「子どもに任せる」は自立?放任?

自立・自律」と聞いて、何を想像するだろうか。

「自分で考えて行動すること」

そう答える人も多いと思う。

私もその一人だった。


授業の失敗談を話したいと思う。



Aくん「先生、勉強のしかたがわからないです」

私「なるほど。Aくんはどのように勉強すればいいと思う」

Aくん「えーっと・・・」


Aくん「問題解きますね」

私「よし、それじゃ解いてみよう」

私(問題練習に集中できるように、ちょっと離れるか)

Aくん「・・・」


全部自分で考えさせる。

それが、その子が自分で考えるきっかけになる。

そう疑うこともなかった。

だから、そのような行動があるまで、こちらから教えることは悪だと感じていた。


そんなある日。

私「勉強の調子はどうだ。」

Aくん「えー・・・」

困った顔のAくん。


(ん?なんか、様子が変だぞ)


Aくん「もう、何をやればいいかもわからないです。」


・・・はっとした。

子どもに任せる場面を作ることで、

「自分で考えて行動する」きっかけを与えているつもりでいた。


でも、Aくんは、自立したわけではなかった。


「子どもに任せる」

「自分で考えさせて行動する」

よく聞く言葉だ。

だが、子ども自身が考えて行動できるようになるまでに必要なことは何だろうか。


「わからない」

・・・「わからない時は質問すること。」よく使う言葉だ。

それをいうだけで、子どもたちは動けるようになるのだろうか。

そもそも、「わからない」と認めるまでに、必要な指導は無いのか。


「問題を解く」

・・・解いている生徒の様子はどうか。


子どもたちの何気ない様子を見ながら、授業に臨むことにした。

すると、わかってきたこともある。


子どもたちは、どうすればいいのかわからない表情をしていることもある。

納得したように、笑顔でうなずくこともある。


子どもたちは、素直にサインを出している。

「自立を促すため、子どもが自分で行動するまで待つ(指導はそのあと)」

それは、ただの「放任」だ。


自分で行動を起こせるようになるまで、指導すべきことがあった。

そんな指導ができたとき、子どもたちの表情は明らかに違った。


「自分で考えて行動する=自立」

そのために必要な指導。

それは、子どもたちの様子の中にある。

必要なことは何か。

常に意識しながら、子どもたちの授業にあたっていこう。

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今日のまなび

 何もせず子どもに任せるのは「放任」。

 「自立・自律」をするために知っておくこと、指導することがある。

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