「短歌人」2018年3月号掲載作品

夢占い

突然に視界から消えそののちに叩きつけられる音聞こえくる

すべり台をすべるがごとくすんなりと空に踏み出てそれからのこと

咳きこんで目覚めてしまう名も知らぬひとの背中にもう出会えない

「夢占い 自殺」で検索してみれば吉夢などと書かれておりぬ

助けられなかったなどと繰り返し癒されぬまま夜が明けてゆく

今年の初夢。彼が誰なのかはもうわからないし、おそらく会うこともない。

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