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恙虫(つつがむし)


竹原春泉斎画「絵本百物語」に恙虫(つつがむし)という妖怪が紹介されている。
この妖怪は夜中、民家に現れ家人の生き血を吸い、その命を奪うという。
後にそれはダニの一種による感染症が原因と分かり、この妖怪の名前、ツツガムシがこのダニの名前になった。

桃山人著、竹原 春泉斎画『絵本百物語』より「恙虫」

ちなみにトラブルがなくスムーズに物事が運ぶ事を「つつがなく」というが、この「つつ」は、この恙虫(つつがむし)の恙で病気や災いの意味。

この「恙なく」という言葉は随分古くから用いられている様で、有名な聖徳太子が随の煬帝(ようだい)にあてた「日出ずる国の天子、日没する国の天子に書をいたす、恙なきや」という一文にも登場する。(了)

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