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「10年働いた仕事でも辞める時は5分で腹が決まる」の話

今月の仕事初め。
事務所に行くと森さんと藤木さんが
話をしていた。

話している内容は私にも必要な事ではあった。
今後やらねばならないイヤーな事務的作業のアレコレ。
が、一切頭に入ってこない。


「仝々¥✦◇∏∝⇌❞‰※……」
「£¢№℃‰¶µ❝↹⊗∑∝✢……」


(うぉ……駄目だ!これを今から自分でするとか……しんどい!ここには、もういられねぇ!)

はらつくねの腹が決まった。

しかし……
どうする!?


ガイコツ書店員本田さんを読んだ時に思ってたんだ。

本屋さんで働く……
何て楽しそうなの!


ときメモgs4の中でいっくんと一緒にバイトして思い出したんだ。

本屋さんで働く……
何て楽しそうなの!!


本屋さんにきーめた!


思い立ったが吉日。
電話をして面接の日時が決まった。 
店長さんと、面接担当の人がタブレットでの参加らしい。


時代が変わってんぜぇ……
こちとら10年ぶりの面接よぉ……
何をどうしたら良いか……
全く分からん!
聞いとこ!!

「あの……私、今、割と髪色が明るくて。働く事になれば黒くするつもりですが……面接の時までに間に合わないかもしれないんですけど……」

「働き始めるまでに染めて頂ければ大丈夫です。面接の際にツッコまれはすると思うので、染めますと言ってもらえれば……」


「あと……面接って、スーツ着用です!?」

「あぁ……必須という訳ではないですけど、その方がいいかもしれません」

スーツ……
どうする?
しまむらで買えばいいか?
わざわざ仕事帰りにお店に寄って試着して……

ぐぅぅ…… 
め、めんどくせぇー。

はっ!
 
Fさんに聞いてみよう!  

「本屋さんで働く事にしたので、面接にスーツが必要なんよ……持っていて可能であれば貸してくれん?」

「7号グレー2つボタンでスカートのがあるよ!」
 
「やったー!!」


コレぞ現代版

人の褌で相撲を取る。


そして、面接当日。

店長さんは黒髪ショートボブの眼鏡の女性で
本屋さんで働く人のイメージそのものの人であった。
(褒めてる)

初めは二人での面接。 
思っていたよりカジュアルに話をする雰囲気で

「タブレットで面接とか凄いですね。初めてです」

と言うと

「私もなんです」
「えっ?そうなんです?」
「ちゃんと出来るかな……」
「フフっ」



そしてタブレットで男性参戦!
少し年上の四角い眼鏡でカッチリした印象……

(よし。感じ良くハキハキしつつ、自己の主張は控えめに行こう)

「髪の色がかなり明るいですが、そちらは地毛ですか?」
「いえ」
「やはり本屋さんですので、お店に立つ際には黒くして頂く事になるんですが……」
「もちろん、真っ黒に染め上げます」


(フッ)


向かいの緩んだ空気に


(店長さんの好感度あげちゃったぜェェ……)
 

そんなこんなでタブレットは一足先に閉じられ

「これで面接は終了です」

と店長さん。

つくねは立ち上がり
 
「お忙しい中、貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました」

(キラキラリンっ)


100%の本気の(感じの良い)ご挨拶。

すると

「こちらこそ!一緒に働く事になったら……よろしくお願いします!」
 
と店長さんが。


(おそらく年下であろう、この感じの良い女性……明らかに、やったね!バッチリ好印象!!っしゃーっ!勝ち確ゥーーっ!!)


と確信したのに。
一週間、十日……

(アレっ?合格なら書類が、不合格でも履歴書が郵送されるって……)


心配になった頃。

「悪いけど……つくね、落ちてると思う」

ってかっちゃんが言うんだ。

「あっ、やっぱり?ちなみに、何でそう思う?」
「本屋さんで働く人って落ち着いて物静かで、黒髪で、学校でも休憩中本読んだりしてるイメージがある」
「うんうん」 
「つくねはちょっと違うかなーって」
「やっぱり?長所の欄に『自分の意見が言える』とか書いたわ……縁が……縁がなかった、か……」


 

次の日。

「見ろーっ!採用通知様ぞーっ!!」


つくね、本屋さんで働きます!

そうだ!
明日の夜8:30〜

かっちゃんとスタエフでおしべりするので!
ゼヒ聞いてみて下さい!!







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