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英語の先生を突撃インタビュー vol.5 「80才まで笑顔でレッスン」パート2

英語を教えるスナダマリコ とセキヤユーコが、つながるまなび educatorsの先生にお話をお伺いするコーナーです。
突撃インタビューvol.4 は神奈川県横浜市 立林塾の立林洋子先生です。https://tatebay.com/   

パート1はこちら

好きなことで生きる


今でも児童に教えるのが一番楽しい、とおっしゃる洋子先生。「それはなんででしょう?』の質問に

「子供達が可愛くて仕方がない。英語が好きになっていく、その姿を見るのが幸せです。」

今も精力的に新たな指導方法を学ばれており、

「最近はJazzチャンツもいいです。Jolly Phonicsも面白い。もっと知りたい。どんどん学びたい。もっと上手になりたい、という欲が出ていて、終わりがありません、」と力を込めて言われました。


洋子先生は半年前に体調を崩されたそうです。代わりのきかない塾経営と講師の仕事は過酷です。急に仕事を減らすことができないからです。しかし体調が戻ると医師に、

「いつバレエのレッスンを開始できますか?」と質問したそうです。9年前からボイストレーニング、そして4年前からバレエを習っている洋子先生。

「体が資本だから、ね」と茶目っ気たっぷりに笑って、片足で立ってもう一方の足を体の脇で持ってくれました。「柔らかい!!!!」と大騒ぎするユーコとマリコ。


「今はバレエに週2回行っています。声は、教師をしているととても大事。いつまでも教えられるために、大きくて通る声を保たないとね!」

好奇心と行動力の塊である。

どうやったらそんなにいつまでも好奇心を保って学べるのですか、とたずねると、「私は今が一番若いんです」と即答されました。


「教えるのが本当に楽しい。趣味みたいなもんです。それが仕事だから、ずっとしたいです。この10年くらいの間、100才の自分から今の自分をふと眺めることがある。するとね、今が一番若いんです。今が一番幸せ。だって全ての時間を自分のために使えるから。」

学びの軌跡

さあ、そろそろ時間だ。明日も夜遅くまでレッスンがある洋子先生だし、切り上げないといけない。

そこで、あともう一つ、と決めて「小さい時の洋子ちゃん」を教えてください、とふってみた。

「そうね、私は4人きょうだいの上から2番目。結構大人しかったのよ。英語はね、テストもいつもよくできた。でも話せるようにはならないから、何かおかしいな、と思ってラジオを一生懸命聴いていました。

当時は松本亨先生と,東後勝明先生の番組でしたね。学校ではJack and Betty という教科書を使っていてね、中学3年で仮定法が出ていたわよ。」

すごい記憶力である。

ここで3人、今の時代は学習アプリもあるしYouTubeもあるし、語学をまなぶには本当に便利だよね、という話で一時もりあがる。

さて、洋子先生は、英検ができたばかりの時にいきなり1級に挑戦して、一発で合格した。まだ1、2、3級までしかなかったころだ。


どうやって実力をつけたのですか?の質問に「高校で指導するにあたって、たくさん本を読んだ」とのこと。


勤務先高校の英語指導では、生徒は年に二冊英語の本を選び、読んで感想を書くことになっていたのだそうだ。


本はどんなものでもいい。日本語訳が付いていてもいいし、ごく簡単なものでもいい。パールバックの「大地」を読んで感想を書いてきた強者もいた。


それを、他の先生は多分読まずに添削していたけれど、洋子先生は全部読んでから一つずつに感想を書いて添削をした。


50人が4クラス、合計200人の生徒が二冊ずつ本を選んだら、被るものもあるとはいえ、年間400冊近くにのぼる。それを全部読んだ、というのだから驚きだ。


「それは何かこう、指導に関する強い信念や考えがあってのことでしょうか?」インタビューの最後を締めくくる、そんな回答を期待して尋ねたら、答えは



「ヒマだったから。」



2暇だったから

のけぞるユーコとマリコ 


「えー、うそうそ!そんなわけない!」


3暇だったから

「ううん、ううん、本当に暇だったのよ。その時は結婚もしていなかったし。」


明るく、飾らない、そして愛情たっぷりの洋子先生にエネルギーをもらってインタビュー終了です。

ワンオペ育児と仕事のバランスを取りながら、長年指導され、まだまだ教え続けたい、と力強くおっしゃる洋子先生の秘訣は...。正直もっともっとお話が聞きたいです。

ただ、キーワードは先生がおっしゃった「感覚で生きている」「今が一番幸せ」という言葉かもしれません。

それは言い換えれば、自分の今の気持ちを大切にする姿勢です。


女性と仕事と経済的自立

洋子先生の話を伺う中で心に残ったのは「経済的自立」に対する意識です。

そして、「教えることが楽しく、ずっと続けたい」とおっしゃるように、自分らしい人生を生きることで「精神的な自立」も果たされています。

これを自立した女性の姿というのだと思います。

多くの英語教室の指導者は女性です。組織の中で、女性としての身の振る舞いを求められたり、評価されることがありません。よって自分に裁量権がある、とても自由な労働環境だといえるでしょう。

ところが自戒を込めて言うならば、「経済的自立」という観点に立つと、その意識は薄くなりがちなのではないでしょうか。

英語を教えながら「経済的自立」を得るために今後どう働いていくのか。

仕事周り、家庭周りをどう整理して行動に落とし込んでいくかは、今後大事なステップだなぁと気付かされました。


最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。


洋子先生が、お元気に、まずは80才まで!指導を継続されるのを心より応援しております。


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