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お小夜と幸せ探しの伊豆旅行 #2


前回のお話はこちら→お小夜と幸せ探しの伊豆旅行 #1

2日目

朝方に小雨がちらつき、どうしたものかと思っておりましたが、宿を出るころには上がりひと安心。
雨が空気中の塵埃を洗い流してくれて、かえって良かったのかもしれません。

そんな清浄な空気に包まれて、改めて來宮神社を訪れます。
樹齢1200年を超す大楠がシンボルのこちらの神社は、前述のライトアップをはじめとして様々な取り組みを行っていることもあり、近年参拝者が増えている人気のパワースポットです。
ちなみにこの大楠の周りを一周すると、願いが叶うとか寿命が延びるとか……

参拝したのち、フォロワーさんにもおすすめされた境内のカフェで来福スイーツを頂きます。
シフォンケーキには神様へのお供え物である麦こがしが使われており、ふわふわのシフォンに抱き込まれた空気は香ばしく、カラメルのような深みがたまりません。


來宮神社を後にし、熱海駅からバスに乗って伊豆山神社へ。
伊豆という地名の発祥となったこちらの神社は、長い歴史と数々の伝説を持つ、強い信仰を集める神社です。

バス停から延びる長い階段を上り切った先には立派な拝殿がありますが、真のゴールはその先の山の頂にある本殿です。
本殿への道はかつて修験者の行場であった山道で、急な斜面や飛び出た木の根などが障害となり、そう易々と進ませてはくれません。ガチ登山です。

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途中の白山社、結明神社に手を合わせ、時折行き合う人と声を交わし、折れそうになる心を奮い立たせながらなんとか本殿に参ることが叶いました。

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来た道とは違うルートで下山したのですが、こちらはさらに道が荒れており、時折転げ落ちそうになりながら下界へ戻ってきました。

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立て続けにパワースポットで良い気をいただいたので、ここからは観光地巡りと洒落込みます。
風情ある脇道に気を引かれながら、拝殿から伊豆山浜まで続く階段を一気に下ると走り湯にたどり着きます。
ちなみにこの階段、なんと837段あるのだとか。
走り湯は日本では珍しい横穴式の温泉で、洞穴の中は源泉から上がる湯気で満たされサウナのようです。

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熱海駅に戻り、少し遅い昼食を囲炉茶屋さんでいただきます。
新鮮な海鮮を使った料理目当てに行列ができる人気のお店です。
今回選んだのは三種干物定食、ちょっと贅沢な気分になりますね。
いずれも身はふっくらとして、味が引き立っており塩気が山登りで疲れた体に丁度良く、ご飯がすいすい進みます。

腹ごしらえも済み、散策再開です。商店街を抜け、海を目指します。
道中の熱海プリンさんでおやつタイムにしようと思っていたのですが、感染防止対策でイートインができなかったため、購入したものは海を見ながら頂くことに。

青い海と空、白い弓形の砂浜、立ち並ぶ温泉宿……これぞ熱海!といった風景がビーチに広がっていました。
ビーチから少し行った先のマリーナにはたくさんのクルーザーが停泊しており、地中海のリゾート地のようです。
潮風を浴び、寄せては返す波の音をBGMに、浜辺を散策します。

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歩き疲れてデッキに寄りかかり、遊覧船が行ったり来たりしているのをぼんやり眺めていると、あっという間に時間が過ぎてゆきます。

そのままビーチへ戻り、プリンを食べながら日没を待ちます。
日が落ちると、ビーチ一帯がライトアップされるのです。
一年で最も日が短い時期なのもあり気づけばもう夕暮れ、ぽつぽつと椰子の木に光が灯りはじめ、砂浜一帯が月光のような青白い光に照らされます。

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陽気な昼のビーチと優雅で幻想的な夜のビーチを楽しむことができました。


熱海駅でお土産をいくつか選び、この日の宿がある三島へと向かいます。
ちなみに熱海(JR東日本)と三島(JR東海)とではエリアが違うため、ICカードが使えません。
それを知らず、三島の改札で引っかかるというなんとも恥ずかしい体験をしてしまいました。

チェックイン前に時間があったので、駅前の酔いごころさんで夕食をとることに。
カウンター席のみの店内は、数人でいっぱいになる狭さです。
盛り合わせで注文した静岡おでんは、真っ黒な見た目ですが存外あっさりとして、魚介の旨味がぎゅっと詰まっています。
テーブルに備え付けの魚粉をかけることによって、味が倍増します。
フォロワーさんリコメンドの黒はんぺんも味わい深かったです。

三ヶ日みかんサワーでご機嫌になっていると、隣に居合わせた常連客らしいお父さんに声を掛けられ、店主のお兄さんを交えて身の上話に花を咲かせるうちに夜が更けてゆきました。

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この日宿泊したのはホテルジーハイブさん。朝食付きのプランです。
カプセルホテルとビジネスホテルの中間のような形態で、シンプルながらも丁度よいサービスで設備も新しく、一晩を快適に過ごす場所として最適です。
洗濯乾燥機が無料で使えるのもありがたい……!
どうやら宿泊者は無料で自転車が借りられるようなので、また機会があれば自転車を借りて観光をしてみたいと思いました。

翌日の支度を終えてラウンジで本を読んでいるうちに眠気がやってきたので、少し早い時間でしたが部屋に戻ります。
心地よい疲れと充足感を感じながら、盛りだくさんな一日を終えました。

お小夜と幸せ探しの伊豆旅行 #3