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久々の大歓声に溢れた5日間。「JAPAN JAM 2023」の14アクトを振り返る。

【4/30(日)5/3(水)4(木)5(金)6(土)「JAPAN JAM 2023」@ 蘇我スポーツ公園】

「JAPAN JAM 2023」に参加してきました。

振り返ると、2020年は中止、2021年は一定の緊張感が漂う中での開催でした。そして昨年、僕は「JAPAN JAM 2022」の振り返り記事に「春フェスの祝祭感が戻ってきた。」というタイトルを付けました。

他の多くのフェスと同じように、「JAPAN JAM」は、混迷のコロナ禍を通して、時に厳しい逆風にさいなまれながらもフェスシーンの未来へ向けて一歩ずつ前進し続けてきました。また、昨年、同じくロッキング・オンが主催する夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」、年末フェス「COUNTDOWN JAPAN 22/23」に参加する中で、僕は、フェスシーン完全復活の日は近いという確信を深め続けてきました。

こうした流れを踏まえると、ついに声出しが全面解禁された今回の「JAPAN JAM 2023」は、ポスト・コロナ時代の本格的な幕開けを象徴するフェスの一つになったのだと思います。この5日間、たくさんの観客が高らかにシンガロングする光景、熾烈なコール&レスポンスを繰り広げる光景に、何度も立ち会うことができました。少し前から各ワンマンライブなどでは先んじて声出しが全面解禁となっていましたが、やはり、春空の下、広大なステージで巻き起こるシンガロング、コール&レスポンスが生み出すフロア全体の一体感は、本当に感動的でした。

歓声を封じられてきた約3年間、一人ひとりの観客がそれぞれ大切に聴き続けてきた歌に、たくさんの歌声が重なっていく。この5日間、数多くのアンセムがステージとフロアを結んでいきましたが、その中でも、5日間の大トリを担ったVaundyが最後に歌った"怪獣の花唄"のロックアンセムとしての輝きは特に凄まじかったです。僕はこの曲について、リリースされた3年前から「これは凄い曲だ!!!!!」と各所で言い続けてきましたが、無数の観客の大合唱が重なったあのステージを観て、改めてその真価に触れた気がしました。


今回の「JAPAN JAM 2023」では、新たに3つ目のステージであるBUZZ STAGEが新設されました。新しい世代のアーティストをフィーチャーするというコンセプトを掲げたこのステージには、コロナ禍の数年間で大躍進した若手アーティストたちが出演しました。その中には、BUZZ STAGEのエリアから溢れ返るほど多くの観客を集めたアーティストもとても多かったです。

僕は、4月30日と5月6日、BUZZ STAGEに出演するアーティストのライブレポートを担当しました。その2日を含めた今回の5日間を通して、このBUZZ STAGEで、数々のフレッシュな新世代アーティストたちのライブに立ち会い、音楽シーン新時代の到来を何度もダイレクトに感じることができました。(5月30日発売の雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」7月号の別冊付録に「JAPAN JAM 2023」のレポートが掲載されます。ぜひ、ご覧頂けたら嬉しいです。)


今回は、この5日間で、僕がTwitterに投稿した計14組の現場レポートをまとめてお届けします。当日の会場の空気が、少しでもリアルな手触りをもって伝わったら嬉しいです。



4月30日(日)

●ano

今日は、BUZZ STAGEのアクトを最初から最後まで全て観ていたのですが(仕事)、あのちゃんのステージに集まった観客の数が尋常じゃないくらい多かったです。”ちゅ、多様性。”がフェスアンセムとして映えるのは予想できたし実際に凄まじい爆発力だったけど、”普変”もすごくよい.......!


5月3日(水)

●sumika

大きな悲しみを経て、先日のアラバキからライブ活動を再開した彼ら。「それでもやっぱり、音楽が好きで、バンドが好きで、sumikaが好きだということは何も変わりませんでした。」全編にわたりポジティブな力に満ち溢れた、本当に感動的なステージでした。


●SUPER BEAVER

ついに声出しが全面解禁になった今回の「JAPAN JAM」。歓声、コール&レスポンス、そして大合唱。その歓びを、尊さを、今この瞬間の切実さを、全員で高らかに共有し合うような、とても圧巻のステージングだった。新曲”グラデーション”、最高です。


●BiSH

最後の「JAPAN JAM」のステージを観ました。解散を目前に控えているとは思えないほど鮮烈なエナジーを放つ6人。特に、”サヨナラサラバ”は本当に凄まじかった。 同時に、終わりへと向かっていく切なさが全編に満ちたステージでもあった。”Bye-Bye Show”、感動的でした。


5月4日(木)

●TOMOO

今年の「Early Noise」に選出されて注目度が更に高まったタイミングで、ついにフェス初出演が実現。春の青空の下、可憐なアルトボイスが、とっても伸びやかに響いていた。昨年夏に観た時よりも、ポップミュージシャンとしての華がグッと増していて痺れました。


●10-FEET

矢継ぎ早に放たれ続ける新旧のロックアンセムの数々。新しい世代の観客もめちゃくちゃ多くて、それはつまり、熱狂が世代を超えているということ。もちろん年末から続く『SLAM DUNK』大ヒットの影響も相当強いはずで、”第ゼロ感”の熱狂は本当に壮絶でした。


●UVERworld

”IMPACT”で巻き起こった壮絶な地鳴りのような大合唱。やはり声出しが全面解禁になった彼らのライブは本当に凄い。何より、コロナ禍で生まれた渾身のメッセージソング”EN”に、ついに観客のシンガロングが重なった瞬間が、涙が出るほど感動的だった。


●ASIAN KUNG-FU GENERATION

いつの時代も、やはり”リライト”は凄まじく盛り上がる。他にも、イントロが鳴った瞬間にフロアが沸く曲ばかりで、改めてアジカンの偉大さを思う。『ぼっち・ざ・ろっく!』で人気再燃中の”転がる岩、君に朝が降る”も、しっかり披露してくれました。


5月5日(金)

●NEE

予想はしていたけど、超超超満員でした。この数年間、彼らのロックが、いかに多くのリスナーの救いになっていたかがよく伝わってくる。全編を通して盛り上がりまくっていた中でも、ラストの”不革命前夜”→”月曜日の歌”の狂騒感、会場の一体感は特に凄かった。


●BE:FIRST

ロックフェスに進出し始めた昨年は、「挑戦者」としてのモードが強かったけど、今回は、熱い期待に満ちた会場のムードをしなやかに味方にしているようだった。完全なホームグラウンドだった。春の青空の下、爽快に突き抜ける”Smile Again”、最高でした。


●SKY-HI

”Tiger Style”では、Aile The Shotaと、BE:FIRSTからJUNON、LEOが登場。”D.U.N.K.”では、その他のメンバーも飛び入り! どうやらこの飛び入りはサプライズだったようで、社長は「今日のライブ最高だったから何しても許すぜ!」と嬉しそうに叫んでいました。


●PEOPLE 1

盟友・TOOBOEとトリプルボーカルの熾烈なマイクリレーを繰り広げた”銃の部品”。超満員のフロアから大合唱が起きた”DOGLAND”。”エッジワース・カイパーベルト”の熱狂も凄かった。新しい世代を牽引するロックヒーローとしての佇まい、最高に痺れる。


●マカロニえんぴつ

”リンジュー・ラヴ”、1月のアリーナ公演を観た時にも思ったけど、どんな広い会場も丸ごと包み込んでしまうようなスケール感を誇っていて、今回も最高に輝いていました。大名曲。”ワンドリンク別”のコールもバッチリ決まっていました。


5月6日(土)

●Vaundy

超満員のフロアをゴリゴリに煽った上で、”CHAINSAW BLOOD”、”裸の勇者”、”泣き地蔵”のロック3連打を決めた中盤の展開、痺れた。ラスト、ついに時代のロックアンセム”怪獣の花唄”に大合唱が重なった瞬間、本当に感動的でした。




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