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映画『この子は邪悪』話題のグッズができるまで

こんばんは!TCP公式note編集員のHikaruです。今回は、9月1日(木)劇場公開を果たしたTCP発の映画『この子は邪悪』グッズご担当のF氏にグッズ製作過程や、グッズに込めた思いを赤裸々に語っていただきました。

今年でグッズ製作歴4年を迎えられるF氏のお話をお伺いする中で、世には出なかった商品の存在、パターン違いのイラストの存在など奥深い「グッズ製作」の世界に感銘を受けました。特徴的なうさぎイラストは全9種も存在した?世には出なかったメリーゴーランドアクリルキーホルダーとは?ここでしか聞けないウラバナシがたくさんです!

グッズ担当者F氏(左)

―― 本日はお時間いただきありがとうございます。簡単に自己紹介をお願いできますか?

F氏:カルチュア・エンタテインメント(CE)株式会社のIPプロダクト事業本部に所属しています。現在は、主に商品の製造に携わっており、アイテムの提案、デザイナー交渉等幅広く携わっています。グッズ製作は今年で4年目でして、今までに『呪術廻戦』『彼女、お借りします』『鬼滅の刃』等アニメ作品を中心に担当してきました。

――元々アニメがお好きだったんですか?

F氏:そうですね。元々TSUTAYAで店長をやっていたりもしたのですが、棚割り(どの商品を、どう置くか)を決める際、四半期に一度アニソンのラインナップを揃えたり、映画「STAND BY ME ドラえもん」の時は、基となったメイン回も一緒に陳列したり、アニメを軸としたレンタル促進をしていました。僕自身アニメを広く浅く見ていたので、今のキャリアはその延長線上にあるのかなと思っています。

―― なるほど、今回は映画グッズということで、Fさんも初の試みだとお伺いしましたが、どのような経緯で完成まで至ったのでしょうか?

F氏:最初のきっかけは、プロデューサーとの話合いで、グッズ制作自体が決定してから私はジョインした形です。通常、企画から納品まで半年ほどかかるのですが、今回は5月末にお話をいただいて、劇場公開の9月1日(木)に合わせたので約3か月と少しタイトでしたね。

――製作過程の中で特に意識したポイントはありますか?

F氏:「お客様目線」と「アイテム目線」で一つずつあります。まず何でもそうだと思いますが、お客様目線で言うと「誰に向けて制作するのか」これは欠かせないかなと思います。今回は、南沙良さんや大西流星(なにわ男子)さん等10代~20代を中心に人気のあるキャストさんだったので、特に若い方に手に取ってもらえるアイテムを意識しました。例えば、30代~40代向けの商品だと湯呑やマグカップ等、実用性も大切になってきますが、今回は身に付けられ、且つお手頃な価格だと手に取ってもらいやすいなと。

またアイテム目線では「作品の世界観を壊さず、グッズ性もあること」を意識しました。本作を拝見したとき「不気味さ」がポイントだと感じました。ただ、不気味すぎるのもグッズとしては手に取ってもらいにくいと考えていたので、デザイナーさんにキャラデザインを9種ほど作成いただき、その中から丁度良いデザインを決めました。最初に南さん演じる花うさぎのデザインを固め、その後大西さん演じる純うさぎを固めました。

――製作段階で苦労したことを教えてください?

F氏:そうですね。今回実写映画のグッズ製作が部署的にも初の試みだったので、今の劇場にそもそもどういうグッズがあって、何がどのくらい売れているのかというリサーチから始めました。実際にプロデューサーの方と共に、劇場にヒアリングに行ったり、自社システムを使用したマーケティングを通して情報収集したのは新しかったです。あと、映画ファン、キャストファンの方々に受け入れてもらえるかどうかは発売してみないとわからなかったので、そこは少し不安でした。

――TCP公式Twitterや『この子は邪悪』公式Twitterでも情報解禁したところ、グッズの絵柄が可愛いと好評でした。初日舞台挨拶の時も、劇場グッズブースに長蛇の列ができていましたが、裏側ではハラハラされていたんですね。それでは最後に、ここでしか聞けない制作秘話があれば教えてください!

背面のメリーゴーランド

そうですね。個人的に本作を見て印象に残っているシーンがメリーゴーラウンドのシーンなのですが、実は当初「花うさぎ&純うさぎ&メリーゴーラウンド」3種セットのアクリルキーホルダーで販売予定でした。ただ、そうすると販売価格があがってしまうので、今回は二点セットにし、イラストはクリアファイルの背面に使用しました。

――世に出なかった商品見てみたいですね。常に見る人(お客様)の立場に立ってグッズ製作しておられるF氏のお話をお伺いし、ファン目線は特に重要なのだと感じました。まず自分が対象のファンになりきり、何が欲しいかアイデア出しをする。普段何気なく店頭に置いてある商品の見方が変わった気がします。本日は貴重なお話ありがとうございました。

F氏:ありがとうございました!