ヒルに噛まれました。実録+山師に訊くヒル対策
〈無料公開だよー〉
昼は最近ヒルが出るようになってしまったらしく、とうとう人生で初めてヒルに噛まれました(ズーーーーーーン↓)
登山などでも「ヒル対策」って実際色々言われていますが、何が効いて何が効かないの?噛まれたらどうするの?ということを、山仕事人の夫に聞きました
実際噛まれてみてどうだった(どうなった)のかも含め、一挙まとめます
※一部画像あり。ダメな人は見ないでね🙏
そもそもヒルって?
ヒル(蛭)は、環形動物門ヒル綱(学名: Hirudinea)に属する生物の総称。体の前後端に吸盤を持つのが特徴である。
出典:wikipedia
・血を吸うもの、吸わないものがいる
・雄雌同体
・多くは淡水に住むが、陸上や海水に住む種類もいる
・川に入っているときや沼地や湿度の高い森林などを歩いているときに取り付かれ、血を吸われることがある
・血液の凝固作用を妨げる成分も含まれていて、流血が広がりやすいが、通常、傷は数日で治る
・ヒル自体には毒性はない
・農薬などによって減少
出典:wikipedia
ヒルにもいくつか種類があり、血を吸うものも吸わないものもある
ここではよくヒルと聞いて当てはまるヤマビルについて書いていきます
著者も今回噛まれたのはヤマビルです。森林の湿地で付かれました
▼山で撮ったヒル。こんなんがおるのよ
Q.どこにいるの?毒はあるの?
ヤマビル(ヒル)は湿った土の地面、温度や湿度が上がってむしむしするような雨の時に活発に動きます
逆にカラっと乾いた日には葉の裏や石の隙間のじめっとしたところで隠れて潜んでいる。なめくじみたいなものです
見た目もなめくじと似ている気もしますがなめくじのように遅くなく、意外と早い(活発な時はね)
シャクトリムシ(ニャッキ!ってもし知っていたらあんなかんじ)のように動きます
なので、雨の日や湿った森林の中の歩くときは注意
気温が20度近くになると活動しはじめ、25~30度になると活発になる傾向があるようで、特に雨が多く湿度が高い、梅雨の時期が最盛期です。
出典: YAMAYA
GWから秋口まで気温が高く湿気が多い時期、特に梅雨時期の登山は要注意
どのように注意するか、具体的な対策法は後ほどお話しします
毒はありません(ないと言われています)
実際噛まれましたが特に何もありません。
古来の医療ではヒルに血を吸わせる治療もあり、むしろ有効利用されていたので毒の心配はしなくていいと思います
吸血性ヒルは医療や薬用として利用される。血の凝固を防ぐ力があることから、古来より瀉血などの医療用としても用いられてきた(英語版Wikipedia:ヒルの医療利用)。漢方では乾燥したヒルの生薬名を水蛭(すいてつ)と呼ぶ。滋養強壮に効果があると言われ、ヨーロッパでも古くから薬用とされてきた。1884年にイギリスの生理学者ジョン・ヘイクラフト(英語版)が、薬用ヒルの唾液腺からペプチドで構成される血液抗凝固成分であるヒルディンという成分を発見した。
ヒルは悪い血を吸い出すものとして、インドのアーユルヴェーダなどでデキ物などにたからせて血を吸わせるなどの行為が行われた。また、ヒルの唾液は、膝関節症に効果があるという。
法令上、ヒルに人間の血を吸わせる行為は医療行為となる。
出典:wikipedia
医療用、漢方、薬用。吸血性とその見た目から嫌われがちなヒルですが、そのヒルさえも人は利用して、できものに吸い付かせていたりするとなると、なかなかです。美味しい血ではないだろうに(そもそも味を気にするとかもわかりませんが)
膝関節症に効果があるって本当なのかな?毒がないならむしろ体にとっては何か効能があった?どんなメカニズムなのでしょうかね
▼机の近くに落ちてたヤツ。誰の血を吸ったのか不明
Q.噛むの?ヒルとの遭遇
ヤマビルは吸血種なので、動物や人にひっついて血を吸います
たらふく吸ったら離れます(取れる・自ら落ちる)
初めは細い棒のような体が、血を吸うと膨らんで水風船のようにぶよぶよ、丸々とします。大きさは大体十円玉くらい
噛み傷自体は小さい(針で刺したような、蚊に刺された時のようなそんなもの)けれど、ヒルの唾液に麻酔成分があるため痛みを感じないまま血を吸われ、離れた後も血液の凝固作用を妨げる成分の作用で流血し続けるので大事かとびっくりする。が、傷口自体は小さいので特に痛いわけでもなくびっくりするだけ「割に合わない」というのが実際噛まれた素直な感想である
私が実際噛まれたケースをお話しすると、
雨の日に外に出てちょっとした作業をして室内に入ったら、なんだかくるぶしの辺りが「ヌメっ」とする
「あれ?」っと思いズボンの裾を上げるとなんだか血がついている!
わ!血!?何かの拍子に切ったのかな?(ざっくり言ったのかなーやだなー)と思ってお風呂場で足を流水で洗いました
すると「あれ?なんか思ったほど深くないぞ... ん?なんか傷口小さくない?焦ったー。もっとざっくりいっちゃったかと思ったよ(ほっ。)」
でも裾についている血の様子だともっと深いと思ってたのにおかしいなぁ... と思ったら!
裾を上げた時に立っていた場所に、何が黒い丸っこいものが動いている(動いている!なんだこれ!?)
なめくじのようにぬーっと動く丸い、黒い、小さい水風船のようにぷよぷよした何か... あ!これはもしかして、噂に聞いていたヒルというやつかも!
夫を呼んで、
嫁:「これ、ヒル?」
夫:「あ、ヒルや。ライター持ってきて」
夫、畳の上で昼を直炙り
嫁:(え、畳こげるやん。なんでそこで火をつけるかな)
炙ったそばからトロッと何か流れ出る。例えるなら、ゆるいスライム入りの風船を炙って割れたところからスライムが流れ出るかんじ
嫁:(これが私の血か。自分の血を客観的に見るのも何か、もうどう感じていいかわからんわ)
亡骸と流れ出た自分の血を掃除して、一息。
Q.噛まれたらどうなる?血は止まらない?
噛まれた箇所を見るとやっぱりまだ止まらず流れている
嫁:(これが凝固防止作用か。本当に止まらないんだな。血小板に作用するんかな...?)
どくどくというようりはちょろちょろ?そもそも傷口は点なので、そんなに大そうなことではないのだけれど、地味に止まらない。そして地味に気になる(服にも血が付く)
軟膏と絆創膏を貼り、やり過ごすことに。
しばらくして見ると絆創膏に血がじわっと溜まっている
何かで保護する(止める)のは大事なのでそのままにせず1枚貼っておく、または巻いて固定しておくと良いです
Q.噛まれた後の対処法
噛まれたときは
0. 噛んだヒルを逃さず殺す
1. 傷口をきれいな流水で洗う
2. あれば薬を塗り、絆創膏を貼って保護
0 -
血を吸ったヒルは卵を産み倍速で増えてしまいます。他の人や動物の被害を減らすため、ヒルの生息地を広げないためにも必ず抹殺
1 -
夫からは「2-3日血が止まらない」とか「何日も腫れる」とか、散々脅されて?いたのですが、私の場合特に腫れることもなく翌日には普通の虫刺されが引いた後のようにすんなりしたものでした。あれ?と拍子抜けするほど。振り返って考えて見るとすぐ流水で流したのがよかったのかな?と思うので、室内に気づいた場合や綺麗な水の手持ちがある時は、すぐ流しておくと治りが早いかもしれません。
2 -
軟膏は夫が持っていたものを塗ってくれた(抗ヒスタミン系)もの。市販のものでもヒルやハチに刺された時に塗る薬があるので、常備のものがあれば塗っておくと良いです。
絆創膏は貼っておいた方がいい。止血しない分周りに血が付くのと、早く止めるために蓋をしておく・保護しておく方が良い為です
翌日の写真。特に腫れもせず傷口は本当に点。
Q.腫れる?長引く?
私の場合は腫れませんでした
でも夫は何日も腫れるので「体質による」といっていましたが、多分すぐ流すのが鍵だと個人的には感じています
夫は山仕事で次々遭遇するので知らないうちに噛まれていたとか、見つけて焼いたけど仕事中なので多分そこまで一つ一つにケアしていられないんじゃないかな... と思ったので、体質もあるだろうけれど早い対処が後々響く気がします
Q.ヒル対策、効果あるのはどれ?
巷ではヒル対策として様々なことが言われています
実際これってどうなの?効くの?と山に入って仕事するヒル遭遇率の高い夫に訊いてみました
・市販のヒル忌避剤
・塩水
・アルコールスプレー
嫁:「ヒル対策って色々あるけど結局何が効くの?」
夫:「んーどれもあんまり」
嫁:「じゃぁどうしてるの?」
夫:「山師はみんなタバコ吸ってるやろ。あれでヒルを焼くねん。すると落ちる(亡くなる)から。直やと(ライターでそのまま炙ると)痛いやろ。だからタバコがちょうどいいねん」
嫁:(えーー。ノースモーカーはどうしたらいいんですか。)
嫁:「じゃぁ市販されてるのは効果ないの?靴にスプレーするやつとか」
夫:「効果ないわけじゃないけど、登山とかはワシらみたいにそこで仕事するわけちゃうからそんなレベルじゃないのよ。登山とか普通に使う分にはいいんじゃない?でも塩水は効かん。そもそもめっちゃ汗かいても(汗にも塩分は含まれる)意味ないしな。」
嫁:「へーー。」
調べてみると塩水は飽和するまで溶かした濃度の濃いものでないと効かないらしい。むしろ塩(結晶)を振りかけるのは効くというから、もうそれなら塩でいいやんとすら思う(熱中症対策に塩を持つのもいいしね)
しかし流石にタバコ一択というのも自分的には話にならないので、色々調べてみると、登山家の方のブログとか子どもたちが真剣に研究しているものが見つかり安心
①市販されているヤマビル忌避剤、②塩(結晶/食塩水)、③ハッカ系防虫スプレー、④全身薬用ローション、⑤エアゾール式鎮痛消炎剤など
これらの利用で、ヤマビルが死亡したかどうかはともかくとして、どれもヤマビルを肌から落とすことに成功。何を使っても効果があることがわかりました。
引用元:YAMAYA
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=757
でもこれらは噛まれてしまった時落とす方法
寄り付かなくさせる“防止”の対処については
我々ガイド仲間では、ザックを地面に置かないように気を配っている人が多いです。ヤマビルシーズンにヤマビルエリアに入山する際には、休憩の際には細引きを木に巻き付け、ザックをカラビナに掛けて吊るしている人もいます
-
ガイド仲間が実践している「靴の足首部分に煮込んだ食塩水に浸した布を巻いておく」方法は、ヤマビルが布を突破して上がることはできませんでした。靴全体に食塩水を掛けておく方法もありますが、これは靴の傷みが早くなるのでオススメできません。「食塩水に浸した布」は有効な方法
-
一番効果的なのは、長ズボンの下にストッキングを履くことです。さすがにつま先から覆われているストッキングは、ヤマビルでもお手上げのようで、ズボンの中に侵入しても、ストッキングの細かい網目が防壁になって、ほぼ肌が喰われません。
引用元:YAMAYA
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=757
・リュックや持ち物を地面に置かない
・「食塩水に浸した布」を足首に巻く
・厚手ストッキングを履く
なるほどなるほど。他にも市販の忌避剤を足下にかけておく方法も効果ありとのこと。「ヒル下がりのジョニー」という商品のレビューが良かったので載せておきます
詰め替え用が200mlなのでお得
Q.ヒル対策の装備
では結局私の場合はどうすることにしたかというと、
・梅雨時、雨のときは外に出ない(地面で作業は避ける)
・膝下まである本気長靴で出る(油断してサンダルで出ない)
・チャッカマン常備(在庫確認と、すぐ出せる場所に置く)
・絆創膏の在庫を常に確認
もし家から離れて昼が出そうな場所に出るときは
・長袖長ズボン、長靴(隙間をなくす)
・塩、絆創膏、チャッカマン持参
・綺麗な水を500mlペットボトルに入れて持っておく
チャッカマンの理由は、登山家さんのブログではハサミで切断とあったけど頭が残るのは嫌なので、炙って落とすことにしたことと、ライターは熱いからチャッカマンの火力を小さくしてピンポイントで狙ったら自分のダメージが少ないのではないかという予想から
ヒルは熱に弱い。だから中途半端にスプレーではなく確実に息の根を止めるにはやっぱ熱(火)だな。非常用にも火は必要だし。という思考で決めました
※本格的な登山には装備品が変わります
あともっと重要なのは草刈り!田舎の家周りの草刈りは超重要!!
日常的な対策として、田舎生活の参考になれば幸いです
ここから先は
Youtubeで言えないこと
Youtubeで田舎暮らしのリアルを都会と田舎両方の視点から解説中。Youtubeで言えないことをここでお話します。お役に立てますように
じゅんぐり回していきます☺️ 忘れた頃に、大きく育ってあなたのもとにも還りますように🙌🏼