SNS販売で利用規約は必要か?

こんにちは、TTCRAFTです。
先日思い切って開業届を提出し、兼業クラフターとなってしまいました。

今回は、ツイッター販売などSNS販売を楽しく、長く続けるために、利用規約について調べました。

ハンドメイド作家さんは仕事や家事の合間に作品を作り、忙しい方が多いかと思いますので、ハンドメイド作品のSNS販売に絞って調べています。

1. 利用規約とは?

来店・対面して販売するお店と違い、ウェブサービスを使う人(お客様)は不特定多数になり様々なトラブルが想定されます。

そのため、利用規約を定め、利用者に同意をとることで、もしお客様とトラブルが起こってしまったときや、訴訟まで発展したときの根拠としています。

つまり、利用規約は契約書の代わりとなります。

また、クレームが起こった時にも、「利用規約には〇〇と書いています」と反論する根拠にもなり、利用規約にはクレーム対処機能があります。

サービスの利用者が増えると、思いもしなかった方法で利用するお客様も出てきます。

フリマサイトで現金を高く出品したり、チケット転売に使われたりしたこともありました。

利用規約に禁止事項を定めておけば、そういったお客様に対して一定の基準を根拠に、アカウント凍結などの交渉ができます。

さらに、法律のデフォルトルールが不利に働かないようにすることもできます。

例えば、大阪に拠点がある会社が販売する健康食品を、東京在住のお客様が通信販売で購入したとします。

期待している効果が出なかった!とクレームが起きて訴訟に発展した場合、裁判は、購入者の地域の裁判所で行うことになり、大阪から東京まで裁判の度に出向かなくてはなります。

しかし、利用規約で裁判所管轄を「大阪地方裁判所とする」としておけば、そのようなことにならなくても済むのです。(※裁判管轄には限界があり、利用規約で指定した裁判所が認められない場合もあります)

以上から、利用規約とは何かをまとめると、次のようになります。

・サービスを利用する上でお客様に守って欲しいことを定める契約書
・利用者が違反をした場合の交渉の根拠になる
・法律のデフォルトルールが不利に働かないようにする

2.SNS販売で利用規約を作る違和感

申込から商品の受け取りまでがネット上で完結するツイッター販売などのSNS販売は、通信販売になります。

これを、繰り返し継続的に続けると事業者ということになります。

そもそも通信販売に利用規約が必要な理由は、不特定多数のお客様とやり取りをするため、トラブルに発展しやすいからです。

また規模も大きく、扱う商品も様々なこともトラブルに発展しやすくなっています。

トラブルになった際に自社の利益を守るために、利用規約を作っています。

しかし、SNS販売に利用規約を作ることに違和感を感じます。

なぜなら、SNS販売の楽しいところは、

自分の作品に共感してくれた人とフォロー関係にあり、フォロワーの呟きや投稿を通じて、その人のことをお互いに知ることができる、という距離感の近さだと思っているからです。

僕は半年ほどで、50人弱のお客様にツイッター、インスタグラムで作品販売をしましたが、トラブルには一切ならず、むしろ楽しく作品作りができています。

SNS販売は、通信販売でありながら、お客様とフォロー関係にある距離感の近い販売なので、トラブル自体が起こりにくいからだと思います。

その他に、扱う商品自体も小物やアクセサリーが多く、化粧品や健康食品・ダイエット食品といった効果に個人差があるような商品でないこと、一人で小規模でやっていることもトラブルが起こりにくい理由と思います。

なので、トラブルになった時に利益を守るために利用規約を作ることに違和感を感じるのです。

3.SNS販売で見かけたトラブル

しかし、ツイッターを見ていると、SNS販売でトラブルになっている作家さんを見かけることがあります。

せっかく自分の作品・世界観を好きになってくれたお客様とトラブルになってしまうこと、
作家さんがそういったトラブルで作品作りのモチベーションを落としてしまうのは、とても悲しいです。

トラブルの内容は、ドタキャン、転売、値下げ交渉などを見かけることが多いです。

ハンドメイド作品は、大量生産・大量消費される商品とは、製作にかかる手間、原価が全く違います。

また、注文すれば翌日届くネットショップに慣れている人からすれば時間がかかりすぎると感じるかもしれません。

フリマアプリをよく使う人なら、値下げ交渉は当たり前かもしれません。

ハンドメイド作品についてあまり知らない人からすれば、普段の買い物と全く違う買い物になるので、いつも通りに買い物したつもりがトラブルになってしまいます。

4.SNS販売の利用規約は、作品を楽しむルールブックにする

利益を守るために利用規約を作るのは違和感がありますが、作家のモチベーションを守り、作品を楽しむためのルールブックがあれば、お客様も混乱することなく、普段の買い物と別のものとしてハンドメイド作品を楽しむことができるのではないかと思います。

余談ですが、ハンドメイド作品はモノづくりの裾野です。頂点には素晴らしい作品を作り。手仕事で生計を立てている職人さんがいています。

ハンドメイドが盛り上がり、楽しむ人が増えれば職人さんの素晴らしい作品を楽しむ人が増えればいいなと思っています。

次回は、これまでの1~4を踏まえて、SNS販売の実態にあった利用規約(ルール)を考えていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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