見出し画像

幻の「RIJF 2020」。開催中止に寄せて。

先日、今年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の中止決定の報せを聞いてから、おこがましい言い方かもしれないけれど、僕は、一人の音楽リスナーという立場を超えて、自分ごとのように悲しかった。

僕がロッキング・オン・グループを退職してから、もう2年以上が経つし、それに在籍時も、僕は直接的にイベント部の仕事に携わっていたわけではなかった。

それでも、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を中止するという決断が、どれほどの覚悟と痛みと悲しみを伴うものであるのか、僕には分かる。

もちろん、ロッキング・オンや関係各社の人たちは、この数ヶ月、今の僕の想像を遥かに超えるような葛藤や困難に向き合い続け、そして最終的に、この決断に至ったのだと思う。

だからこそ、僕が容易く言ってしまうこともできないけれど、それでも僕は、このイベントの実現に向けて尽力し続けてきた人たちの気持ちが、少しだけ分かる。

その想いを代弁してしまうと、彼ら・彼女らは、自分たち以上に、このイベントを楽しみにしていた「参加者」を悲しませてしまいたくないと強く思っている。中止という結果を受け入れた上で、それでも、少しでも、来年に向けて、「参加者」にとっての希望を紡ぎたいと思っている。

だからこそ今回、このようなメッセージが届けられたのだと思う。


既にお伝えしております通り、8月8日(土)・9日(日)・10日(月・祝)に開催を予定していた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2020」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中止とさせていただきました。
本日6月9日(火)は、本来であれば出演アーティスト最終発表を予定していた日でした。
残念ながら開催は叶いませんでしたが、本日、出演を決めてくださっていたアーティストの皆さまのお名前を発表させていただきます。
5月15日(金)に中止発表をした時点で、全ての出演アーティストが決定していたわけではございません。まだ決定していない出演時間枠について、オファー予定であったり、オファー中だったアーティストの方もいますが、5月15日(金)の段階で全てのオファーを終了することになりました。したがって、その時点で出演が決定していたアーティストのみの発表となります。
先を見通せない状況下で、出演を決めてくださったアーティストの皆さまに感謝いたします。
新型コロナウイルスの感染拡大が一日も早く収束し、来年こそひたちなかで皆さんとお会いできることを願っています。


画像1


本日、ロック・イン・ジャパン2020に出演予定のアーティストを発表させていただきました。皆さんからのSNS上に溢れる反響の大きさと向き合うと、本当に何とも言えない気持ちになります。

悔しいです。これだけのアーティストが、あのひたちなかの暑い空気を揺らしてくれたのに、それが出来なかった、それは本当に残念です。
毎年、僕たちが体験してきたあの夢の時間が、いかにかけがえのないものであるのか、強く思います。
この写真は今年のチケット・ボックスの表紙です。もし開催できるとしたら、この写真のような気持ちで当日を迎えたいという思いでデザインしたものです。実は先行でチケットを申込んでいただいた方に、この写真をデザインしたハガキを送らせていただきました。開催が見えにくい中でも申込んでくださった方に、何かの形で私たちの気持ちをお伝えしたかったからです。
今年は例年以上にたくさんの方が先行に申込んでくださいました。こんな時だからこそフェスに参加したいという皆さんの熱い気持ちが伝わって来て嬉しかったです。
必ず来年、あのひたちなかで皆さんの顔をみることが出来ることを信じています。


この社長の言葉に、ロッキング・オンとしてのスタンスが全て表れていると思っている。一言に集約してしまえば、全ては「参加者」のためなのだ。

このフェスにおける主語は、アーティストでも主催者でもなく「参加者」であり、今回の中止の決断も、今日届けられたメッセージも、全ては「参加者」が、これからも、いつまでも、音楽を楽しみ続けるためのものなんだと思う。

僕は一人の「参加者」として、また来年、ひたちなかで「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」が開催されることを、強く信じている。



【関連記事】


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。 これからも引き続き、「音楽」と「映画」を「言葉」にして綴っていきます。共感してくださった方は、フォロー/サポートをして頂けたら嬉しいです。 もしサポートを頂けた場合は、新しく「言葉」を綴ることで、全力でご期待に応えていきます。