれる憩いの場としての公園、施設やスポーツ用品店などが集約されており、マイナースポーツなど多種多様な競技を楽しむことができるスポーツ複合施設、まち歩きができる機能。交通結節機能については、このあと詳しく説明します。また、観光客向けに京丹後の特産品を買えたり、観光情報が集約された機能も追加したいと思っています。
 エリアのイメージとしてはイラストにある通り、峰山駅と大宮駅の間に「My Home Tango」エリアが広がり、国道沿いに「シン・エキ」や観光休憩機能が接していて、歩行者天国エリアがマイン方面に接続できればと考えています。

 前スライドの中の、特に歩行者天国エリアについてイメージを膨らませました。
 現在の京丹後市内の移動のように目的地に車で移動するというだけではなく、まち歩きをしながら目的以外のお店や魅力を発見できればと考えています。広い歩行空間をつくることで、店舗は軒先までお店を出して、店舗と歩行空間との境目がないようなエリアをつくり、歩行の自由度を高める為に「シン・エキ」から電動キックボードなどを借りられるなど、利用者に応じた利便性も検討していきたいです。

 次に、用途を限定せず、多様な人たちが自由に使うことが出来る施設として「ココタン」を紹介します。施設名称「ココタン」の由来は丹後にある施設ならではになるよう、”ここは丹後”とし、短く覚えやすいように→”ここたんご”→”ココタン”という名称にしました。
 中高生の自習、主婦の集まり場、週末のイベントスペースなど人や目的に応じて自由に使えます。開けた空間になっていて、イベント等の催しが、外からでも見えて立ち寄りたいと感じられます。屋内施設の至る所に遊具や仕掛けがあり、雨天でも子どもたちが遊ぶことができます
 「ココタン」は、奈良県天理市の「コフフン」を参考にしました。この「コフフン」は、私(奈良の大学生)が実際に高校生の時に利用していた施設です。部活終わりなど、40分に1本の電車を待つためにこのスペースを利用して友達と話したり、テスト期間には、机や椅子が並べられるので自習スペースとして利用していました。学校とは違う居場所、集まれる場所があること、そしてそれが日常にあることは、高校生の私にとってとても楽しい毎日でした。

 交通結節機能「シン・エキ」について、説明します。
 まず「シン・エキ」とは、鉄道駅の新設案に対して、より市民が望む交通手段の充実を検討した中で生まれた「駅としての機能拡張案」です。
 都市拠点エリアは市内でも商業施設が集まっている一方で、一般家屋が並ぶ中、歩道は細いが交通量は多いといった特徴があります。そこに新ICに加えて鉄道駅を新設すると市民の負担が大きくなると予想されます。
 この拠点へのアクセス利便性は鉄道直結ではなく、既存の交通手段であるバスの複数路線の停留所設置、駐車場やカーシェア機能の充実をはかった上で、シェアサイクルや前述の歩行者天国の整備をすることが重要であると提案します。

 ここからは、「My Home Tango」での具体的な利用イメージを紹介します。平日と休日とで考えて考えてみました。昼間は、「ココタン」を中心に、0才児のママ向けに支援センター機能があったり、育児相談やママ同士の交流ができる場としての利用があったりします。高齢の方は、多目的空間やスポーツ施設でサークル活動を、ビジネスの場でもミーティングやセミナーなどで日中に使ってもらえるのではないかと考えています。
 高校生にとっては、平日の夜に勉強や他校生と交流できたり、自分のやってみたいことを表現できる場所になります。バスなどのダイヤを授業時間と積極的に調整することで、京丹後市内のどの地域の高校生も、放課後にふらっと行ける状況を作りたいです。

 次に、休日の過ごし方を紹介します。休日の昼は、イベントや屋内外で子供と遊べたり、個人店舗でもふらっと行くことができ、日常的な交流が生まれる場となります。休日の夜は、観光客が丹後ならではの食事ができたり、お土産が購入できたりします。
 私(奈良の大学生)が初めて丹後を訪れたのは1年前で、初めてばら寿司を食べました。凄く美味しくてもっと他のものも一緒に気軽に食べたり買えたりできたらいいなと思いました。
 他にビアガーデンやイルミネーションなど丹後で季節を感じることが出来るナイトイベントに参加できたり、ミュージカルや演劇を鑑賞、創作活動の制作、練習、演奏の場として活用するなどの過ごし方ができます。
 高速バスとのアクセスもよくすることを想定しています。

 最後に、私たちの提案をまとめます。
 「My Home Tango」は、20年後の京丹後市のまちづくりのコンセプトであり、エリアの名称として提案します。
 ここから丹後の魅力を知り、人のつながりが生まれていく。
 都市拠点検討エリアが、はじまりの場所であり、起点となるイメージ
を共有できていれば嬉しいです。

 今回のワークショップを通して、感じたことがあります。
 それは、自分たちで「まちをつくっていく」という感覚こそが、まちへの愛着を生み、多様なアイデアを生み出し、実現への原動力となることです。
 メンバーの高校生や大学生、社会人の方にとって、「つくまち」は丹後に関わり続けたいと、強く思うきっかけになりました

 住んでいる人が幸せで、魅力的で、あたらしくも大切なことを残せる力があること。
 つまり、自分たちの未来を、自分たちでつくっていくことが、まちが選ばれ、発展していく一番の理由になると思います。

 以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました!



 質疑応答の時間には、検討委員会の方からは未来にワクワクできるような提案だった、行ってみたくなるまちになりそう、などと感想を言っていただくと同時に、次のような議論がありました。
 「人口が減っていく中で新規でお店を出店してもらえるのか」という意見に対しては、空き家を活用しリノベーションする店舗やこだわりのある人たちの出店の補助を市としてできれば、それがきっかけとなって、各業界から注目されるエリアになるのではないかという仮説をお伝えしました。
 「スポーツを楽しめる機能」を入れた理由を質問いただき、「スポーツが好きな人が集まることによる多世代交流」や「マイナースポーツをフックに競技場として全国各地から人が来る仕組み」など考えてきたことをお伝えしました。
 「観光休憩機能」のポイントとしては、コロナ禍において観光に対する捉え方が変化していることに触れ、丹後に住む人たちが誇りを持って楽しく暮らしている様子が、高速道路の降り口など観光休憩所から自然と感じられることで、移住促進にもつながっていくイメージを持っていることを説明させていただきました。
 
 最後に、大庭先生から「若者が若者のための京丹後を考えたわけではなく、京丹後の未来、京丹後の全世代がどのように京丹後の将来を描いたら良いかということを、細かなところまで配慮して提案されていて、魅力的だった」という感想をいただきました。

 この提案内容を踏まえて、最後の都市拠点等の在り方検討委員会が開かれ、京丹後市から京丹後市都市拠点構想が発表されました。

 私たちの提案やイラストなどのデザインも、たくさん盛り込んでいただきました。ぜひ下記URLより、詳細をご覧ください。
 https://www.city.kyotango.lg.jp/material/files/group/1/tosikyoten_an.pdf

 今回、地元の高校生、地元出身の大学生、丹後に興味を持ってくれた大学生、移住者の20代、Uターンの30代など、さまざまな立場の人とともに、自分たちの「まちの未来を考える」という機会をもらえたことが、本当に良かったと思いました。  
 自分の生きる道を、自分で決めていくとはどういうことか。 
 メンバー募集のチラシに書いた、この言葉を振り返りました。

住む「まち」を選べる時代。
たとえば、将来もここに住むとしたら、
どうより良くしていこうか。

そんな話を、みんなでしてみたい。

二十年後、みんなは大人になって、
この「まち」をつくる人になる。

どんな「まち」なら、
ずっと住み続けたいだろう。
一度出たとしても帰ってくるだろう。
誰かにオススメしたくなるだろう。

人は減っていく。
高齢化が進み、今ある機能が
維持できなくなるかもしれない。
それでも、この「まち」に
残り続ける魅力がきっとあると思うんだ。

この「まち」が好きだからこそ、
一緒に考え続けたい。

「つくろう!みらいのまち」
あつまれ!まちをつくる人たち。

 実は、統合案の発表は12月に終わっていたのですが、みんなでもう一度集まる機会を作りたくて、3月に振り返り会を行いました。そこでは、高校生が、つくまちの経験を経て学校の「探究活動」を行ったことの共有や、みんなでやってみたいことをシェアしあう時間も作りました。
 上記の言葉どおりのプロジェクトだったなと感じられた、とても良い時間だったので、最後に紹介させてください。

統合案の内容をみんなに共有したり
大庭先生からもオンラインでコメントをいただいたり
高校生の探究発表や
この春、卒業して丹後を離れる高校生の「やってみたいこと」
卒業した大学生も帰ってきてくれて
とにかく、みんな楽しそうでした!
市役所の方もプライベートで参加し、直接「京丹後市都市拠点構想」を説明いただきました
社会人、高校生、大学生が一緒に取り組み、人と人の関係性が生まれた

 みらいをつくっていく、「まち」をよりよくしていく。
 その旅は、ずっと続いていきます。またどこかで、誰かと、きっと何か一緒にするだろうなと思えるプロジェクトになりました。

 関わってくださった全てのみなさまに、感謝申し上げます。
 ありがとうございました!!!


お問合せ:有限責任事業組合 まちの人事企画室
メール:k.kawabuchi@machi-jinji.co.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?