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『影響力の武器』二部構成での後編は随分と期間が空いてしまいました。(後編)

 大変大変ご無沙汰をしております。ご無沙汰になってしまいました。 年初からの連続投稿が3月末をもって途切れてしまいました。しかもボリュームが多いから「前編・後編で」と分けて「それでは次週に」と言ったタイミングで分かれてしまいました。 個人的な話ですが、僕は名古屋で単身赴任をしているのですが、3月中旬から5週連続で柏にラグビーを教えに行っていて、かつ時期的にも年度末・年度初めで会社仕事も多用になり、連続のnote投稿が出来なくなってしまっておりました。 
 さてゴールデンウィークだから、そろそろ投稿を再開せねばと思いつつ、たまった週末家事などを進めていたらあっという間に後半になってしまいました。 実は結局ほとんど本読めていないという現実とも向き合うことになりました。 さらには、以前二度読みして、ある程度自分の頭の中での構成が出来上がって前編を書いた思考をたどりなおしてから再開させねばならない、というコストも生じることになってしまいました。

さておき、そんなことはオオハシの都合のことなので、本編引用・解説へと進んでいきましょう。ちなみに前編も一応、引用しておきます。


影響力の武器 (ブログとしては後編)

なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ 著 社会行動学研究会 訳
2014年7月の本

4.好意 -優しそうな顔をした泥棒

人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。このルールを知っているので、承諾誘導の専門家たちは、自分の全体的魅力を高めるようないくつかの要因を強調し、自らの影響力を強めている。

(中略)

承諾の決定に対して好意が及ぼす悪影響を防ぐのに有効な手段は、承諾を引き出そうとしてくる相手に対して過度の好意をもっていないかということに特に敏感になることである。ある状況でその相手に対して、尋常でない好意を感じていたら、そのやり取りから一歩退き、その相手と相手の申し出の内容を心から切り離し、申し出のメリットだけ考えて承諾するかどうかの決定を下さなければならない。

影響力の武器 P324 

 一冊を前編・後編に分けようと考えたのは、実際のところブログにまとめていった際に、前半の部分だけで付箋をつけて引用したかった箇所が相当なボリュームになってしまって、ブログの目安とする許容量をオーバーしていると判断したためです。 しかしながら後編になって改めて記載を進めていこうとしたところ、あれ?後半はあんまり付箋がなかった…ということを気づいてしまい、改めて自分の計画性のなさを痛感しており、せっかく読んでいただいた読者の方には申し訳ないなと思っています。
 解説に戻って、「好意」の法則については、基本的にはプラスに考えたくて、そういったところから「優しそうな顔をした泥棒」の発想にはなりたくないなぁ、と思ったところが正直です。僕は騙されやすい人間だからこそ、好きになってしまった人に騙されたら、破滅への道まで突っ走ってしまうかもしれないなぁと恐ろしくもなります。

 上記の観点で若かったころの記憶で、破滅の道へ突っ走ってしまい自死に至ってしまったドラマのシーンは極めて克明に覚えていて、検索して視聴してしまったので、本題ではありませんが共有しておきます。

『愛という名のもとに』 チョロの自殺

せっかくなんで関連のブログも読んでみましたら、もちろんJJさんの件もあったのですが、証券会社の営業という背景(+おそらくそれらの時代)という背景もあったんだな、自分の記憶というものは特に印象に残った部分を強調して記録するのだな、と感じました。 中学校でも高校でも大学でも、ほとんど女性にモテた記憶もなく、『好意』の影響力の観点では、愛と言う名のもとにのチョロさんの印象が強いです。(特に関連で読んだ二つ目の記事が良かったです)


さておき、改めまして進めましょう。


5.権威 -導かれる服従

 私たちはこの世に生まれて以来、適切な権威に従うものは正しく、従わないのは間違いだと教育されています。(中略)
 正当な権威に服従し忠誠を尽くすという考えは、それぞれのシステムにおける価値観と非常によく合致しています。

影響力の武器 P342

 今論じている例の場合なら、権威者に服従すれば報われる場合が多いと知った途端、私たちはたちまち、自動的な服従の利便性に頼るようになります。そうした盲目的な服従の恩恵でもあり呪いでもあるのが、その機械的な性質です。考える必要がないので、考えなくなります。盲目的な服従は多くの場合、私たちに適切な行動をとらせてくれますが、私たちは考えているのではなく、単に反応しているだけなので、明らかに不適切な行動をとってしまう場合も出てきます

影響力の武器 P344

 こちらの記載に入る前に本の中では「ミルグラムの実験」と呼ばれる有名な実験結果が述べられています。「服従の心理(河出書房出版 2008)」にも日本語版でまとめられている権威への服従に対する事実がまとめられているとのことです。 権威への服従に関する多くの実験と結果に関しては(「服従実験とは何だったのか -スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産」誠信書房 2008)でまとめられている、との記載されています。 権威への服従に対する事実に対して、実験をもって証明してしまっているのだから、研究というものはすごいことだと改めて思います。恐ろしいです。すごく興味がありますが、あまりに怖そうなので個人的にはやめておきます。

 権威者の影響力による有害な効果から自分自身を守るために使える質問が二つある。「この権威者は本当に専門家だろうか」と、「この専門家は、どの程度誠実なのだろうか」である。最初の質問は私たちの注意を権威のシンボルからそらし、権威者の地位を示す証拠へと向ける。二番目の質問は、その状況における専門家の知識だけでなく、彼らの誠実さも考慮すべきだと私たちに教えてくれる。

影響力の武器 P371

 権威者への服従が実験に基づき証明されているという状況の中、権威者の影響力に対しては本当に慎重に扱っていく必要があると改めて考えさせられるまとめだと思います。 基本的には盲目的に従うことはしたくない人間なので、極力自分で考えるようにはしようとはしておりますが…。


6.希少性 -わずかなものについての法則

 希少性の原理によれば、人は、機会を失いかけると、その機会をより価値あるものとみなす。この原理を利益のために利用する技術として「数量限定」や「最終期限」といった承諾誘導の戦術があげられる。これを使う人びとは、自分が提供しているものは、販売する量や期間に限りがあると私たちに信じ込ませようとする。
 
 (中略)

希少性の圧力に対して、冷静さを失わずに理性で対抗するのは難しい。それが、思考を困難にしてしまうような情動をもっているからである。その対策としては、希少性を含むような状況では、頭にカッと血が上ってしまわないように注意することを心がけるのが、いいかもしれない。いったん血が上ってしまったなら、まず興奮を静め、次になぜそれが欲しいのかという観点からその機会の利点を評価するというステップで対処できる。

影響力の武器 P425

 個人的な感想ではあるが、自分としてはこちらの希少性の影響力については受けにくいだろうとは思っています。(もちろん状況によれば極めてコロッと騙されてしまうかもしれませんが。。)個人的には物欲が基本的に高くないので、「まぁ、ないならないでしょうがないよね」と考えてしまうタイプだからです。(好意の影響力のほうが極めて個人的には恐ろしい) 
 この章の最後の部分に記載されていた以下の部分がとても印象に残りました。

 手に入りやすかろうと入りにくかろうと、それによって機能の善し悪しが変わるものではないことを忘れてはなりません。簡単に言えば、数が少ない場合であっても、クッキーの味には変わりがなかったことを思い出さなくてはならないのです。

影響力の武器 P424


以上

最後までお付き合いいただきありがとうございました。二部構成としながらも前半書いてから期間が空いてしまい、読みにくい記事であったと思います。さらには自分で書いていても情けなくなりますが、やはり訓練・練習を怠れば結果が伴います。(毎週書いていた時が品質が高かったとはお恥ずかしくて言えませんが、書き上げるまでのスピードや読者に読んでもらいやすいように書けているか、という観点では明らかに品質が下がっていると思います。) そんな中でも最後まで読んでくださる方もいらっしゃると思い、極力またブログアップし続けられるよう、難し目の本を代読して、「あ、私も読んでみよう!」と思っていただけるようなブログを目指します!

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