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ハンドメイド販売におけるネットの可能性・実店舗の多様性

いやぁ・・・前の記事から間があいたのはひとえに九州義実家帰省していたからなのですが、そこでも寸暇を惜しんでハンドメイド雑貨店巡りをしていた、どーも、ハンドメイド変態ツルカワです。旅先でも、頭を離れないわけです。ハンドメイドのことが。寧ろいつも以上に吸収したくなる。ビョーキですね、こりゃ。
(というわけで、内容は関係ないのですが、九州旅行でのちょこちょこ撮った写真をちりばめながらお送りします)

さて、Twitterでつぶやいてかなり反響を呼んだのですが(当社比)九州の雑貨店を回りましてね、感じたことは「・・・安い!!」だったんです。安かろう悪かろう、じゃないんです。安かろう良かろう、なんです。え!こんないい作品、素敵な作品、この値段でいいんですか?材料費や手間賃、宣伝費など考えたら、ありえないんじゃないですか?そんなことがたくさんありました。
訪ねた一軒のうちは知己の方のお店だったので、たまらずツルカワ、率直に言ってしまいました。「安すぎません・・・?!東京のちょっとしたお店に3000円とかで並んでても、この作品遜色しませんよ。それが1000円以下だとか・・・手間だけでも、これ相当かかってますよね・・・」と。答えはこうでした。
「そうなんですよ・・・ただ、地方でイベント価格を設定するとき、どうしてもそれ以上の値段だと、その土地のものの価格と照らし合わせてか、高い、って買っていただけないんですよね。そうすると、実店舗でもあまりかけ離れた価格は付けられなくて、こうなっちゃうんです。」

そっかー、と帰りの電車の中、彼ら彼女らの作品を相応の値段で売るにはどうすれば良いか、たまらず考えてしまいました。そこで、いまさらですが、はっ、と思ったのは「ネット」の可能性、でした。

本来ツルカワは実店舗とか、手作り市とかの対面イベントが好きで、ネット、それもマーケットプレイスなどで「買う」のは苦手だったし、とくにマーケットプレイスで「登録作家数が○○万人を超えました!」みたいな宣伝を見ても「・・・それだけ埋もれちゃう作家さんがいるわけやん・・・競争が激しくなるだけやん・・・」と思ってしまうひとなのです。だから、ネット販売、というのはピンとこないものがあった。自分だって、直に見る作品の力を伝えたいから、ギャラリーやってるんだし。

でも。でした。地方の作家さんにとって、ネットってのは実に有効な手段なのですね。地方も何も関係なく、他の作家さんと同じ土俵に乗れる。本来の価格で勝負できる。あー、だから、これだけネット販売が発達するわけだ。電車の中で思わずぽんと膝を打ったツルカワがいました。今更の気づきですね。

とすると、ネットの中で埋もれないわけにはどうすればいいかですよね。これは個人的な考えですが、まずマーケットプレイスに登録、自ショップ作成、ってのをやれればいいのかもしれませんが、それはハードルが高い・・・という方もいらっしゃるでしょう。だから、まずはSNSをうまく使うことだと思うのです。Twitter・Instagram・・・あたりかな、いまの流れでいえば。そこにまずは自分の作品を定期的に載せてみる。時間はかかりますが、まずは自分の作品の存在を世に知らしめることです。それに慣れてから、マーケットプレイスに登録してみた方が、埋もれずにすむように感じます。SNSはなにかのきっかけでバズることもまれにあるし、なにしろ、同じ趣向の方が「あ、これいい」と思えば例えばTwitterならRTして、さらに同じ趣向の方に作品を広めてくれます。とにかくあきらめないで、載せ続けること。

それも、ただ売ってます、ということを知らしめるのではなく、作品のバックボーン、想い、時には日常の出来事から派生した言葉でもよい。人間味のあるなにか言葉を添える。これを作ってるのはロボットでなく「わたし」という人間であるということも、同時に知らしめる。

これ、結構重要なことだと思うのです。作品でなくとも、そこに共感したり、興味を持ってくれる人がいれば、その次には「このひとはどんなものを作るひとなんだろう」と視点が移るはずです。そういうことを試してから、対面イベントに臨むと、周りの反応もまた違ってくると思います。

そこで、じゃあ実店舗の意味はなんなんだ、となりますね。自身がギャラリーをやってることを差し引いても、ツルカワは実店舗は時代遅れの売り方だなんて思いません。むしろ、ネットというバーチャルの場にぽつりと現れた作品を、直に見ることができる一つの大きな場、という役割をこなせれば、その存在の意義は大きい。またはその逆でもいい。つまり、この時代、バーチャルとリアルをつなぐ場が、実店舗、その例がツルカワのやっているギャラリーであればうまくリンクしていくんじゃないか。いや、そのふたつをうまくリンクさせることがツルカワの仕事なんじゃないか、と感じています。

実店舗のひとは、常に優れた作家さんを血眼で探しています。それは実際に展示を見に行く、ということもありますが、同じくらい、SNSで探している、というか、SNSで眼に入ってきた作家さんに恋してお声がけして・・・というパターンも多いはず。(少なくともツルカワはそうです)。
そうして直に作品を見てもらう場が得られたら、作家さんも、実店舗も、互いの意義を確認し合える、というわけです。

まとめますと、まず、これぞという作品を発信してみましょう。ネットで、SNSで、勇気を出して。そしてそれを作っているのがロボットでもベルトコンベアの上からでもなく、「あなたという存在」の手からということも同時に知らしめる発信をしてみてはどうでしょうか。作品からだけでなく、その部分からも「ファン」が生まれていく道筋ができるはずです。それを諦めず続けること。そして、あなたという存在が作っている作品を取り扱い、お客さまにあなたのことを伝えるのが、実店舗の仕事。

どんな時代でも、結局はものの向こうにいるのは、ひと。それがあなた。作品を発信するのは、同時にあなたの存在を、伝えることです。まずはネットで。SNSで。そして実店舗は、そのお手伝いをします

・・・そうやってリンクしていければ、なにか、豊かな関係性がこの世に増えていくのではないかと思うのは、ツルカワの夢想でしょうか。でも、そんな関係性の中で、あたらしく「あなた」と出逢えるなら、ツルカワにとって、そんなにうれしいことはないのです。


いろいろがんばって日々の濁流の中生きてます。その流れの只中で、ときに手を伸ばし摑まり、一息つける川辺の石にあなたがなってくれたら、これ以上嬉しいことはございません。