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大阪都構想と1000年ブランドまつり

都構想は、再度否決されましたね。個人的にこれは大阪の話でなくて、日本の話と捉えていたのだけど、率直に残念でした!日本は5年前に引き続き、大きな転換に失敗したのではないか、というのが自分の解釈です。

ところで同じく11月1日に、仲間たちが1000年ブランドまつりという素晴らしい講演会を催してくれました。

登壇いただいた3人の素晴らしいスピーカーは、200年以上続く老舗くずもち屋船橋屋の渡辺社長、観世流シテ方の武田宗典先生、そして『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』などの著作がある山口周さん。

御三方はジャンルもバラバラだし、三人揃って講演の相談をしたわけでは無いのに、なのに話に一本の軸がありありと見えた。それをものすごーく乱暴にかいつまめば、

・時代が今、変わること
・ありたい世界を定めること
・変えないことだけを見極めること
・無意識に従って整えること
・目に見えることを疑って自ら考えること
・そのために美意識が必要なこと
・それはある意味クレイジーに見えること
そんな示唆に富んだ講演会だったのでした。

少しおかしい気がするけど我慢できるよ、慣れてきたから。お湯が熱くなってきたけど慣れたから大丈夫。これは茹でガエルの論理。自分が安心な方、安全だと一見見える方を選択してしまう。世界はそうして緩やかに滅んでゆくのではないだろうか。演者の山口周さんが講演の一説で言ってました。こんなにオレオレ詐欺が成功する国は他に無い、と。自ら疑って考えろ、と。

一方で、自民党の府議団の団長が勝利宣言と共に言っていました。市民を分断するような住民投票は二度とあってはならないと。それが分断を煽る行為ならば確かに良くない。けれど果たしてそうなんでしょうか。なぜ、私たちが自ら考える機会を、二度とあってはならないと言うのだろう。なぜ私たちがお互いの意見の相違を認めて、それでもうまくやっていくために努力する機会を、あってはならないと言うのだろう。

今回の投票は、私たちがちょっとした違和感を放置せずに、変えることによるリスクを恐れずに、自分たちの、いや子供たちの未来を自分たちで考えて、一歩踏み出してみる、そんな風に時代が変わるきっかけになることを期待していました。だから個人的にとても残念な結果だったんです。

けどね。松井市長もまた、敗北宣言と共に言いました。自分には成し遂げられなかった、だから辞める。そして改革は次世代に託す、と。物事にはタイミングがあると思います。だから、自分でやり続けることが続けることではなく、次に託すことこそ本当の意味で続けることなんじゃないですかね。執着するでもなく、諦めるでもなく、しれっと託された。だからこの国はまだ大丈夫なんじゃないか。そう思えるわけです。

「続」という会社を主催する者として、「ただ続ければいいわけではない」という言葉がブーメランの様に自分に返ってきて、刺さりますね。それでも自分もまだ大丈夫、そう思いたいわけです。さて、自分の仕事しよう。

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