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棟方志功の旅で出会うもの

目的の記念館へバスで向かう
彼が生きている間には完成は叶わなかったけど、こだわった池や藤棚がある庭園の奥に建物があった

銅像がお出迎え
木版画はデザインに近い
板木を撮影してしまうところが版画製作者
鷹のモチーフが好きだったらしい

こじんまりとした館内にはそれほど多くの作品はないが、その分ゆったり見られる
30点くらいの展示を本人が望んでいたとのこと
そこまでいろいろ考えているのが、さすが
「わだばゴッホになる」と言っていた彼に、ゴッホゴッホって咳か
とあしらっていた人もいるらしい
昔からそういう人は一定数いるんだな
ゴッホに憧れていたけれど、油絵から版画に移行していくのもおもしろい
どんなきっかけで起こるのだろう
自分もそんなことあるのだろうか…
そんなことを考えながら出口近くに気になる説明書きを見つける

彼は版画ではなく板木と表現する

読んだとき、なんとエロスなんだろうと思った
私のエロスの概念があっているかが謎
これをエロスというのだろうか
といろいろ調べて
「情欲」かなとも思う
わたくしを化物にされて欲しい
ってどんな境地なんだろう
酸ヶ湯温泉では「いいお風呂ですね」って話しかけられると思ったのに、この一文で一気に遠くなった
そもそも近いと思っていたことが間違いだしね
当時の棟方志功には直接話せないけど、現代の私にはそう届いていますよーって心の中で伝える

住んでいる場所から近かったら、芹沢銈介美術館くらい通いたいところだが、青森だしもう閉館だし
最後に行けて良かったー

その足でホテルへ向かう
宿はドーミーイン
素晴らしいねぶたの装飾、素晴らしい眺め、そして読みたかった漫画と出会えた

奥入瀬渓流のねぶた
ねぶたって自由自在
めちゃくちゃ眺めがいい
1巻の途中までしか読んでいなかった

ブルーピリオドは芸大に通いたい高校生が受験から合格、入学後まで描かれている物語
村上宗隆選手の登場曲でおなじみの「群青」がアニメの主題歌になっていたっけね
2巻を読んで泣いた
なかなか親に芸大受験を伝えられず、もやもやしている親子関係が解決するところで

昔から読みたいと思っていたマンガなのに、まるで今の自分に「必要だから」と薦められたように、ぴったり当てはまる言葉がある
なんなんだろう
神様は知っているのだろうか
今のあなたにぴったりなマンガはこれよ!
と私に選ばせているのだろうか

親に理解されないって、私の言葉や熱意が足りないのかな?
マンガには母が頼って欲しかったのと息子に伝えるシーンが描かれているが、うちの親もそうなのだろうか
頼るって何?
どこまで頼ればいいの?
この年齢になっても?

マンガには絵を描くコツが随所に出てきたり
絵を描く葛藤も
何のために描くのかも
自分が興味あることに少しかすっている世界がめちゃくちゃおもしろい
絶対読みきってやる!と強く決意し、珍しく夜更かし
マンガはやっぱり紙がいいな
未明の決意は朝起きると「やっぱり観光しに来てるんだからお出かけしなきゃ」に変わり、朝ごはんを食べたあとねぶたの展示、ワラッセへ

ねぶたの発祥ははっきりしていないらしい
これが
これに

なんという大迫力なんだろう
修学旅行で来たときは何も良さが分からず、ただ通りすぎていた
その頃と比べて技術の進歩もあり、すごい躍動感
いーなー、私も作ってみたい
ドーミーインに飾られていたのは父がねぶた名人だったという北村麻子さんの作品
なんとかっこいいんだろう
唯一の女性ねぶた師
そして7代目のねぶた名人、竹浪比呂央さんのねぶたに向かう姿勢もかっこいい
いかに発信していくかが大事なんですって、そういえば木版画の先生も言っていたなー

希望をもてるねぶたを
竹浪比呂央さんの作品
北村麻子さんの作品
デジタルで作った私の作品
凛々しくかけなかったゆえの表情

強く見せるって至難の技だなー
棟方志功もねぶたが大好きだったらしい

棟方志功の字かは謎

青森の町はいたるところに棟方志功だし
いたるところにねぶただった
そしてブルーピリオドも含め、今の自分に響くものばかりだった
いや、そんなところを回っていただけだけど
寒く厳しい長い冬を過ごせる力強さを、棟方志功とねぶたから感じた
へたれていたら寒さに負けちゃうもんね
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