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二人暮らし奔走記

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埼玉と別れ、彼氏(のちに夫)と住みはじめてからの日々の話です。まだまだ、みみっちく生きていきたい。 ヘッダー画像はKaoRu IshiDaさんが描いてくれたオマール婚です♪
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固定された記事

オマール婚

プロポーズよりも先に、結婚式の日取りが決まってしまった。 「そういえば俺らって結婚するじ…

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癖の盗人

「お電話ありがとうございます。◯◯図書館です」 受話器を取って相手の名前やお問い合わせ内…

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分けなかった家事のゆくえ

なんか、私ばっかりトイレットペーパーを買ってる気がする。 そう気がついてしまったのは、not…

つる・るるる
1か月前
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短所が思いつかねんだ

6月から勉強していた図書館司書の資格をついに取得し、約5年ぶりに就活に勤しんでいたある日の…

つる・るるる
2か月前
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病めるときも健やかなるときも、人形になったときも

私たち夫婦には、共通の趣味がない。 二人ともどちらかといえばインドア派とはいえ、休日の過…

つる・るるる
3か月前
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分け合う健康

何か、自分にできることを。 そう焦燥感を覚えたときに真っ先に献血が浮かぶのは、紛れもなく…

つる・るるる
4か月前
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日記に書くほどでもない記憶

そういえば昔、私は肝油ドロップが好きだった。 そう思い出したのは、年末の30日に胃腸炎にかかって病院に押し込まれ、処方箋を薬と引き換えてもらいに薬局に入ったときのこと。 見るまでは記憶の奥底にしまい込まれていた、肝油ドロップ。 初めてその名前を聞いたときには、「肝油」のべたべたした響きと「ドロップ」の甘美な響きのギャップがすさまじくてお世辞にも魅力的とは思えなかった。 しかし年末に母方の祖父母の家に行くと祖母が子どもたちを一列に並べて「一人二粒ずつよ」と念押ししながらあまり

鶏、やむを得ず牛を騙る

ことの発端は、お土産でもらった和牛名産地の牛肉レトルトカレーだった。 「和牛」と金の文字…

つる・るるる
4か月前
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鈴を振ったら仲間ができた

耳馴染みのある鈴の音が、聞こえた気がした。 図書館司書資格の勉強もいよいよ大詰めで、必須…

つる・るるる
5か月前
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お誘いの温度

「よかったら来てね」と言われた場所にはたいてい行くのに、「絶対に来ないとダメよ!」と圧強…

つる・るるる
6か月前
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帰玉

ことの発端は一ヶ月ほど前に、規格外の野菜を売っていた近所の激安八百屋が閉店したことだった…

つる・るるる
7か月前
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進化に見せかけて、たぶん退化。

アフタヌーンティー。 数段のお皿に並べられたおままごとみたいなこまごまとした一品をちまち…

つる・るるる
8か月前
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旬の食材ルーレット

あまりにも暑くて、献立を考える気力がない。 いや、暑さは正直関係ない。私はわりと常に、献…

つる・るるる
9か月前
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食べごろの不一致

家から徒歩一分もかからない距離に、トンカツ屋がある。 夫との散歩からの帰り道、せっかくなのでカツ丼弁当を買って帰ることにした。 揚げたてのカツはジュワジュワと陽気な音を立てていて、ぐっと空腹が高まる。 太陽に押し潰されてゾンビのように歩く夫を追い立てるようにして部屋に帰り、いそいそと台所で手を洗った。 が、洗面所で手を洗っているはずの夫がなかなか戻ってこない。 カリリと揚がった薄めのカツは、ご飯の上で今や遅しとうねり狂っている。 この食べごろを、逃してなるものか。 そっ