見出し画像

[都留市 移住者インタビュー] 羽野 幸さん ー学生時代に「ひと」と「自然」に惹かれてー

こんにちは!
㈱つるでつながる インターン生の奈良望です!

つるでつながるnoteは、都留市の人・店・場所・イベントなどを、
つるでつながるのスタッフが取材し、ご紹介するメディアです。

今回、
都留市に移住して専業農家として1人で農園を営まれている羽野 幸さん
にお話を伺う機会を頂き、インターン生が人生で初インタビューに挑戦しました!


<プロフィール>
羽野 幸(Hano Sachi)  さん
静岡県生まれ。 
都留文科大学 文学部 社会学科に入学し、都留市で学生時代を過ごす。
約3年間都留を離れて就職した後に、再び都留市に戻り移住。
2012年4月に独立し、「はのさち自然農園」を営む。


ーはのさんは以前インタビュー取材を何件か受けられていて、農業や暮らしについては語られていますよね。今回は、はのさんの今の生き方や働き方、それに通ずる出会いやきっかけについてお伺いできればと思います。
実は私も都留文科大学・地域社会学科の3年生です!大学の先輩でもあるはのさんにお話を伺える機会が頂けてとても嬉しいです!
はのさんが都留文科大学に入学した決め手は何だったんでしょうか?

はのさん
都留文科大学に入学した理由は、都留市の自然の豊かさと地域の人と関わりながら学べることが魅力的だなと感じたからです。
高校生の時に知り合いから都留市の星が綺麗と聞いたり、大学のパンフレットには地域の人と一緒に炭焼きしている体験談もあったりして。
出身は静岡県で割と住宅街に住んでいたこともあって、新鮮に感じました。

ー確かに都留文科大学はフィールドワークが多いことが特徴ですよね!今回、文大生*である私のインタビュー依頼を快く承諾してくださいましたが、都留文科大学での授業や文大生による活動などにも協力しているとお聞きしました。

はのさん
都留文科大学や文大生からの依頼はできる限りではありますが、全て受けるようにしています。文大生がゼミの一環で考案したツアーやインタビューの依頼も受けています。都留文科大学でのフィールドワークの授業の受け入れも行いました。

※文大生・・・都留文科大学に通う学生のこと。


ー母校への熱い想いを感じます!卒業後も都留文科大学との関わりを大切にしていらっしゃる理由は、どのような想いからなのでしょうか。


はのさん
私自身が大学生の時に出会った大人たち(大学の先生、地域の人)からとてもいい影響を受けたことに感謝しているんです。
出会ったことによる影響は大きくて、その方々に「応援してもらった」「育ててもらった」と感じています。
今度は自分のできることで恩返しや恩送りをしたいと思っています。余計なお節介になるかも知れないんですが、自分と関わったことによって人生の選択肢が増えたらいいなって。
いろんな大人に出会うことによって、その先の生きやすさは変わるなと思うんです。

”こういう生き方があるんだな”と知っているだけでだいぶ違う気がします。
だからこそ大学生との関係は大事にしていますね。

はのさんが大学時代に影響を受けた大人たちとはどんな方々だったんでしょうか。

はのさん
ゼミの先生、所属していた吹奏学部の音楽監督、インターンシップしていた「宝の山 ふれあい里」の学芸員、地域のおじいちゃんとか・・・たくさん居ますね!

ゼミの先生との出会いは「生き方」に大きく影響を受けました。
ゼミでは、環境生態論について学んでいて、生物が自然な状態で生きれるようにする空間のことである「ビオトープ」について研究していました。大学内で山林の延長でビオトープを作る活動を行っていたんです。
ゼミの先生はムササビ研究の第一人者で、座学と同等かそれ以上にフィールドに出て学ぶことを大切にしていました。1番最初のゼミの授業で「仕事は自分で作れるものです」とお話されていて衝撃を受けたのを覚えています。仕事は日々の延長線上でつくれるもの、仕事をつくることはハードル高くなく挑戦できることなのだと学びました。

もう1人のゼミの先生は、よく「組織に頼らなくても生きていける力を身に付けたい」と話していました。会社員などたくさんの生き方がある中で、組織が無くなったとしても生きていける方法を見つける必要があるなと感じました。(大学卒業後には)フリーランスのような、なんとなく組織に頼らないような生き方をしたいと考えるようになったのもゼミの先生の影響は大きかったと思います。

”組織に頼らない” ”仕事を自分でつくる” まさに今のはのさんの生き方に直結する考え方は大学時代の都留での出会いから得たものだったのですね。はのさんは、都留市を一度は離れ、地元静岡に戻って就職していたと伺いました。
都留市に再び戻ってきた理由とは何だったのでしょうか?

はのさん
大学4年間を都留市で過ごす中で、都留が大好きになってしまったからです!卒業後は「都留市に残る」か「内定をもらった企業で就職する」2つの選択肢ですごく悩みました。経済的な自立や企業での社会人経験の必要性を感じ、2、3年働いたら都留に戻ってくると決めた上で、地元で小売業の販売職を行っていました。企業に就職したからこそ得られた経験もたくさんあったし、実際に働いてみて自分には合わない働き方だと分かりました。

ずばり、はのさんは都留市のどんなところが好きですか?


はのさん
 1番は「ひと」ですね。
自分が好きだな、魅力的だなと思う人がたくさん居ます。尊敬する人もたくさんいます。
強風が吹いて農機具置き場が飛ばされてしまったり、作業中に大怪我をしてしまったりのハプニングを乗り越えられたのも地域の人たちの存在が大きかったです。
都留での暮らしの楽しみは大好きな人たちと一緒にごはんを食べることです。重要なのは、何を食べるかというより、誰と食べるかだと思うんです。大好きな人たちとの時間を日々大事にしていますし、これからもずっと大事にしていきたいと考えています。

 2番目に来るのは「豊かな自然」です。
都留に暮らしているとうっとりする景色がたくさん見られるんですよね。3月の終わり頃からの新緑の季節の山の景色がとても好きです。葉っぱが落葉しているところから、ちょっとずつ芽が芽吹いていって・・・目に入ってくる山々の色が毎日、微妙に変わっていくんです!あの時期の山の景色はたまらなく良くて、胸がきゅんきゅんします!他にも雨上がりに山全体がひとまわり大きくなる様子だったり、自分の田んぼに日が当たってキラキラしている様子だったり、身近に豊かな自然を感じることができます。

ーはのさんは都留の「ひと」と「自然」に魅せられ、都留が大好きになっていったんですね!はのさんが魅力的だなと思うひとには、どのような方がいらっしゃいますか?

はのさん
ならちゃん(㈱つるでつながる代表 ならみおさん)のことは勝手にすごく尊敬しています!アクティブでどんどん実現していくところとか、自分の気持ちに嘘つかずに行動しているところとか。
ならちゃんは人事の分野で人を育てる経験をして、都留市に戻ってきてからも教育の分野でさまざまなかたちで活動しているじゃないですか。私自身、大学時代に教員免許を取得していることもあって教育の分野が好きです。農作物を栽培しているので「育てる」という点に関しては、ならちゃんと共通していると思います。
ならちゃんが良く話している言葉に「大人が楽しそうに見えたら、子どもたちも大人になるのがきっと楽しみになるだろう」っていうのがあって、これにはすごく共感するし、似た考えを持っていると思います。まちづくりとか、大きな事を実現するってよりも、大人である自分たち自身が楽しく生きて、楽しく仕事をしていることが何より大事だと感じています!

ならみおさんが以前、はのさちさんにお話を聞いたインタビュー記事はこちらから。
この記事では聞ききれなかったはのさんの想いが書かれています。

ー都留市に暮らす大人たち自身が楽しんで生きることが、子どもたちや若者たちにとって何よりも希望になるということですね。
はのさんが今後、挑戦していきたいことはありますか?

はのさん
まだ具体的な形は決まっていないのですが、新しい働き方にチャレンジしたいと考えています。畑や田んぼが大好きですし、今後も農業は続けていくつもりですが、体力的に今と同じ規模や時間で農業をしていくことには限界を感じ始めています。少しずつ農業の時間を減らして、新しい収入の柱となるような仕事に挑戦したいと考えています。体と農業のバランスの模索をしていきたいですね。

ーはのさんの生き方や働き方は、今の時代で決して当たり前ではないと感じます。「自分のやりたいこと」を組織に頼らずに行うはのさんの生き方は、私にとってとても素敵で、かっこよく映っています。「やりたいことの実現」に対して不安や葛藤を抱く人も多いと思います。自分らしい働き方や暮らし方を模索している方々にメッセージをお願いします。

はのさん
私自身も内定をもらった会社に就職するか、都留に残るかで迷った時期があります。その時に、恩師から「人生は、判断・決断・実行の繰り返し。1度きりの人生、悔いのないように」との言葉を頂きました。いつも迷ったら立ち返る言葉です。先生や親が言っているからではなくて、自分が人生の主導権を握っていることを忘れないでほしいです。他の方の意見を参考にするのはもちろん良いですが、誰かが言ったからで決めるのは違うかなと思います。選択自体を他人まかせにせずに後悔しない選択を自分自身でしてほしいです!


ーインタビューを終えて

初めての経験で緊張気味のインタビューでしたが、質問に対してやさしく丁寧に答えて頂きました。
私は現在大学3年生で、将来の生き方や働き方について悩める就活生でもあります。「いつかは地域と深く関わりあって生きていきたい」と考える私にとって、今回はのさんの生き方を知れたことが1つの選択肢として、私の将来をまさに広げてくださったなと感じます。

はのさんは野菜の販売だけではなく、ワークショップや子どもたちから大人まで地域の人たちと一緒に田植え・稲刈り、地域のパン屋さんと小麦づくりを行い、地域との関わりをとても大切にされています。
都留市の「自然」と「ひと」に魅力を感じ、今も豊かな自然のもとで人との繋がりを大切にして生活されているはのさん。
そこには、学生時代に大好きになった都留市への恩返しの想いが原動力となっていました。


「はのさち自然農園」のホームページはこちらから。
はのさんの育てる野菜やワークショップに興味がある方はぜひチェックしてみてください!


(2023.1.12 インタビュー実施)


この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?