表紙力についてひとりで考える会議
「内容には自信があるけれど、文字というだけで手にとって貰えない。」
昔、同人仲間の字書きが言っていました。
表紙はデザイン性の高いフリー素材を使用していて、キャラは描かれていません。
自分ならどうかなと考えました。
本屋に行った時、
何を基準に小説を手に取っているだろう。
『この作家の本だから買う』事が多いのは確か。
これはブランド力という事になるのでしょう。
そこに至るには、相当の力と基盤が必要で、作り上げるまで時間もかかると思います。
名もなき同人作家がそうなる為には、かなりの草の根活動が必要になります。
ただしそれも、まずは見てもらえない限りには実現できません。
では、
ブランドは置いておいて、ただ興味を示して手に取るのはどんな時だろう。
私は、キャッチコピーを見ています。
中身はどういう内容なのかを、少ない情報から読み取り興味が湧けば購入して読みます。
ともすれば、
やはりまずは、どんな内容なのかが多少なりともわからなければ、キッカケにすら至らないという事になります。
しかし、同人誌ではキャッチコピーも使えません。
使えませんというのは語弊がありますね。
使えなくはないですが、即売会で効力を発揮するには難しいので、あまり実用的ではありません。
なぜなら、同じジャンルの漫画が他所に、なんだったら隣にあるからです。
同人小説が同人漫画に対抗するには、やはり表紙にも絵がある方がいい。
私はそう思います。
まず手に取ってもらう事か大事。
尊敬する同人仲間が私に教えてくれた事です。
私は漫画の方を書いているので、字書きさんよりは中身に触れてもらいやすくはあります。
ただこれも、表紙により大きく左右される事があります。
内容によっては、表紙は被写体を遠目に背景を見せるようなものや、キャラクターがひとりで佇むような物もあると思います。
しかし、こと同人誌では、カップリング物がほとんどです。
なので、2人のキャラクターを大きく、また雰囲気が伝わるように描く方が伝わりやすく、手に取ってもらいやすい。
これは実体感としても強くあります。
そして同人誌においては、商業誌よりも注意すべき点もあります。
Rの取り扱いです。
そういう表現がある場合には、R〇〇を入れる事は鉄則で、この判断は個人が行います。
ですので、会場で主催者側がチェックをした際、守られていなければペナルティが課せられます。
過去にこんな事がありました。
作品を見た主催側スタッフが
『R指定表記をしてください』と、友人に物申したのです。
しかし、その作品にはそのような表現はありませんでした。
あるのは軽度のキスシーンのみで、一体何がそれに抵触するのか、友人も不服を申し立てました。
最終的には、主催側の伝達及び認識不足による所であり落ち度なしで終わりました。
例えば、キスシーンだけの内容の表紙にR〇〇の表記をしたとします。
表紙を見た時に何を思うでしょう。
そしてその表記を入れるということは、年齢を満たしていない人は試読すらできないのです。
たとえばこの様な表紙があったとします。
何を想像して買うでしょうか。
そしてその想像した内容が一つも入っていなかったとしたらどうでしょうか。
もはや、詐欺レベルでは?と思うのです。
表紙から受けるイメージで内容を想像し、ある程度の予測をつけています。
予測予想をした上で中身を確認したり、或いは表紙買いという、表紙だけで判断し買う人がいます。
タイトルをつけてみました。
さて、
どんな内容を想像するでしょうか。
まずこの絵のキャラクターが女子である前提でイメージし、このキャラクターの性格まで想像を巡らせた上で、きっとこういう内容だろうな、と自身が見てきた統計で割り出し想定するのだと思います。
恋愛もので、少女漫画のようなものを想像しないでしょうか。
では、
これだとどうでしよう。
急にキャラクターの性別が不安定になりませんか?
このキャラクターは、女の子の格好をした男の子なのだろうか、ならば内容はどういったものだろうか。
そんな風に思わないでしょうか。
(『男まさりな女の子で、女の子らしくして何がわるい?って言ってる女の子に見えた』というような意見もいただきました。とても参考になる)
また、ポップなカラーからコメディタッチにも見えてきます。
数年前から活字離れと言われており、同人小説もなかなか中身を見てもらえない事が多いと聞きます。
ところがここ数年、タイトルは長文の物が目につきます。
中身をイメージしやすくするためとも取れます。
これだといかがでしょう。
また全く違う内容を想像しませんか。
ハートフルであればいいですが、さてどうでしょう。
合せ技。
もはや中身は容易に想像がつきます。
さっきまで女の子に見えていたキャラクターは、一気に男の子に見えて来ないでしょうか。
では、
こんなのはいかがでしょう。
キャッチのようなものも入れてみました。
ちょっと要素を盛りすぎた気もします。内容の想像がつきそうでつかない。
全部同じ下絵で塗りの違うものを使い、タイトル(のようなもの)を適当に置いてるだけです。
イメージするものが変わって見えてこないでしょうか。
私なら、
この2つを手に取りサンプルを見る気がします。
まとめ
たぶんプロの世界ですと、ここにターゲットユーザを絞ったりそういったマーケティングがなされるんだろうなぁと思います。
同人作家はその全てを自身でやらねばなりません。
常に研鑽研究が大事。
私もまだまだ頑張らねばです。
では、本日は表紙力についてひとりで考える会議でした。
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