ヲタクはどこにでもいるし、どこにでも行く

前回の記事。

長くなりすぎて本題までたどりつけなかった…


さて、こういうことをあれこれ考えていたときに読んで、とても共感したり、考えを先に進めたりすることができたnoteの記事がありました。

きのホ。さんの動画のこととか、(たぶん)格闘技の煽りVの話とかを書かれていて、まるで記事をそのままパクったみたいになってしまっていて申し訳ないのですが、これは自分が考えていたことと本当にいっしょだったことだったので…申し訳ありませんが、そのまま書いちゃいました…すみません…

それ以外の部分もとても共感できる内容で、しかもタイトルもすばらしくて…自分も本当はこういうタイトルをつけたいんですよ、歌詞の引用ばっかりじゃなくてね…


その記事のなかで書かれている、「2:8の法則」について。

パレートの法則とは、「2:8の法則」とも呼ばれる。 顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割をあげているという法則のこと。
全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上が維持でき、高い費用対効果を追求できるとするもの。

パレートの法則は当初の所得分布の経験則としてだけではなく、現在では、品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなどにも適用できるとされており、経済以外の自然現象や社会現象まであてはまると言われている。

たとえばマーケティングにあてはめると、「全商品の上位2割が8割の売上をあげる」、「10項目の品質向上リストのうち上位2項目を改善すれば8割の効果がある」などのように使われている。

ぽたさんのnoteでも書かれているとおり、アイドル業界もおそらくこの法則が当てはまっているのでしょう。
ファンを自称する人のなかの、コアな2割が、ライブの動員や特典会収入の8割、もしくはそれ以上の貢献をしていることが予想されます。

このコアな2割のアイドルヲタクたちは、だいたい首都圏に住んでいて、推しのライブには必ずと言っていいほど参加する、いわゆる「おまいつ」の方々なのかなと思います。

この方々が売り上げの8割に貢献しているとしたら、アイドルや運営事務所がここをターゲットに戦略を立てていくのは当然でしょう。
ただ、実際には、限られたこのコアなアイドルヲタク(の時間とお金)を、たくさんのアイドルグループが奪い合っている状態なので、同業他社に劇的に差をつけるような売り方は困難なのではないかと思うのです。コンテンツが素晴らしくても、素晴らしさには点数がつくようなものではないですし、比較するものでもないからね。

「ファンを自称する人のなかの、コアな2割が、ライブの動員や特典会収入の8割、もしくはそれ以上の貢献をしていることが予想される。」
この、コアな2割から、さらに売り上げを伸ばすというのは限界があるんじゃないかと。

マーケティングの専門家でもアイドル業界の専門家でもない自分の推測に何の意味があるのか、というツッコミは置いておいて、自分なりの考えを言いますと…
「ファン(を自称する人)」の総数を増やす方が重要なんじゃないか、と思うのです。
nを増やせば、そのうちの2割も増える、という話。
当たり前といえば当たり前だし、そんなことができたら苦労はない、という話でもあるんだけど、でも、自分の好きな界隈のグループをみていると、最初からその2割に向けての発信が圧倒的に多くて、コアなアイドルヲタクではないひとたちに向けた発信が少ないのかな、と感じたので。


自分がこれを深く考えるきっかけになったのが、先日のnoteにも書いた、yumegiwa last girlのワンマンライブと、そのファンクラブのことでした。

このライブ自体、本当に感動したし素晴らしいライブで、自分は十二分に満足したのですが、その一方で、こんなに楽曲もライブもすばらしくてメンバー全員が魅力的で内面もすごく推せる人たちしかいないグループなのに、なんで動員に苦労していたんだろうか…という悔しさも感じずにはいられませんでした。
(まったくもって、自分が思うようなことじゃないとは思うんですけど…
でも、前回のエントリーで書いた、「トキ消費」「当事者意識」というのはまさにその部分で、いちファンである自分も当事者みたいに悔しく感じる、というのが推し活の醍醐味だと思うのでご容赦ください…)

この1年の活動で、たぶん、それこそこの界隈のコアなアイドルヲタクでyumegiwa last girlの名前を知らない人はいなくなったんじゃないかと思うし、その人たちは、おそらく1回はどこかの現場で夢際のライブを観ているんじゃないかと思うんですよ。
それなのに、2周年という記念のワンマンで動員に苦労するというのは、もちろん会場がめちゃめちゃ大きかったということはあるけど、やはりそこ(コアなアイドルヲタク)を中心に訴求するやり方に限界がある、ということなんじゃないかと。


そして、そのワンマンの直前に、yumegiwa last girlのファンクラブが開設されたんですけど。

ファンクラブ自体はファンが待ちに待ったもので、とても喜ばしいニュースだったし、自分も当然入会したのですが、そのプランと特典が、正直に言って、自分には少しだけ残念に感じてしまいました。

自分的に残念だな…と感じたのは、以下の2点です。

①箱推しプランがない
上記の「ゆめみるクラブ」、もっとも安価な「うたたねプラン(月額500円)」こそメンバー別ではないのですが、それ以外の「すやすやプラン(月額1500円)」、「ぐっすりプラン(月額10000円)」とも、メンバー別のプランとなっており、その推し以外のメンバーのブログや写真は閲覧できないという、箱推しには切ない内容となっています。
箱推しを自負するなら全員分加入しなさいということでしょうか…
特に好きな推しもいるけど、基本的にはメンバー全員のことが好きな自分としては、メンバーみんなのblogを読みたいのに…と、とても残念に思いました。

②特典内容(の一部)が、よく現場に行くコアなファン向けである
具体的に言うと、「LIVEチケット(最)優先販売・先行販売」と、「特典会で使えるメンバー専用デジタル特典券(毎月1枚発行)」の部分。
まず、ライブのチケットの優先販売。これはファンクラブの定番ですし、ある方が当然な感じがするので、こちらは全然理解できます。ただ、ファンクラブに入るような、少なからぬ愛情をもったファンが「うたたねプラン」を選ぶとは思えないし、そうすると、チケットの先行販売がどのくらいライトなファンにとって魅力的なのか…という疑問はあります。
そして、デジタル特典券の方。これはすやすやプランとぐっすりプラン共通の特典ですが、期限が1ヵ月になっておりまして、そうすると、このプランに加入する人は、最低でも月に1回はyumegiwa last girlのライブに参加して特典会にも参加する、ということが前提となっている、と考えられます。
自分を基準にして申し訳ないのですが、関東とはいえ家から都内のライブハウスまで2時間かかるところに住んでいて家庭があって小さい子供もいて、しかも推しがたくさんいていろんなグループのライブに行きたい自分には、これは非常に難しいことです。
そして、そもそも、ライブに行かない在宅ヲタクのことを、このファンクラブは対象としていない(というか対象としているプランがない)、ということになります。
自分がいちばん残念だった、というか、自分はファンだと思っていたけどファンだなんて口にする資格はないのかな…ってさみしくなったところは、この部分でした。


自分のことは置いておいて、冷静にこのファンクラブの特典をみてみると、このファンクラブが対象としているのは、すでにyumegiwa last girlのファンで、月1回以上はライブに行っていて、ライブに行くときはなるべく早い番号のチケットをとりたい、というような、かなりコアなファンだと思われます。
つまり、このファンクラブは、新しいファンを獲得するためのものというよりは、既存のファンにもっと好きになってもらうためのもの、ということになります。

さきほどの「2:8の法則」に基づくなら、このマーケティングはたぶん正しいのだと思います。ただ、この1年でメンバー個々の魅力もライブのパフォーマンスも比べものにならないくらい成長したyumegiwa last girlが、それでもワンマンの動員に苦労したことに対して、それを解決する方向になるとは、自分には思えないのです。


で、さっき素人の自分が偉そうに主張した、「ファンの母数を増やすこと」、それにはどうしたらいいのかを、素人の自分なりに一生懸命考えてみました。
考えるのは自由だから…笑って聞いていただけたら幸いです。

結論から言うと、「アイドルヲタク以外の人に訴求すること」「地方に住む潜在的なヲタクをファンにさせること」ではないかと考えました。


ももクロがもっとも有名だと思うけど、自分が好きなメジャーアイドルは、でんぱ組もリリカルスクールもフィロソフィーのダンスも、ロックバンドなどアイドル以外と対バンライブをしたり、音楽フェスに出たりして、アイドルヲタク以外のファンを獲得していったのではないかと思います。
…そんなことはきっと運営事務所のみなさんわかっていることで、だからこそ難しいことなのだろうということは百も承知なのですが、それでも、yumegiwa last girlは、というか最南端トラックスのグループみんな、楽曲もライブも本当にすばらしくて音楽ファンの目を向けさせられると思うからこそ、アイドル以外の対バンを組んでほしいなと願うのです。

あと、どんなにいい曲を歌ってて、ライブもすばらしくて、メンバーに魅力があっても、見つけてもらえなければ好きになってもらえない、という当然の事実があります。
自分がゆるめるモ!を好きになったのは完全にあのちゃんきっかけで、テレビに出ていたあのちゃんを見て興味をもって、ゆるめるモ!の曲を聴いたりライブ映像を観たりしたらそれが素晴らしくてハマった、という経緯でした。
ハマったのは純粋にゆるめるモ!が素晴らしいからですが、出会わなければハマることもできませんから、もしテレビであのちゃんを観ていなければ、好きになることもなかったかもしれません。
SNSに流れてくるアイドルの写真、それは確かにフックになりうるのですが、現実問題、世の中にかわいい女の子はアイドル以外にも星の数ほどいて、そこできっかけを作るには競争相手が多すぎるように感じます。
なので、それ以外の手段が大切だと思っていて、一見あまり関係がないような分野での活動が、結果的にグループを知ってもらうきっかけになったりするんじゃないかと思っています。
具体的には…やはり、メンバーの日常とか、企画とかの動画コンテンツを作ったらメンバーの魅力が伝わるのではないかと思います。歌ってみた
動画もぜひ見てみたいです。あと…BiSHのアユニDさんみたいにバンドとかどうでしょうか、アメリカのプロスポーツ選手も違う競技をやった経験がもともとの競技に生かされるといいますし、その経験は必ず夢際にフィードバックされるのでは…


そして、自分が言うまでもなく、ヲタクの行動力はすさまじいです。推しのためにお金を使うことはヲタク自身の喜びでもあるし、推しのために遠征することも厭いません。
都内のヲタクが推しと一緒に名古屋や大阪まで遠征に行くのは、ヲタクだからであって、都内在住だからではないと思います。だとすれば、地方のヲタクだって、大好きな推しのためなら、地方から遠征するはずです。
もちろん、「おまいつ」にはなれないでしょうけど、ワンマンなど、大事なライブのときには、なんとか都合をつけて遠征したいと考えると思います。
要は、距離ではなくモチベーションの問題、つまり、「どれだけ好きか」。遠征するかどうかはそこにかかっているのではないでしょうか。
そして、都内の人口は1400万人でもちろん最多なのですが、全国の合計は1億2600万人です(令和2年国勢調査)。年齢別の比率が違うから一概には言えませんが、都内の約8倍の潜在的ヲタクがいる可能性があります。

その、地方に住むアイドルヲタクに、グループを好きになってもらって、遠征してもらうためには、やはり、「当事者意識」が不可欠だと思います。
そこで必要なのが、前回記事でも書いたように「人」を好きになってもらうことと、あと、特に地方在住のヲタクにとっては、「自分もファンとして応援できているという認識が持てること」だと思うのです。

自分が加入しているEMOEのファンクラブは、自分のプランだと、メンバーからサインとメッセージ入りのチェキが毎月送られてきます。そのおかげもあって、メンバーは自分のことをちゃんと認識してくれているし、そのことで、自分もちゃんと推しの力になれている、という幸せを感じられています。
このプランの素晴らしいところは、地方に住んでいても、ライブにあまり行けなくても、「推している」と胸を張って言うことができる、つまり「当事者意識」を持つことができる、という点です。
ちなみに、当初、自分は、「このプランはちょっと高いけど、毎週ごほうびチェキを買うって考えたら安いかな…」と思って加入したんですけど、結果的には、ファンクラブに入って、さらにごほうびチェキをほぼ毎週購入して、さらに毎月のオンラインサイン会用チェキも購入しています…全然安くない…でも最高に幸せ…

自分が思うに、好きな物や好きな人のためには喜んでお金を遣う、というか、お金を遣わせてほしいと願う、というのがヲタクなので、アイドル運営の皆さまにおかれましては、いかにヲタクが喜んでお金を遣うか、お金を遣わせてほしいと願うかを念頭に置きながら、ヲタクそれぞれのニーズに対応するようなプランの選択肢を作っていただけたら、と切に願います。


マーケティングでCRM(顧客関係管理)という手法があるそうなのですが、今さっき知ったばかりの自分が、その考えをもとにして、偉そうに夢際のファンクラブ特典を勝手に考えてみました。

まず、箱推しプランの創設。このプランでは、もちろん単推しより高くていいから、メンバーのブログは全員分読めるようにしてほしいです。あと、これも高くていいから、メンバーのチェキが届くようにしてほしい(デジタル特典券との選択制とかで)のと、年1回でもいいから集合チェキが届いたらうれしいです。チェキは撮影が大変だから、メンバーの負担が大きいようならブロマイドとか。デジタルフォトもいいですね。
でも、本当を言うと、メンバーのブログはファンクラブの特典にしない方がいいんじゃないかって感じています。理由はもちろん、新しいファンの獲得になると思うからです。あと、ファンクラブの特典になると、メンバーが本音を書きやすくなるのはいいんだけど、毎日書かなきゃっていうプレッシャーになってしまったらあまりいいことではないと思います。文章というものは書きたいときに書くべきだと思うので。

あと、さきほどの「デジタル特典券」。これはできれば有効期限をもう少しだけでも延ばしてもらいたいのと、あと、上限3枚までとか決めてもいいから繰り越せるようにしてもらえたらうれしいです。
あと、上でも書いたけど、特典をデジタル特典券以外にも選べるようにしてもらえると、地方在住のヲタクも安心して入会できるので、特典を毎月1ポイントとかのポイント制にしてもらって、1点でデジタル特典券またはランダムチェキ、2点でサイン入りデジタルフォト、3点でサイン入りチェキ、4点で集合チェキ…とかにしてもらえたら、CRMで言うところのさまざまな顧客ニーズを満たせるんじゃないかと。
個人的には、10点で推しからのお手紙がほしい…1ヵ月10000円はちょっと躊躇しちゃうし、しかも毎月書いてもらうのは申し訳なさすぎるから…


もちろん、サイト運営にかかる費用や手間、特典に対するメンバーの負担が増えることは当然ヲタクの本意ではないので、できるだけ負担の少ない形にしてほしいと願っています。
ただ、本当に…コアなヲタク以外のヲタクにも当事者意識を持たせてもらえたらとてもうれしいですし、もしそれが持てるのならヲタクは喜んでお金を払うし、たとえ地方からでも遠征するんだ、ということが伝わればいいな、と思って書きました。
運営スタッフのみなさんやメンバーの苦労とか…たくさんあると思います、何も知らない人間が勝手なことを言って申し訳ありません。

先日のワンマンで、そして、そのあとのblogで、メンバーのこの1年にかける想いがすごく伝わったし、自分はただの1ヲタクだけど、推しの夢は自分の夢だから、どうしてもその夢を叶えてほしい、と心から願っています。


…前回のよりさらに長くなってしまった…もし読んでくださった方がいらっしゃったらありがとうございました…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?