見出し画像

ニュース記事を読んで① 〜国家公務員の中途採用について〜

ニュース記事を読んで終わりにするのでなく、定期的にアウトプットをすることにしました。
その第一弾、記事はこちら👇

■記事の内容
2020/8/18
日本経済新聞より
『政府、国家公務員の中途採用テコ入れ 人材大手と提携』

政府はエン・ジャパンと提携し、国家公務員の中途採用に力を入れる。政府は2012年度から中途枠を設け2016年度からは毎年200人以上採用しているものの、申し込みは3,000人に届いていない。そこで、同社4つの求人サイトやバナー広告、特設サイトで国家公務員中途採用の周知を図る 。2020年度は事務系や技術系など8種で約280人中途採用する見込みだ。

■見解
公務員職のニーズはコロナ禍で高まったが同記事からわかるようにそれ以前からであった。コロナ禍のニーズといえば、コロナウイルス感染症関連給付金・補助金・助成金の対応人材とさらにそれをまとめる人材採用の需要が高まっていると聞いた。しかしながら、政府はコロナ以前から200人以上の国家中途を採用している。ではなぜ国家公務員の中途採用に力を入れているのか、そして申込数が少なかったのはなぜか。

【採用の種類】
まず、国家公務員の中途採用の種類について主に3種類ある。(参考②)
① 経験者採用
大学や大学院を卒業したのち民間企業や公官庁などで指定年数以上勤務し即戦力となる人物が対象。
民間企業等での実務経験のある人を国の機関の係長級以上の官職に採用する。
② 社会人試験
年齢や学歴・職歴などの条件を満たす人が対象。
係員級の職員に採用する。
③ 中途採用(就職氷河期世代)
1966年4月2日から1986年4月1日に誕生した人が対象。

【国家公務員の中途採用をする理由】
採用の種類から国家公務員の中途採用をする理由は以下の2つ考えられる。
① 専門知識、ホスピタリティ、柔軟な考えを持った即戦力
② 就職氷河期世代
例えば外務省経験者採用試験の求める人材に9年以上の研究又は職務経験を通して得た業務遂行能力・知識のある「即戦力となるもの」とあるように民間からの専門知識や能力と即戦力が求められている。その背景には、国家公務員の役割として、時代とともに移り行く国の問題を柔軟に解決することやITを駆使することがあげられるようになったからであろう。
すなわち以前よりも専門性の高さやスピードが求められているといえよう。
また、2019年から政府が始めた「就職氷河期支援プログラム」で2020年から国家公務員の中途採用に力を入れている。就職氷河期世代の引きこもり化、晩婚化、年金未加入などの問題を解決することで日本の社会問題の一部の解決を助長する意図がある。この世代の人々は厳しい戦いの中就職活動をしてきただけあり比較的忍耐力や真面目さを備えていることが多くその秘めた「意欲・能力をいかして活躍」することで組織の活性化を図る。

【公務員の社会人経験者の申込数が伸びなかった理由】
今年全体の応募人数は伸びている。では、以前は3,000人に満たなかったのはなぜか。

① ターゲティング
経験者採用単独で申込者数を見てみると2018年は2921人2019年は2544人2020年は2663人と増加していない。しかしながら、2020年の就職氷河期世代を対象とした国家公務員の中途採用人数は来年3月以降で157人なのに対し10月13日時点で10,943人の申し込みがあった。このことから就職氷河期世代における公務員中途採用のニーズがより高いのではないだろうか。また、就職氷河期世代を対象とした採用は注目を浴びている一方で経験者採用や社会人採用の認知度が低いことが考えられる。

■最後に
上述のように、経験者採用や社会人採用に対する認知度が低いことが考えられるためエン・ジャパンと政府の提携は有効であると考える。しかしながら、働き方が多様化している現代において、公務員として働くことを目指す人がどれほどいるかはわからない。また、自分らしく場所や時間を問わず自由に働く風潮が加速する中、いかに公務員職がそれにこたえるのか今後に期待だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?