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《エピソード30・アクセルとブレーキ》弱冠20歳で1000万超えの借金、鬱、自殺未遂、親との確執。からの逆転人生を実現させたリアル話。

アクセルとブレーキ

習慣が変わった。それでも、別のところでは以前の習慣が尾を引く。まるでアクセルとブレーキを同時に踏んでいるかのような日々は、日常に摩擦音を残す。やめなきゃいけないという決まりはないけど、やったからこそあの悪夢を引き起こしたという思い。抜け出したいのに焦る気持ち。その複雑な気持ちのまま時間が過ぎる・・・

プロセス

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街を歩くと幸せそうな人や俯く人などいろんな人とすれ違う。自分の内面を隠すように

身なりで威嚇していたあの時は、他人のことを羨ましくもあり見下したくもあり「皆死ねばいい」なんていう最低で投げやりな言葉で片付けていた。

自分がうまくいかないことを自分のせいにどうしてもしたくなくて、行き違う人にぶつけていたんだけど、習慣が変わると目に映る世界も不思議と違って見えた。

毎日トレーニングに出かけるから服装も変わったし、日々が過ぎれば体つきも変わったし。それに合わせて表情も変わっていったと思う。

世間を睨むよりも、世間に微笑むほうが自分にとっては好都合だって初めて知った。

目標とするプロテストに向けては順調で、一度背けたものを改めて置くことに安堵感のようなものがあったし、幸い、制限ギリギリの年齢だったこともあって「やりたい」と「やらなきゃ」が相乗効果で僕の背中を押していた。

結果が出ると、さらにやる気になる。嬉しいし、頑張ってる自分が好きにもなる。

それでも時折、停滞する数字に肩を落とすこともある。停滞期で挫折する人は今まで何人も見てきたけど、僕はこの時初めてそれを体験した。急に変わり、急に出た結果がピタッと止まる。あの恐怖や不安はどんな人間でも嫌だろうなって。

でも、ゴールはまだまだその先にあって。そんなものは捨てるか乗り越えるかでしか解消することができない。

「捨ててたまるか。乗り越えるんだ。」

あの時はそう思えた。どうしてもプロ野球選手になるって決めていたから。

ブレーキ

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その裏でブレーキをかける悪しき習慣。いくらトレーニングを頑張ってもお金が増えるわけでもない。その時は“未来への投資“なんていう考え方はなくて、「今、ここでお金が欲しい」という思いだけしかなくて。

結果が出れば欲もでてマイナスを消したくなる。すぐにでも過去の負債を消したくなる。「こんなに頑張ってる」自負というものが余計に欲を作り出していた。コツコツとやるトレーニングと近道を目指す返済は面白いくらいに二元的で、お互いを打ち消し合っていた。打ち消し合えば結局前には進まないんだ。

18万円の返済は継続していたけど、今思えばあの時もっと我慢すれば。トレーニングと同じように我慢できれば・・そう思う。

なにかを得るためには、必ず最初に苦痛が伴うことを知った。苦痛のない獲得物はのちに感情を狂わす。

ギャンブルもそうだ。簡単に得たものに対して「自分の力で獲得した」と勘違いをしてしまうし、勘違いするからこそ同じ方法で得ようとするのだけれど、たまたまの成功は同じやり方では得られない。宝くじの当選番号は毎回同じわけじゃないのだ。

失敗を繰り返し改善させて。その繰り返しで得た自分だけの“形“を得るからこそ何かを獲得できるんじゃないか。

あの時の失敗があったからこそ、今があると言えばそうなんだけどもっと早くそれに気づいていればもっと早くいろんなことができたに違いない。

時間は有限で、一時停止ボタンなんかどこにもない。

アクセルとブレーキで起きた摩擦は、そんなことを僕に叩き込んでいた。繰り返される過ちの中で摩擦でできた傷と傷を修復して強くなった部分とが形成された。

アクセルを踏んでいる分、少しだけ進んでることに気づく。あとはいつ、ブレーキを変えることができるのかだけなのに・・・。

続きはまた。



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