平蕾知 初雪

創作ファンタジー「凱歌のロッテ」(旧題「東冥の讃歌」)の外伝的な小説及び解説。一言でも…

平蕾知 初雪

創作ファンタジー「凱歌のロッテ」(旧題「東冥の讃歌」)の外伝的な小説及び解説。一言でもご感想などをいただけると大変励みになります。twitterのDMなども是非ご利用ください。 ※現在は整理中です

最近の記事

メインストーリーの連載を開始しました

いつもご覧いただきありがとうございます。 こちらのブログでは今までサイドストーリーにあたる短編小説を掲載していましたが、カクヨムにて本編(メインストーリー)の連載を開始いたしました。 また、本編の連載開始に合わせ、タイトルを「凱歌のロッテ」と改めております。設定や登場人物などは今までと変わりありません。 https://kakuyomu.jp/users/tsulalakilikili カクヨムにはこちらに掲載済みの短編を載せておらず、現時点では短編はブログ、本編

    • 【解説】春の大祭〈前編〉

      煎花茶(せんかちゃ)/ 「ハーブティー」としても特に差し支えない。普段飲むものよりちょっと良いお茶。飲用の葉に乾燥させた花弁などを混ぜているため、香りが良い。 神僧(しんそう)/ 僧尽の中でも数少ない役職。常に知狎苑へ顔パスで出入りすることが許されている。必ず知狎から直接指名され、所属も知狎苑近くの寺院へ変えられてしまう。(青の国の場合は、東苑を管轄とする理天東鹿寺院の所属となる) 稀に神僧への転向を拒む者がいるが、知狎がそれを許すこともまた稀である。 北苑(ほくえん)/

      • 【小説】春の大祭〈前編〉

        朝と昼の間頃、藤京学院めがけて流れてきたやたらと大きな流れ星は、どうやら他の学院からの贈り物だったらしい。というのも、なかなかお目にかかることがないほど巨大なその流れ星には、返事もいらぬような挨拶程度の連絡しか書き込まれていなかったのである。ありがたく頂こう、と誰かが言うと、あちこちから歓声が湧き、それにいくつかの歌声が続いた。子どもたちは外へ飛び出し、数名の教師らがそれを追いかける。休日前で、ただでさえ学院内には浮き足立った雰囲気が漂っていたが、さらに思いがけずこのような僥

        • 創作ファンタジー作品について

          ※7/12追記 / 作品タイトルが「東冥の讃歌」から「凱歌のロッテ」へ変更となりました。記事内では旧題のままにしておきます。 作品を読んでいただきありがとうございます。興味を持っていただけただけでも本当に嬉しいです。 順番が前後してしまいましたが、こちらの記事にて当ブログの説明をさせていただきます。 「東冥の讃歌」は、東世と呼ばれる異世界を中心に、少年少女が世界の謎を追求するため旅をするファンタジー作品です。 このあらすじは「東冥の讃歌」本編のもので、本編の構想は現在

        メインストーリーの連載を開始しました

        マガジン

        • ルヴナンと饒舌な奇談蒐集家【カクヨム中編版】
          0本
        • 東冥の讃歌
          4本

        記事

          【解説】休日、北部街道にて

          ・東世(とうぜ)とは 東の青の国、南の朱の国、西の白の国、北の黒の国で構成される広大な大陸世界であり、物語の舞台。歴史的な名残から四つの国に分かれてはいるものの、今は統治者もなく、国家としては成り立っていない。 寺院と学院が要の機関として機能しており、個人の手に負えない困りごとがある際はどちらかを頼る。海はあるが太陽と月がなく、昼と夜は神によって分けられる。 東世では、魂を持つものは必ず魔法を使うことができるとされている。目に見える神の存在があるため、独自の宗教観と文化を育

          【解説】休日、北部街道にて

          【小説】休日、北部街道にて

          珍しいことに、その日ユッセは朋人(ゆうじん)の妹と閑散とした北部街道を歩いていた。 珠銭(じゅせん)をやるから妹を見ていてほしい、と頼まれたのが今朝のことである。特に何かあったわけではないが、急に独りで街を歩きたい気分になったのだそうだ。 ライヒは兄そっくりの整った顔立ちをした快活な少女で、ユッセにとっては確かに朋人の妹なのだが、教え子とも言える。この春から彼女の兄もユッセも、紫錦黒海学院(しきんこくかいがくいん)の教職として名を連ねているためだ。とはいえ、今のとこ

          【小説】休日、北部街道にて

          【解説】ユノン先生、赴任する

          ※はじめに東世(とうぜ)についての基本情報を簡単にご紹介 東の青の国、南の朱の国、西の白の国、北の黒の国で構成される広大な大陸世界であり、物語の舞台。歴史的な名残から四つの国に分かれてはいるものの、今は統治者もなく、国家としては成り立っていない。寺院と学院が要の機関として機能しており、個人の手に負えない困りごとがある際はどちらかを頼る。海はあるが太陽と月がなく、昼と夜は神によって分けられる。東世では、魂を持つものは必ず魔法を使うことができるとされている。目に見える神の存在が

          【解説】ユノン先生、赴任する

          【小説】ユノン先生、赴任する

          トキノは珠珠の子なのだそうだ。言われてみれば、両親と手を繋いで歩く彼の横顔は、妙に照れくさそうだった、ような気がする。現在自分が置かれている環境か、それとも大人と手を繋いで歩くこと自体か、何かしらがトキノによっては不慣れで、むず痒い心地のすることなのだろう。 珠珠の子は神からの贈り物だ。珠珠の親となる者は、神である知狎から与えられた預言と加護を携えて子を迎えに行く。東世では知狎から賜るものを「珠」と呼ぶことが多いが、かつて珠珠のことを「知狎の子」と呼んでいた時代もあるのだそ

          【小説】ユノン先生、赴任する