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サブカルチャーとしてのエモ

エモ(emo、ネイティブ発音ではイーモゥ)、ゴス(goth)は両方とも音楽を中心として発展したサブカルチャーである。

1970年代のUKパンクがハードコアパンクに進化、そこから発展したのがエモで、パンクからポストパンクを経たのがゴス…のはずだ(うろ覚えで申し訳ない)。

その音楽を取り巻いて、思想、ファッション、精神性などが形成されていったのだと思う。
今回はエモについて詳しく書いてみる。

音楽


Sunny Day Real Estate、Jimmy Eat World、Pierce the Veil、My Chemical Romanceなどがエモの間で広く愛聴されているが、もちろんこれらに限定されない。スクリーモ(screamo)という派生ジャンルも存在する。ヘヴィメタル、ダンスミュージック、ポップス、また日本のJ-POPなど多様な音楽を好むエモも多い。

エモは音楽を中心としたジャンルである。しかし、エモファッションをしているもののエモミュージックを全く聴かないものも少なからず存在する。

ファッション

典型的なエモのファッションは
・男女ともに長い前髪を斜めにカットして目の周りを黒く塗る。片目が隠れていることもある
・基本的に髪色は黒だが、全体、もしくは部分的に赤、ピンク、青など派手な色に染めているものも多い。金髪のエモはたまに見かける。茶髪・ブルネットは稀
・ネオンカラーと黒が好まれるが、ストリート系とは違いぴったりしている服を着ることが多い
・コンバースのスニーカーに絵を描く
・唇、鼻などのボディピアス
といった特徴を持つが、もちろん例外も非常に多い。Pinterestなどでemo hair、emo fashionなどで検索するとたくさん出てくる(正統派なエモを探す場合はInstagramよりPinterestがおすすめ)。


精神性

エモと自傷行為や精神的問題は切っても切れない関係にある。もちろん心身ともに健康な者も多いが、本場の欧米では、日本で言うメンヘラ、病み垢女子のような感じであることも(そもそもemoという英単語自体が「メンヘラ、情緒不安定」的なネガティブな意味を持つスラングとして使われる)。

有名なエモボーイのJohnnie Guilbertは自傷行為について告白しているし、エモの女性YouTuber、Eugenia Cooneyは明らかに痩せすぎで、摂食障害を患っている。Instagramでも腕や太ももに傷跡があるエモは非常に多い。

Eugenia Cooney


ブラックな洋アニメ「サウスパーク」のEpisode17: Dawn of the Posersでは、ゴスからエモに転じた少女・ヘンリエッタが仲間と自傷行為をする描写があり、ゴスキッズからは嫌われているということがわかる(あくまでステレオタイプをかなり強調したフィクションだが)。


エモの派生? Sceneとは

エモについて調べていると、Scene(シーン)というサブカルチャーがちらほら出てくることが多い。

エモと、レイヴ・ダンスファッションの融合がシーンであると思えば良いだろう。エモよりもネオンカラーを強調し、髪にボリュームを持たせている。エモは暗さ、憂鬱さをたたえているが、シーンはよりアクティブで社交的とされていることが多くエモよりも露出度が高めだ。またエモは音楽中心のサブカルチャーだが、シーンはよりファッションに重きを置いている。

エモとシーンをさらに組み合わせたものはScemo、もしくはScenemoと呼ばれる。シーンやシーンエモの女子はよくダイヤモンドのアクリルネックレスをしているように思う(筆者はダイヤのパーツをメルカリで購入して自作した)。


エモに好まれるもの

グルーミー、クロミ、どーもくんなどのキャラクターが人気だ。エモは日本のkawaii文化が好きな人が多い。俗に言うweebだろう。

また、2000年代の全盛期のエモはMySpaceというSNSをフル活用していたようである。今はInstagramやTumblrに取って代わられたと思う。



エモは好みが分かれ、また日本ではほぼ認知されていないが、とても魅力的なサブカルチャーなのだ。STAY EMO!

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