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つるうち家の温泉日記 その3「な〜んもしない、草津温泉旅。」

久しぶりのnote投稿!こんにちは、つるうちはなです。

夫が撮ってくれた「妻とタヌキ」(草津温泉 田島屋旅館前)

私は「音楽とごはんと夫が大好き!」という自己紹介に恥じぬ生活をしているけど、その次に、旅が好きで、温泉が好きで、ゲーム(生粋のRPGオタク)が好きで、漫画や本を読むことが好きで、文章を書いたり表現することも好き。毎日毎日森羅万象に感動したり考えたり感じたりしまくってるので、その気持ちの色々を、今年はまた文章にもなるべく書いていけたらいいなと思う。

今回は恒例の温泉日記。こちらのまとめ↓を見て頂くと分かる通り、私たちは本当に温泉が大好きで、暇を見つけてはあちこちのお湯に浸かっている。

つい一昨日は、4回目の草津温泉旅を満喫していた。1〜3回目はちゃんと西の河原温泉でどでかい露天風呂に感動したり、草津熱帯園のレトロさに心奪われたり、湯畑で温泉卵を作ったりしたけども、もうそろそろ「な〜んもしない草津」をやってみたくなり、今回はお宿の趣向もガラッと変えて、湯治宿とも言えるような老舗の素泊まり宿で三泊四日。大好きな温泉図書館まで徒歩1分。草津温泉バスターミナル、地元のスーパーやコンビニも近所にあるのでとっても便利な「田島屋旅館」さんに宿泊したよ。

大きな看板狸がめじるし!

田島屋さんは古い建築物が好きな私たちにとっては飛び上がるほど素敵なお宿で、たぬきの看板が目印。本当においしい温泉まんじゅう(くるみ味噌、栗餡、よもぎ、全部おいしい!)やたまり漬け(あまり他で見ないミョウガやウドのお漬物、最高!)のお店で、お宿は裏手にひっそりとあり、ものすご〜く小さくて物静かだけどめちゃくちゃよく働くおばあちゃんと、店主のおじいちゃんがのんびり迎えてくれる。

8畳の落ち着く和室。こたつカバーが好み、ワンピースにしたい。

アメニティも無いし布団も自分で敷くし音漏れすごいしトイレも洗面台も共同だから、そういうノリが苦手な人には全然おすすめしない。でも、おばあちゃんが一生懸命お掃除しているから館内はとっても清潔。何より24時間入り放題のめちゃくちゃ新鮮な源泉の内湯があること、一泊四千円〜と草津周りでは破格なこと、温泉図書館やスーパーに近いことなど、今回の私たちの「な〜んもしない草津」にはこれ以上無い条件が揃っていた。

私たちがご機嫌に田島屋さんでたくさんお買い物をしたり、連泊させて頂いたからか、帰りにはお土産(このあたりの名物・花いんげん豆の塩納豆)まで頂いてしまった。三泊四日、大変お世話になりました。

お部屋からのなんでもない雪景色が愛おしかった。

で、このお宿を軸にして、私たちが今回行ったのは、温泉図書館と、おいしいお店。以上。それでももう、書きたくて教えたくて仕方ないような出会いや美味しいものが山ほどある。興奮するとものすごい早口でものすごい文字数になるので、なるべく簡潔に紹介していこうと思う。

まず!日本でも有数かと思われる、大好きな温泉図書館。撮影が禁止なのでHPを見て頂くしかできないけど、とにかく景色が美しく、どこに座っても真っ白な雪山に囲まれる最高の図書館。席数も多く、飲み物は持ち込みOKなので、正直ずっと居られるくらい居心地の良い場所。

温泉地は、情報や娯楽にあふれた都会ではなかなかできない「じっくり本を読んで自分の内側と会話する」そういう作業にとても向いている。現に私はここで色々な本を読む中で、自分の中で大切にしたいこと、今年以降生涯のテーマにしたいと思えるようなメッセージを拾い上げることができたし、次に行きたい場所もたくさんできた。読んだ本から得た知識を夫と居酒屋や宿のこたつで語り合うのも本当に豊かで幸せな時間だった。こんな時間は人生に何回あっても足りないし、何回でもやっていきたい。

で、頭をいっぱい使って熱い源泉で血を巡らせていくうちに、当然お腹は減る。草津はお店が本当に多くて、行くたびに美味しいお店を発見するし、行きつけのお店もあるし、誰にも言いたくない場所もある。

まず、以前草津熱帯園のバス運転手のおじいさんに教えて頂いた老舗の食事処「お食事処 大野屋」さん。ここは何を食べても美味しいし、お店の方も元気で感じがよく、観光客より常連の方が多くて落ち着いてるところがとても好き。派手さは無いけど、ひとつひとつがちゃんと美味しい。

夢中で食べ終わった途中で慌てて写真、食べかけ御免。

その中でも特筆すべきなのはソースカツ丼で、運転手のおじいさんは「大野屋さんのソースカツ丼、これを持ち帰って、昼と夜に二回に分けて食べるんだ」と教えてくれた。それくらいボリュームがあって、アツアツでも冷めたあとでも美味しい。お肉が柔らかくて、ボリューミーで、しっかり揚った衣に、嫌いな人なんていないだろうと思われるドンピシャのソース味、それらが染み込んだ美味しいごはんをかきこんだら、瓶ビールをぐいっ。幸福。今書いている間にも思い出して口の中がよだれでいっぱいになってしまった。そしてあまりにおいしそうすぎて写真撮影などいつも忘れてしまう。

そして、今回の素敵な出会いのひとつ。湯畑へ向かう坂道の途中にある小さなテイクアウトの焼き鳥屋「だだ」。寒い中、炭火のいい香りにつられて覗いたら、笑顔の可愛いおじいちゃんが焼き鳥を焼いていた。このおじいちゃんがとにかく魅力的で、焼いてもらってる間に「それおいしそう!」と声をあげてしまうほど見たことないくらいぷりんぷりんの皮(塩)を、「サービスだよ、あげる」とその場で食べさせてくれた。アツアツの皮がぶちっと弾けて至福。頼む、今すぐビールをくれ!!!という気持ちで雪の中大急ぎで持ち帰った焼き鳥たちは、塩は控えめ、鳥の旨味がしっかり感じられる、とっても美味しい焼き鳥だった。あのおじいちゃんに会えて本当に旅が幸せになった。今度はタレを頂きたい。

滞在中になんと三回も行ってしまったパン屋もある。酒屋さんの中にパンがずらりと並ぶ小さなお店「きんか堂商店」で、知る人ぞ知る、地元の人が通ってる感が半端ない。試しにたまごサンドを買ってみたら、パンにさほど関心を示さない夫も目を剥くほど美味しい。細かく刻んだ玉ねぎがアクセントになっていて、素朴なのにとてもオリジナリティのある味。これは他のも試さねば、と翌日はフィッシュサンド・カツサンド・たまごを購入。全部うまい。そしてすごく安い。とにかくまっすぐに優しくて美味しい。

刻み玉ねぎがポイントのたまごサンド!

これは辛抱たまらんとなり、吹雪でホワイトアウトしてる帰り道にも決死の覚悟で立ち寄り、それらをもう一度買ってバスに乗り込んだ。やっぱりどうしてもうまい。うますぎて店員のお母さんにうまさを熱弁したが、「田舎の味でねえ、なんも派手なことがないので・・」とピンと来てない様子で、その感じがまたグッときた。パンを作ってるのは息子さんだとのこと。運がよければ鳴き声の可愛い黒猫ちゃんにも会える。ああ、あんなパン屋が近くにあったなら。

ブリザードに立ち向かい買ったパンたち

最後に、内緒のお店について。どこの何かは書かないでおく。なぜならママさんがそういうことを望んでないし、いっぱい来られると困っちゃうって言ってたから。私たちは運良くその店に吸い込まれ、「なんかお腹にやさしいものと、お酒」って言ったら、本当に美味しい家庭の味のお惣菜が並び、しっぽり飲んでる地元の兄さんがどんどんお酒を奢ってくれて、最後はママさんとみんなでそれぞれの人生のお話や、草津温泉の過去と未来についてなどをお話しした。

お母さんの作る、優しいお惣菜たち。
どんどん仲良くなって、最後はみんなでワイワイ飲みました。

このママさん、草津のビッグママだったみたいで、まあインターネットでは絶対に出てこない話がどんどん飛び出して、それが本当に面白い。80歳とは信じられないほど頭の回転が早く、トークの反射神経がよく、本当に素晴らしい女性だった。ママさんも我々を気に入ってくれたようで、私たち夫婦の写真を「かわいいかわいい!」と言いながらいっぱい撮って、嬉しそうに眺めていた。酔っ払いすぎて何言ってるかわからないけどめちゃくちゃお酒を奢ってくれる妙齢のハンサムな兄さん(元ボクサー)は、お店の二階の部屋を借りて住んでいて、あっという間にべろべろになってママの握ったしょっぱいおにぎりを持って二階に上がっていった。なんだか店内が両思いのパワーでマックスみちみちで、最後はハグして帰った。次に草津に行く時も、あの店があることを祈ってる。

写真からラブラブパワーが溢れちゃった!


草津温泉は、ごはんに困ることはまず無い。あらゆるジャンルのごはんがあるし、どこかが閉まっててもどこかが空いてる。私たち好みの歴史を感じるコアなお店もたくさんあるし、もちろん観光客向けの今っぽいお店もわんさかある。行ってみたくて行けていないお店もたくさんある。(今回タイミング合わなかったけど「珈琲 綾」「ノイエポストダイニング」「おかめ寿司本店」はぜひ行きたい)

この地域の特性なのか、接客には過度な期待はしないほうがいいし、極端につっけんどんなお店もたまにあるけど、味はとっても美味しかったりする。当たり外れを繰り返しながらも何度も草津に通ってしまうのは、総合的に活気に溢れ、土地そのものと、そこに生きる人たちのパワーが強いからだと思う。

何より、お湯が強い。どの源泉もそれぞれよく、それぞれ強い。効能が強いぶん湯当たりやすいお湯だし、場所によっては熱すぎてウワーッとなるところもある。初日はむしろ体調の悪いところが浮き上がってきて、体が慣れるにつれて不調が全部回復していく感じ。なんだかそのお湯の特性が、草津に根付く人々の特性と近い気がする。

今回詳しく紹介しなかったけど以下のお店たちも行きつけ。

・スーパーもくべえ(https://mokubee.jp/
バスターミナル近くの地元密着スーパー。なんでもある。100円ショップもある。手作り惣菜たちがザ・家庭の味で美味しい。例の美味しいパン屋さんが向かいにあるし、敷地内に焼き鳥屋さんが出ているときがあって、そちらもすっごく気になってる。

・Cafe&Bar ICHIIhttps://cafe-bar-ichii.foodre.jp/
昼間っからパン飲みできる貴重なパン屋さん。好きなパンを選んで、静かな店内でワインやビールもお安く頂ける。すべてのパン屋さんのイートインスペースにワインを置いてほしいと思う私にとってはとてもありがたい。ホテル一井内にあり、隣に大きなお土産屋さんもある。

・いざかや水穂http://kusatsu-mizuho.com/
以前草津温泉でたまたま遭遇して2日連続飲み明かしたハルさん(天才ベーシストの岡部晴彦さん)との思い出のお店。評判通り、とっても美味しく感じもよく、間違いないお店。昼のおうどんも最高とよく聞く。人気店なのと不定休なので入れたらラッキー。ゆっくり出てくるので時間に余裕がある人に。

・三四郎https://retty.me/area/PRE10/ARE294/SUB29401/100000833381/
とにかく何を食べても美味しい。三回行ったが本当に味にブレが無い。お通しの煮物の美しさでまず感動するし、名物のだし巻き卵はシソ入り&柚子入りの2種類、意味がわからないくらい美味しい。ただし、女将さんがMAXツンデレガールなので、日本の標準的接客を想像してるとカウンターパンチ食らったような気持ちになります。基本1時間半でラストオーダーだし、18時過ぎると常連客でどんどん席が埋まって「満席!」とつっけんどんに断られるのでそこだけ覚悟して伺ってください。笑 大将は寡黙だけど「美味しかったです!」と話しかけるとニコニコしてくれる。クセはあるけどウマすぎるからつい通ってしまうお店。


ああ、こうして言葉にして記録するっていうこと、面白いなあ。久しぶりに公的な場所で長い文章を書いてみて、すっごく楽しいなって思った。だって書きながら、その時の心情や味覚やあらゆる感覚がもう一度戻ってくるんだもの。白熱しちゃう。

それなりに長く生きてきて、自分では当たり前だと思っていたけど・自分の特技なのかも?と気付いたことのひとつに、「すっっっごい熱量200%で好きなものについて言語化できる」があると思った。打ち上げなどで最近好きなものなどについて話すとその場でみんなが調べて買ってしまったりするので、もしかしたら営業の才能もあるかもしれない!笑 

好きなもの、好きなひとへの愛を死ぬまでにどれだけ語り尽くせるだろう。そう思うと、また次のnoteを書くのが楽しみになってきた。

素敵な夫、ワンカップな私

というわけで、今回は「な〜んもしない草津旅」についてでした。いそいそとあちこちを回るより、ただただいいお湯につかって心身を回復させたり、旅先でゆっくり本を読んで自分を見つめ直したり、知らない土地の知らない人や美味しいものに触れ合ったり、そんな旅のきっかけになったら嬉しいな。草津よいとこ、一度はおいで。

またね!





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