【小説】春の大祭〈前編〉
朝と昼の間頃、藤京学院めがけて流れてきたやたらと大きな流れ星は、どうやら他の学院からの贈り物だったらしい。というのも、なかなかお目にかかることがないほど巨大なその流れ星には、返事もいらぬような挨拶程度の連絡しか書き込まれていなかったのである。ありがたく頂こう、と誰かが言うと、あちこちから歓声が湧き、それにいくつかの歌声が続いた。子どもたちは外へ飛び出し、数名の教師らがそれを追いかける。休日前で、ただでさえ学院内には浮き足立った雰囲気が漂っていたが、さらに思いがけずこのような僥