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教えじょうずは、何じょうず?ーボイトレの先生と教師五者論ー

自分でもびっくりしているのですが、最近ボイストレーニングにはまっています。

音楽をやっている友人の影響で、自分も何か始めたい、まず基本は歌だろう、というゆるっとしたきっかけで習い始めたのですが、楽しくて楽しくて仕方ない…!
(勿論、十分に感染対策をされた環境でレッスンを受けています。)

私はそもそも、そこまで歌うことが好きではないです。
人前で歌うことは尚更。

そんな私がなぜここまで熱中しているのか、理由を考えたときに、先生が「教えじょうず」だからに他ならないと気付きました。

何が「じょうず」なんだろう?
他の先生とどこが違うのだろう?

考えたときにふと思い出したのが、教師五者論です。
私の先生は、見事に五者を兼ね備えているのだと思います。


①そもそも教師五者論って?

教師五者論は、よい教師が兼ね備えているといわれる資質を表したもので、五者とは『学者』『役者』『芸者』『医者』『易者』のことです。

学者:対象教科に関する深い知識をもっていること
役者:生徒を惹きつける魅力があること
芸者:学ぶことが楽しくなるような環境をつくること
医者:つまづいている点を見抜いて解決策を提示すること
易者:生徒の可能性を見抜いて導くこと


一般的によい先生の資質としてイメージしやすいのは、『学者』かと思います。ボイトレでいえば、歌うことに関する知識を教えてくれる。

役者』『芸者』に関しては、先生、歌が超上手!(当たり前だけど…!笑)

ただ上手なだけではなく「今はこうだけど、うまくなればこうなる」というゴールイメージを実際に歌って披露してみせてくれるので、俄然やる気が出ます。

「先生のように歌えるようになったら楽しいだろうなあ。」という気持ちがモチベーションになります。私は先生に魅了されているわけです。


②見落としがちだけど、これが本質なのでは?

でも、この先生の1番の能力は『医者』だと感じています。

「習得できていない」という状況は段階で表すと、「知らない」→「わからない」→「できない」という順になりますが、「できない」が1番の関門!

複数のアプローチをしながら、私に合った関門の突破方法を探してくれます。

まず、呼吸からやりましょう。
1つ1つの音の精度はまず気にしなくていいです。
とにかく大きく吸って出すことを意識してください。
まゆさんはエモーションの人なので、
今まで忘れたくない、と思った光景を思い出しましょう。
それで歌った方がいいかも。
逆におなかに空気を入れるイメージで歌いましょう。
使いわけができるように、なったら空気を吐きながら歌ってください、というかもですが、今はとりあえず入れるイメージで!


③学ぶうえでのお守り

最後の『易者』についてです。

できるようになりたいという火をつけるきっかけ、そして、躓いたときにあきらめずに前をむくためのお守りです。

aikoの「カブトムシ」を練習していたときに、どうしても「しょうが」の『』の音が納得する感じに出なくてしょんぼりしていたのですが、

音程とリズムは十分にとれています!ばっちり!
まゆさんは、まだ自分の身体という楽器になれていないだけ。
思うように弾けるようになったら楽しいですよ。

と声を掛けてもらって、元気が出ました!

できなかったことに目を向けるのではなく、今後が楽しくなるように。そこに向かって頑張ろうと思えるように。先生に限らず、そんな言葉を掛けられる人は素敵だと思います。



誰かに何かを「教える」ときに自分は今、五者のうちどの役割を担っているのかを意識すると、ただの知識伝達ではなくなるかもしれません。

そして何よりも、できることが増えた先の未来に、わくわくを抱けるようにサポートできる伴走者でいたいです。





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