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読書メモ:「背景絶滅」と「大量絶滅」-ツイデマ急増!?

2023年2月3日の読売新聞で「ツイッター デマ急増」(ツイッターを利用するデマを「ツイデマ」とする)とある。ツイッターで「気候変動(climate)」をキーワードで検索した場合、最初に表示されるのは「気候詐欺(#climate scam)」らしい。「気候変動(climate change)ではないという。※「ツイデモ」も数日前に耳にし、驚きもなく、過ぎ去っていた。

人類の活動により地球環境が毀損の危機にあることが喧伝されてかなり経過する。生存・生活環境が悪化すれば、人類の福祉水準も低下する。果ては人類の絶滅も視野に入るかも知れない。

生物の絶滅(古生物学)には、「背景絶滅」と「大量絶滅」の2種類があるという。(本、228頁)

「背景絶滅」:環境があまり変化しないのに、「種」が少しずつ絶えていく現象をいう、とある。この場合、種によって生存の可能性に多様性がある。ローカルに生息しているような種はリスクが大きく、グローバル(広域)に生息している種はリスク分散が期待できる。

「大量絶滅」:環境が急激に変化する場合、広域に、しかも多数が生息していても、生存のダイナミクスが働くことは希望に過ぎない。

”あらゆる生命は、根元に共通にして、唯一の動力によって動機付けられていると説く。その唯一の動力(ダイナミックス:dynamics)とは、言語に換言するならば「生存せよ!」と言うべき衝動であると説く。彼は、それがあらゆる生命の如何なる活動をも動機付けている、唯一の共通原則であると結論付けた。” (引用:下記)※トートロジー気味であるが。

生存のダイナミクスについては、次がある。(Webは日本語)

気候変動による人類の生存環境への負荷はドラスティックであろうか。闇雲に危機を訴えても、「気候詐欺」の「ツイデマ」を誘発することになってしまう。

人類の活動による地球の生存・生活環境への負荷は、確かに甚だしい領域に入っていくかも知れない。環境負荷は、人口数とエネルギーの排気量に依存する。

人類の数は地球が耐えうる数をオーバーシュート(人口のオーバーシュート)しているかも知れない。しかし、人口のピークはすでに予測されている。2064年にピークの97億人(米ワシントン大のチームの予測)を向かえ、21世紀末には88億人まで減るとする試算を発表している。

参考:オーバーシュートの概念は次から得た。

次に、人類によるエネルギーの排出量はどのようになるだろうか。すでにエネルギーの排出はオーバーシュートしている段階にあると思われる。人類の生活によるエネルギー消費は、好むと好まざるとに関わらず、大きく影響するだろう。産業によるエネルギーの排出はかなり削減・代替される可能性は大きい。手を拱いては、人類大量減少の危機に晒されるかもしれないが、エネルギー転換はあり得る段階に近づいている。注意すべきは方向性を誤らせないことのように思われる。


ポール・D・テイラー、アーロン・オデア/真鍋真(監修)、的場知之訳(2018年)『世界を変えた100の化石 』(大英自然史博物館シリーズ 1)、エクスナレッジ。