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「たなボタの多い人生を送ってきました」の話

今日は息子の合唱コンクールとやらで……
行ってきました、息子の勇姿を目に焼き付けに。

そのプリントをもらった時
ご近所友達Fさんに声をかけた。
 
Fさんはうちの息子が大好きなので……
私の事も大好きなので……

楽しいだろうなと思って。
勇姿を見たその後、ランチに行こうと誘ってみたんだ。

すると
 
「行きたいけど、知り合いに会いたくないから自宅待機しとく!送迎しようか?」

「えっ……徒歩か自転車でって書いてたから歩くつもりじゃったけど……そんな事までしてくれるん?」


遠くの親戚より近くの他人ってヤツか……

そして……
つくねは人の好意を遠慮なく受け取る。

「ありがとう!よろしく!」

数時間後。

「もう時間過ぎとった!間に合う?」

とFさんからラインが。
 
「今日と違うんだ……」
「なんだー!焦った……」


で本日。

コンクールっても学校内だけの行事らしい。
 
はてさて
Unlimitedという曲を歌う息子の……
勇姿は何処に?

みんな、マスクして歌っとる……

マスク……
まだ必要なん?

先生達はもちろん、保護者の人々まで。

(どれだ?あっははー。分っかんね)

歌はとても良かった。

8クラスあるので、全部聞く事はせず
次のクラスの
「翼をください」
まで聞いて帰ろうと。

久々に
「翼をください」
を聞いて涙ぐむ私。

(あー……泣ける……)

仕方ない。
小学生の頃出会った大好きな曲なんだもの。

ウッフフフフ。

「終わったー」

ラインをして迎えに来てもらい、そのままランチへ。

色々な話で盛り上がる中……
私にはどうしても言わなければならない事があった。

「あのさ……無理だったら断ってくれていんじゃけど……つくねの確定申告お願い出来んかな?」
「おっ?」
「毎年何とかやって来たけど、ストレスで苦痛で。お代は払いますゆえ……これくらいでどう?」
「それくらい出すんなら私が使ってるソフト買えるよ?」
「うーん。アカウントやパスワード登録とかがもう……イヤなんよ。やってて分からん事が出てきて調べて『あー……分からん。Fさんに聞こ』とかさ。それならFさんに直接課金して全部お願いしたい。負担でなければ」
「なるほどなー。オッケー。私が今してる程度ので良ければ全然いいよ」
「マジでっ!イエーイ!」

つくねの確定申告が終わった。


夕方。

「ヒペリカムの苗、もらって来たよ〜」

とFさんからラインが。

ヒペリカムの挿し木は……
大失敗に終わった。

うんともすんともならなかった。

それを聞いたFさんのお母上が

手ずから育てて下さったのがこれだ。
 

え……
すげぇ!
ピッチピチ!
 
こんなん……
お店で売ってる苗木やん!

切った枝を土にさして……
こんな事が出来るん?

玄人はだしってヤツじゃないの。
 
ワーイ!
生きのいいヒペリカムの苗木も手に入れた。

それを庭に植えていると

「ただいま〜」

と息子が帰宅。

「お母さん、最後までおったん?」
「いいや〜。どうだった?」
「3クラス優秀賞ってのがもらえた、そのうちの1クラス!しかも優秀指揮者賞と優秀ピアノ賞ももらえたから……実質優勝じゃろ!」
「マジでかーっ!めっっっちゃ良かったもんなー!指揮者のN君、ノリノリだったしなー」


他のクラスの「翼をください」で
ちょっと泣いたよとは言わないでおいた。

つくねは……
大人だから……
言わんでいい事を言わないでおく事も出来るんだ。





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