2022.7.23 手回しの味 再考 (旧6.25)

  ここ10数年でしょうか いつからかははっきりしませんが オルガニート・オルゴールの手回しの“味”が悪くなっています。 これまでも何度かこの話題をあげてきました。また解決策も色々試してきました。 それはすごく時間も手間もかかるので全製品に適用することは出来ずにいます。悲しいことです。 “味”が悪くなった原因についてですが 手でもつハンドルの駒が軸と嵌るところの穴がブカブカなのがいけないようです。 これがぴったりサイズの穴できちっと軸と嵌っていればもっと回し味はよくなります。 ではなぜブカブカになっているのでしょうか? 最近わかってきたのはクランク状に曲げたハンドル軸の部分が曲げ加工の影響で真円でなくなっているのです。 そのせいでハンドル駒を組み立てる際にぴったりサイズの穴加工した駒ではうまく嵌らないのです。 だから駒の穴サイズをブカブカにしているようなのです。 昔のオルガニート・オルゴールのムーブメントはどうだったか 今となっては記憶がありませんが もう少しぴったりサイズに近かったのではなかったかと想像されます。 ちょっとした加工工程の隘路が最終的に“味”を悪くしている典型例かもしれません。 近年著しい値上げラッシュで旧来からみると3倍もの値段に跳ね上がっているオルガニート・オルゴールのムーブメントですが 品質的には全く良くなっていないどころかニュアンスも含めると悪化していますから 相対的に価値観は著しく落ちているといわざるを得ないのが悲しいです。 私のところでの製作ではこういった問題は可能な限り修復して解決するようには心がけていますが トータルとしての満足度は落ちていますし、製作にかかる手間は増える一方になっています。

この投稿記事は 音のキャンバスホームページ のぶつくさたっこまんという日記のコーナーに投稿しているものを転載しています。

http://www.01.246.ne.jp/~ttha

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