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人の爪を笑うな

20210901 タイマンならぎりぎり張れる

2学期初日の息子のお迎え。久しぶりの小学校に緊張したのは息子だけではない。
すぐ目の前に談笑する保護者たち。何度か言葉を交わしたことがある。何なら日傘刺してる方は連絡先も知ってる。幼稚園も一緒だった知り合いだ。しかし盛り上がる彼女の視界に私は入らない。日傘女がこちらを向いた。表情を和らげようとしてやめた。彼女の視線は私の後ろ、今やってきたもう一人の日傘女に注がれている。親しげに引き入れ、目の前の二人組は三人組になった。

オカシイデスネ、ワタシハトウメイニンゲンデスカ。

涙目のまま、宙を見、穏やかな表情を装う。無自覚ないじめを呪いながら、口角をギューッと上げた。

入口が賑わしい。ランドセルを揺らしながら息子が笑顔でこちらに走ってきた。「おつかれ、おつかれ」汗ばんだ身体を抱きしめる。息子はすぐさま三人組に「さようなら」と挨拶をする。よく知っているおばちゃんだから。
「さよなら~」背中に視線を感じながら私は思う。

 三人は怖い。けど、タイマンならぎりぎり張れる。

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