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伝説の「クソニセマジック」(後編)

さて、お待たせしております後編ということで。
まずは前編読んでない方はコチラから!

伝説の「クソニセマジック」(前編)
https://note.com/tsukurei/n/n54e042085003

後編の今回は、主にこのクソニセマジックを実際に遊ぶ際には、本家とどのような違いや独自性があるのか、というところにスポットをあてて進めていきたいと思います。


カードの特徴

まず、本家マジックと土地の種類が異なる。本家のそれぞれに対応する土地(種類・色)はくそニセマジックでは以下の通りになっている。
白(平地)→羽
緑(森) →温泉
赤(山) →宇宙
黒(沼) →雲
青(島) →川
それぞれの色によっての特徴や、相性の相互関係はニセマジックでも概ね同じであったが、くそニセマジックになってからはほとんど土地を使用しなくなったのもあり、あまりその辺は関係ない。コストはただの飾りに近いものになっている。

カードのつくりは基本的には本家と同じで、左上から順に、
カード名  コスト
  カードの絵
魔法の種類(召還魔法やインスタント等) レア度&弾マーク
  カードの内容
  キャラのセリフやコメント等
となっており、クリーチャーであれば右下にアタックとタフネス表記が存在する。さらにカード左下には製造年月日も記されている。
ちなみにレア度&弾マークというのは、本家マジックにも存在するような弾マーク(第何弾のカードかを示すマーク)に、黒塗りでコモン、白塗りでアンコモン、斜線でレア、といった表記をしている。とはいっても、現状では全種のカードが一枚ずつしかつくられていないので、言ってみれば全部レアに当たるのだが、カードの内容的に差がつけられることが多い。


特殊ルール

前編でも触れたように、自分の首を絞めるカードばかりなので何も制限しなければ両者がカードを使わずゲームが進まないということになりかねない。そこで用いられたのがくそニセマジックならではの特殊ルール。大きくわけると2つある。

1つは、土地という概念を全くなくすこと。そして最初に手札が7枚ではあるが、可能な限り全てのカードをプレイしなければならないというルール。場合によっては、先行が1ターンで自滅してゲーム終了なんてこともあり得る。手札を見た瞬間に相手が笑いがとまらなかったら、1ターン終了濃厚だ。無事に全プレイヤーが1ターン終了しても、毎ターン、ひいてくるカードはプレイしなければならない。

もう1つは、始めにお互い3枚ずつの土地がある状態でゲームスタート。この土地は5種のどんな色にも使える。必ずカードをプレイしなければいけないわけではないが、この土地は毎ターン必ずタップするというルールで、カードをプレイしてマナを消費しなければ必然的にマナ・バーンをひきおこしてダメージを受ける、という仕組み。また、各プレイヤーはドローフェイズに山札から一枚ひくかわりに、そのカードを土地として加えることもできる。土地を増やさないとプレイできるカードが限られるのである程度は土地を増やしたいが、あまり増やし過ぎると今度はマナ・バーンする時が痛いという風になる。


特殊能力

クリーチャーにはさまざまな能力があるが、本家マジックに存在する「トランプル」「先攻」「飛行」等といった一言で効果をあらかじめ定義している能力について、本家マジックから受け継いでいるものと別に、くそニセマジック特有の能力が存在するのでこちらを紹介しよう。

「ラトンプル」…トランプルの逆。タフネス以上のダメージを受けた場合、その差し引きされたダメージはプレイヤーにあたえられる。
「後攻」…先攻の逆。相手クリーチャーの攻撃で窒死ダメージをあたえられる場合、このクリーチャーは相手に戦闘ダメージをあたえることができない。
「あとンプル」…後攻、ラトンプルの両方を持つ略称。
「逆ランページ(ページラン)X」…ランページの逆。自クリーチャーが2体以上にブロックされた場合、自クリーチャーはターン終了時まで-X/-Xの修正をうける。
「ララトンプル」…ラトンプルの効果が2倍。
「強制…」…強制再生、強制累加アップキープの様に、他の能力にくっつく。強制的にその能力を使わなければならない。
「るるるいかアップキープX」…アップキープの払いが倍倍。1から始まるようなら、1、2、4、8…と続いていく。
「接近」…攻撃に参加することを表明し、実際に攻撃に参加するのは次の自分のターン。次の自分のターンまでに防御に参加してしまったら、また接近しなおさないと攻撃に参加できない。
「受け身」…防御に参加することを表明し、実際に防御に参加するのは次の自分のターン。ただし、その時相手が一体も攻撃に参加させなければもとに戻る。受け身で防御できた場合、戦闘ダメージをうけない。
「接受」…接近と受け身の両方を持つ略称。
「密着」…接近と同じだが、実際に攻撃に参加するのは2ターン後の自分のターン。
「超受け身」…受け身と同じだが、実際に防御に参加するのは2ターン後の自分のターン。
「病気X」…自分のアップキープにXを支払わなければ、自分のコントロールするこのクリーチャー以外の全クリーチャーを埋葬する。なお、アップキープの支払いは累加アップキープより先。
「エゴー」…自分のアップキープに、このクリーチャーのコストに等しいマナを支払わなければこのクリーチャーを埋葬する。
「ライフエゴー」…自分のアップキープに、このクリーチャーのコストの総数に等しいライフを支払わなければこのクリーチャーを埋葬する。
「場違い」…何も効果なし
「超再生」…いけにえや埋葬でも再生する。ゲームから取り除くは対象外。
「リンチ」…全ての攻撃クリーチャーをまとめてブロックする。ダメージの振り分けは攻撃側が行う。
「けびょう」…病気とうそをつくこと(何も効果なし)
「恐怖症X」…Xの色のクリーチャーが場にいた場合このカードは場にだせない。このカードが場にでていて後からその色のクリーチャーがでてきた場合、このカードを埋葬する。
「大人の黒」…いずれかのプレイヤーが累加アップキープによってライフを失った瞬間、あなたの負け。
「Never アウトX」…Xを支払えば、フェイズアウトできる。特殊なカードを使わない限りフェイズインはできない。
「ずっと召喚酔い」…そのまま。特殊なカードを使わない限り召喚酔いからさめない。
「サプライズ」…この魔法が成功した時全てのプレイヤーはコストを支払わず手札からカードを一枚プレイする。プレイする順はこのカードをプレイした次の番の人から時計まわりに一人ずつ。
「ヘルプユーX」…自分のアップキープ開始時に自分はXのライフを失い、対戦プレイヤー全員はXのライフを得る。


いかがでしたでしょうか。
これらを主に中3くらいからやっておりました。今こうしてみると、色々と素人的な穴のある構成やルールなども多いですが、学校の休み時間にやる程度(というか実際にこれでデュエルしたことは少ないが)なら、こんなもん、というか全然いいんじゃないでしょうか。

ちなみに余談なのですが、特殊ルールの項で紹介した2つ目の、カードをプレイしなければマナ・バーン、ドローフェイズにドローしない代わりに土地として加算、といったルールを含め、この”クソニセマジック”にヒントを得て大人になってから作った作品が、昨年春にゲームマーケットで発表しました「ブラック白書」です。

こちらのゲームはMTGなどのTCG系とは全然異なり、いわゆる「洗面器ゲー」と呼ばれるジャンルのカードゲームに仕上がっています。ブラック企業に勤めているのだけれど、とてつもなく仕事ができないので会社を最後まで辞めなかったら勝ち、というユニークなゲーム。いい効果のカードが一つもなく、カード使うと確実に自分の首が絞まっていく、という点がクソニセマジックからルーツを得ているところが如実に出ています。

気になる方はコチラのページから詳細御覧頂けますので是非チェックしてみてくださいね♪

クソニセマジックがどんなものか!の紹介は今回で終わりですが、
もしかしたら今後、実際にカードそのものを紹介するかも??
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