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今日が最幸の日radio 1回目OA 「オワリはじまり」(家族がガンになったからこそ気づけた家族の大切さ、の話)

今日のBGMは。。。
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かりゆし58 さんの「オワリはじまり」
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を聴きながら、ゆらゆらと書いていきますー。

今日が人生で一番幸せな日なんだって

昨日までのことは、もう知らない。明日からのことはまだ知らない。「今日という日が一番幸せ」を毎日続けて。ずーっと続けて、歯を食いしばってでも続けて、時には、力尽くで「今日が一番幸せの日だ、俺は!」と思い込ませてでも続けて。続けて続けて続けて…。最後は笑顔で「今この瞬間、一番最幸ダァぁぁあ!!ありがとう!」と思いながら、一筋の涙を流し、笑顔でお暇する。

結局、これに勝る幸せなんてないのではないか?なんて思ったりするのだ。柄にもなく。

昔なら、というか少なくとも2年前までは、こんなこと真剣に考えていなかったし、こんな厚化粧を帯びた”こーふく論”なんてものを人から説かれても、何も感じることがなかった。ただひたすら「へー、なるほどねぇ…勉強になります。。。」とテキトーな合いの手うって、聞いているフリをしていた。


5年生存率って


私の妻が、病魔に侵された。侵されている。

肺癌、である。

37歳

タバコなんて人生で1本たりとも吸ったことがないのに。
今まで、会社の健康診断で”再検査”なんて結果が出たことなんで一度もないのに。

A評価・B評価ばかりがズラズラ並ぶ健康診断結果表に、たった1箇所だけ

「D 精密検査」

肺に影があるらしい
精密検査を受けた。いろいろな検査をいろいろな医療関係施設で受けた。
その間、約1ヶ月半。その診断結果は


肺癌。いわゆる肺腺癌。

確定。

ステージⅡ。

5年生存率とはおおよそ58%くらいだとか



診断結果を主治医から聞く前日夜
私も、そして後から来た話だが、私の妻、つまり当の本人も
全く眠れなかったのだ。
そりゃそうだよな、と。これは想像に難くない話だと思う。

レントゲンやら、PET検査結果やら、いろいろな写真や、謎の暗号のようなものが書かれた書類達を前にして、先生の口から出た言葉

「癌で間違い無いと思います。いわゆる肺腺癌。
ちょっとリンパの方にも飛び散っている可能性もあります。
ステージで言うと『Ⅱ』にはなってしまいます。が、すぐに手術をすれば完治する状態でもあります。患部と一緒に肺ごと(肺の1/4程度)摘出する手術になると思います。とにかく全然未来は明るいです。頑張りましょう!」

なんか、そんな感じのことを言われたと記憶しています。

本来なら、「意気消沈で立ち上がれない」くらいに重たい宣告を受けた
という感覚に陥るかと、思いきや。。。


ホッとした。。。

おそらく、病院という場所で、私は人生で初めて大声を出したと思う。

「あっ、あぁぁ、ありがとうございます!!!」

立ち上がって90度にペコリと頭を下げたかな。

なんで「ありがとうございます」なんだろう?
言葉の意味はいまだによくわからないが、

一つだけ、
「ようやく診断が出た!そしてやることが決まった!手術をして摘出をする。
そして、どんなに時間がかかっても夫婦、いや家族、いやいや、もっともっといろいろな人の力や助けを通じて、病魔に打ち勝つ。それだけだ!!!」
と感じたということ。

1ヶ月半の長いトンネルをようやく抜け出た、ということ。

あ、ここで念を押しておくと、患者は私の妻(37歳)です。
興奮気味に書いていますが、私はあくまでその夫です(苦笑)



怯える1ヶ月半

で…

一番身近な人が大病を患った、そんなご経験のある方は
もしかしたら同じ状況を味わったことがある、、、かもしれませんが、

病気の疑い、から、診断結果、に至るまで。
めちゃくちゃ色々な検査を受けるんですね。

あっちこっちの医療機関に足を運んで、検査だったり、カウンセリングだったり。

その間、病名がわからないワケです。
「肺に影がある。まさかとは思うが。。。。」
という、この状況で1ヶ月〜1ヶ月半過ごすわけです。

これは、同じような境遇の方も話をされていたのですが、一番精神的にシンドイのは、診断→闘病のときよりも、

(ガンの)疑い→検査

この期間だったりするんですね


ウチには6歳と3歳の娘がいます。

そして我が家は、実は妻だけではなく
私自身も少しだけ「患って」おりまして。。。
(これについてはまた触れますが。。)

夫婦で患っているとなると…

「もし俺たち夫婦が、、、ってことになったら、
この娘たち、どうすんだよ!?  もうすぐ上の娘は小学生だぜ。ランドセル背負った姿、見れねーってのかよ!?  下の娘はどんどん色んなことができるようになってんだよ。もうすぐマンションのエレベーターのボタンにも手が届きそうなんだよ。『エレベーターのボタンが押せたね!!!すごいねっ!!!!』って、もう言えねーかもしれねーのかよっ!!そんな当たり前の成長の姿をもう見れなくなるって、、、そりゃ絶対にいやだ!!!!!!」


そんな”最悪の事態”ばかり考えてしまって

大袈裟ではなく、ほぼ1日1回は涙する

子供達はもちろん、パパやママの状況など知らないわけで、
ひたすら無邪気に追いかけっことかしたり、
姉妹喧嘩しては泣きながら「ママー!」っとすがってきたり、と。

ママの通院時、クルマで送る時すら、
「ドライブドライブ〜♪」
と大はしゃぎ

そんな時もまた”最悪の想像”をしてしまったりする。
涙が出そうになる。でも子供達の前だから、そこは意地になって笑顔を振りまく。

そんな日々を1ヶ月半

喜怒哀楽の収拾つかなくなる1ヶ月半

それからの解放


あ、今日も生きてる

診断結果のでた翌日早朝、目が覚めると、
横に3人の女性、妻・長女・次女がグースカピースカと眠っている。
とても気持ちよさそうに寝ている。

15分くらい、ずーっと見ていた気がする


生きてる


みんな生きている。息をしている。気持ちよさそうに寝ている。


幸せだわ、こりゃ


だって気持ちよさそうに寝てんだもん

ただの日常の朝の一コマ

でもその時の朝ほど幸せを感じたことはなかったな

今後、どんな困難に陥るかわからない。
取り越し苦労で何も起こらないかもしれない。
いや、起こる気がする。。

でも、とにかく「俺は今、生きてる!」
ということをしっかり実感していこう。

未来でもない、過去でもない。

今日。今。この瞬間。

その積み重ね。

変哲のない日常を繰り返していくことこそが

人生

ってこと、なんだな、と。


柄にもない、柄にもない(笑)


もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい
親友と語り合ったかい 燃えるような恋をしたかい
一生忘れないような 出来事に出会えたかい
かけがえのない時間を胸に 刻み込んだかい
(かりゆし58「オワリはじまり」より)

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