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山小屋の求人

新年度ということで今回は山小屋の求人の話。

山小屋で働きたいと思った時、どのように仕事を探せばよいのでしょうか。

山小屋と一口に言っても、
コロナ前までは800人ほどのお客様を受け入れていた巨大な施設から、
収容人数20人程度のこぢんまりとした小屋まで規模はバラバラ。

また山小屋を運営する母体も複数の山小屋を所有し、株式会社として運営している大規模なものから

市町村が所有する公共の施設、

家族経営の小さな小屋まで様々。

規模の大きな民営の山小屋は普通の会社と変わらないようなホームページを持ち、
採用情報を載せているところもあれば、
そもそもホームページすら無い山小屋もあるのです。

そんな多様な山小屋を探すのに、
まず一番定番と言えるものに山小屋専門の求人サイトがあります。

その名も「インクノット

北は北海道、南は九州まで全国津々浦々の山小屋の求人が掲載されています。

募集中の山小屋、
今後募集予定の小屋、
至急働き手が必要な小屋などが一覧で表示されており、
給与や期間など一通りの情報が載っているため
条件を比較しながら選ぶことができます。

有名な山小屋は大体掲載されているので、
山小屋アルバイトが初めての方はこれを見れば
万事解決です。

さらに詳しい情報は公式サイトのURLが貼ってあるので、そちらを確認すればOK。

サイト管理人さんによる山小屋仕事の概要なども書かれているので、初めての方には参考になると思います。


しかしこのインクノットは全ての山小屋が載っているかと言うと、そうではありません。

例えば私が今年の夏に行く山小屋は掲載されていません。

先日、その山小屋の管理人さんの話を聞いたところ、数人募集するためだけに掲載料を払うのは勿体ないから、とのことでした。

特に募集人数の少ない山小屋はその傾向にあるようです。
その場合はその山小屋のサイトで情報を載せていたり、instagramやFacebookなどのSNSに掲載しているケースがあります。

小規模な山小屋、穴場の山小屋を探したい方は地道にサイトやSNSから探したほうが良さそうです。

あとは山と渓谷社のサイト、
ヤマケイオンライン」にも山の求人が載っています。
こちらは山小屋に限らずアウトドアに関わる求人全般が載っており、私は山小屋の求人が少ない冬の時期によく眺めています。


お洒落な山小屋から


the山小屋まで



さて続いてはどのように山小屋を選べば良いのか、
ザックリとその判断基準になりそうな要素を上げていきます。

立地

まず立地。
山の麓にあるのか山頂や稜線にあるのか。
どんな景色が見られるのか。

山麓の小屋であれば登山経験が無くても歩いていけたり、近くに車道が通っていて頻繁に人里に降りることができる小屋もあります。

山頂や稜線の山小屋は言わずもがな
景色の良さは抜群。

一方で簡単に下山ができないので数ヶ月山の中ということもありますし、山小屋まで10時間以上かかるような山奥だと、たどり着くまでに相応の体力が必要な場合もあります。

物資もヘリコプターによる場所がほとんどのため天候次第で食糧が限られてくることもあります。
また後ほど触れますが山頂付近の山小屋は水が貴重な場所も多いです。

車が入れる小屋は物資に困ることはありません。
稜線の山小屋は景色は良いですが、
何かと不便も多いです


水の有無。水が豊富な小屋は毎日お風呂やシャワーが浴びられる一方で、
雨水に頼っている小屋ではシャワーでさえ
2〜3日に一回とか1週間に一回などの制限があります。

雨水に頼る小屋は大体が標高が高い場所にあり夏であってもそう汗はかかないので、
2〜3日お風呂に入らなくても、
気にならなくなるのですが、
その感じ方には個人差はあるので、
気にされる方は水の有無はチェックしたほうが良さそうです。


稜線の小屋は水の確保は大変
沢沿いの小屋は水が豊富
水道の蛇口も開けっぱなしです。


期間

山小屋の営業期間は山小屋によりまちまち。
通年で営業していて1年以上雇用してくれる小屋もあれば、富士山のように7,8月だけという小屋もあります。

あとは4〜11月の間営業していても
ゴールデンウィークや7〜8月の夏山最盛期、
9〜10月の紅葉期に増員するための、
短期、中期スタッフを募集する小屋もあります。

八ヶ岳の山小屋は通年営業が多いです


規模

山小屋の規模で働き方や小屋の雰囲気も変わります。
大きい山小屋は受付や厨房などは分業になっています。逆に小さい小屋はそれら全てをマルチに行います。

スタッフが数十人いる小屋から3人ほどの、
まさに家族のような小屋まで。

一つ屋根の下で暮らすわけですから、大勢でワイワイするのが良いのか、
少人数でアットホームな雰囲気が良いのか、
というのも大事な判断基準になります。

小規模な小屋なら
スタッフ数5〜6人というのも珍しくありません

その他

個室なのか相部屋なのか、
携帯の電波は通じるのか、Wifiはあるのか、
といったところも判断基準になるでしょうか。
最近の傾向としては個室でwifiがある山小屋が人気とのこと。時代でしょうかね。

山奥ではまだ電波が無いところも


山小屋バイトは実際に現地に行ってみないとわからないことは多いですが、
ある程度自分の希望やこだわりに沿って見つけてもらって、あとは実際に行った時に本当に自分の思った通りであればそれでよし。

思ってたのと違った!そんな発見も今後に活かせるから決して悪いだけではないでしょう。


さて4月に入りまして
営業開始が早い山小屋についてはもうスタート間近ですが、まだ4月からの求人を出している小屋も多い様子です。
例年ですと人気の山小屋は募集を締め切っている小屋もあるのですが、年々人が集まらなくなっていることが伺えます。

もし山小屋の仕事に興味がある方がいらっしゃいましたら、試しにぜひ一度インクノットから見ていただければと思います。

あとは私も答えられる範囲で質問受付けますのでよろしければどうぞ。

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