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整数問題と二次方程式

この記事では、$${ m,n}$$を整数、$${ x}$$を実数とします。
また整数問題には、いろいろな問題がありますが
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
を満たす$${ m,n}$$を求める問題を整数問題と呼び、扱っていきます。

$${ mn-5m-3n+13=0}$$
を満たす$${ m,n}$$を求める整数問題。
$${x^2-21x-104=0}$$
の解を求める二次方程式の問題。
これらを解くとき、同じ考え方を使って解くことができます。
二次方程式の解き方を良く理解していれば、整数問題を解くことができます。
二次方程式を解くことができれば、ではありません

今回の記事は、私自身が高校生時代を含め、整数問題を習ったことはありませんでした。
整数問題については、YouTube等を利用して独学です。
このときに、整数問題では解き方の1つとして、和の形から積の形に変形するとありました。
なぜ積の形に変形するかは理解し、新たな知識として覚えておこうと思いました。
しかし、このことは二次方程式を解く上で、すでに使っている知識でした。
さらに整数問題を解く上で必要な知識は、二次方程式を解く上で、すでに多くを学んでいます
この記事の内容で、全ての整数問題を解くことができるわけではありませんが、他の問題にも使えることがあるので、書いていこうと思います。

まずは、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
$${x^2-21x-104=0}$$
の基本的な解き方の解説をします。
内容としては、解き方を知っている人への、解く流れの確認となっています。
次に、
$${x^2-21x-104=0}$$
の解き方について、くわしく見ていきます
その後、二次方程式の解き方がどのように整数問題に使われているか、解説をします。

最後に補足として、整数問題における、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
から、
$${ (m-3)(n-5)=2}$$
への式変形の詳細について解説します。

基本的な解き方

まず、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
の解き方を解説します。
左辺の形から、
$${ (m-3)(n-5)}$$
変形できると予測できます。
この式を展開した後を考えると、定数項である$${ 15}$$が、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
左辺とあわなくなるので、これを引いて
$${ (m-3)(n-5)-15+13=0}$$
となります。
左辺の定数部分を計算して、右辺に移項すると、
$${ (m-3)(n-5)=2}$$
となります。
この式から、2つの整数をかけて、右辺の数である$${ 2}$$となる組み合わせを考えると、
$${ (m-3,n-5)}$$
$${=(1,2),(2,1),(-1,-2),(-2,-1)}$$
となることから、
$${ (m,n)=(4,7),(5,6),(2,3),(1,4)}$$
となります。

次に、
$${x^2-21x-104=0}$$
の解き方を解説します。
左辺を因数分解して、
$${(x-8)(x-13)=0}$$
となります。
この式から、
$${ x=8,13}$$
となります。

二次方程式のくわしい解説

二次方程式、
$${x^2-21x-104=0}$$
の解き方の、くわしい解説をしていきます。
くわしい解説を知ることにより
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
という整数問題の解き方がよくわかります
それでは、解説していきます。
二次方程式、
$${x^2-21x-104=0}$$
左辺を因数分解します。
この因数分解をするとき、簡単な式だと見てすぐにできるでしょう。
しかし、この式のように定数項が3桁の数の場合等、すぐにできないときがあります。
このとき、どのように因数分解をしますか?
左辺、
$${x^2-21x-104}$$
を因数分解するには、和が$${ -21}$$かつ積が$${ -104}$$である2つの整数を見つけ出します
このとき、最初に積が$${ -104}$$である2つの整数を見つけていきます
次に、これら2つの整数の和が$${ -21}$$になるかを確認します。
もし、和が$${ -21}$$かつ積が$${ -104}$$を満たす2つの整数があれば、因数分解ができます。
ここで重要なのは、最初に積が$${ -104}$$である2つの整数から探します
これは、和が$${ -21}$$の2つの整数より、積が$${ -104}$$の2つの整数のほうが、パターンが少ないからです
これらにより、$${8,13}$$という2つの整数を見つけ出すことができ、
$${x^2-21x-104=0}$$
の左辺を、
$${(x-8)(x-13)=0}$$
と因数分解できます。
この式から$${x=8,13}$$という解が求められます。
では、なぜ解が$${x=8,13}$$となるか、わかりますか?
これは$${ A,B}$$を実数としたとき、
$${ AB=0}$$
となれば、右辺がゼロなので、$${ A,B}$$のどちらかがゼロになります
つまり$${ AB=0}$$のとき、
$${ A=0}$$または$${ B=0}$$
となります。
このことから、
$${(x-8)(x-13)=0}$$
より、
$${x-8=0}$$または$${x-13=0}$$
となり、
$${x=8}$$または$${x=13}$$
となります。
普通、二次方程式の解は、
$${x=8,13}$$
と書くと思いますが、正確には、
$${x=8}$$または$${x=13}$$
となります。
$${x=8}$$と$${x=13}$$の間に、「または」が入ります。
このことは、普段は気にしていないかもしれませんが重要です
忘れないようにしましょう。

整数問題に使われる二次方程式の考え方

二次方程式、
$${x^2-21x-104=0}$$
解き方が整数問題、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
解き方に使えるということの解説をします。

まず整数問題は、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
という形から、
$${ (m-3)(n-5) =2}$$
に変形して、解いていきます。
つまり、和の形から積の形に変形しています。
この理由は、和の形で考えるより積の形で考えるほうがパターンが少ないからです。
この考え方は、整数問題を習ったときに初めて知った知識と感じませんか?
しかし、これは違います。
二次方程式、
$${x^2-21x-104=0}$$
を解くときに、左辺を因数分解して、
$${(x-8)(x-13)=0}$$
とします。
この因数分解をするとき、最初に積が$${ -104}$$である2つの整数から探します
この理由は、和が$${ -21}$$となる2つの整数より、積が$${ -104}$$となる2つの整数のほうが、パターンが少ないからです。
これは、整数問題で和の形から積の形に変形する理由と同じです。
初めての知識と感じたかもしれませんが、因数分解をするときに、すでに同じ知識を使っています。

次に整数問題、
$${ (m-3)(n-5) =2}$$
を解くとき、この式から、2つの整数をかけて$${ 2}$$となる組み合わせを考えます
この理由は、聞き覚えがあったと思います。
二次方程式、
$${(x-8)(x-13)=0}$$
から、
$${x-8=0}$$または$${x-13=0}$$
となります。
これの理由は、$${ A,B}$$を実数としたとき、$${ AB=0}$$となれば右辺がゼロなので、$${ A,B}$$のどちらかがゼロになるからです。
これは整数問題で、
$${ (m-3)(n-5) =2}$$
という式から、2つの整数をかけて右辺の数である$${ 2}$$となる組み合わせを考える理由と同じです。

以上から整数問題を解く上で必要な知識は、ほぼ二次方程式を解く上で必要な知識と同じです。

まとめ

今回は、整数問題と二次方程式について書きました。
重要なのは整数問題を解くとき、すでに学んだ知識を使えることです。
新しい分野のことを習うときに、全てが新しい知識を使って解くわけではありません。
今までの経験が生きます。
また二次方程式について、$${ A,B}$$を実数としたとき、$${ AB=0}$$ならば、$${ A=0}$$または$${ B=0}$$となるということを、改めて覚えるようにしましょう
特に数学が苦手な中学生が、忘れています。
これは、私が中学生に二次方程式を教えているとき、因数分解を利用する解き方や解の公式を使う解き方はできます。
ですが、
$${ (x-1)(2x-3)=0}$$
のような問題が解けない生徒がいます。
これは$${ AB=0}$$ならば、$${ A=0}$$または$${ B=0}$$となるということを理解していれば解けますが、忘れている場合があります。
この考え方は、重要なので忘れないようにしましょう
さらに、二次方程式の解には「または」が入ることも忘れないようにしましょう。
二次方程式などで、解を$${ x=2,5}$$や$${ x=1,y=4}$$というように、書くことがあると思います。
これらの間に「かつ」や「または」のどちらが入るかを意識しましょう

補足

整数問題、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
を解くとき、
$${ (m-3)(n-5) =2}$$
因数分解を利用して、式変形をしました
この変形について、解説をします。
この問題を解くとき、$${ a,b,c}$$を整数として、
$${ (m-a)(n-b) =c}$$
という形に変形することを考えます。
これは左辺を展開すると、
$${ (m-a)(n-b) =mn-bm-an+ab}$$
となり、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
の左辺と似た形になっているからです。
では、式変形をしていきましょう。
まず、
$${ mn-5m-3n+13=0}$$
の定数項を移項して、
$${ mn-5m-3n=-13}$$
とします。
この式の左辺を、
$${ (m-a)(n-b) =mn-bm-an+ab}$$
の右辺と比べると、$${ m,n}$$の係数から、
$${ a=3,b=5}$$
となります。
これらを代入すると、
$${ (m-3)(n-5) =mn-5m-3n+15}$$
となります。
問題の式は、
$${ mn-5m-3n=-13}$$
なので、この式の左辺と、
$${ (m-3)(n-5) =mn-5m-3n+15}$$
の右辺と比べると、$${ +15}$$があるかないかの違いだけとなっています。
この式の右辺と同じにするために、
$${ mn-5m-3n=-13}$$
の両辺に$${ 15}$$を足すと、
$${ mn-5m-3n+15=-13+15}$$
となります。
この式から、
$${ (m-3)(n-5)=-13+15}$$
となり右辺を計算して、
$${ (m-3)(n-5)=2}$$
となります。

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