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桐生ココの卒業でVTuber事務所は自ら意義を破壊した

さて、先日、私が考えるVTuber第3世代というよりも、桐生ココの卒業からVTuberをやるならVTuber事務所に入る必要性、存在意義を事務所自ら否定したと考えていた。

その記事の中では、VTuber事務所の存在意義に関してはあまり触れなかった。それは整理も必要で、多方面で語りづらかったからだ。

ただ、鈴原るるの卒業の際、それが実例となってハッキリと見えた構造になっていたと思った。ですので、これらを例にして語っていきたいと思う。

■ネガティブなトレンド入り

前にも語ったが、桐生ココの卒業の報に、自分自身驚きはなかった。しかし、鈴原るるの卒業に関しては、追っていなかった自分でも驚いた。その上、発表、卒業まで時期が短く唐突であった。

また、桐生ココは、ホロライブプロダクション。鈴原るるは、にじさんじと別々のVTuber事務所ながら、似たタイミングで卒業が重なってきたのも偶然と思うには不自然さもある。ただ、これは契約期間満了とも取れる点からも、6月末という区切りとしては偶然と考えるべきなのかもしれない。

さて、そんな鈴原るるが最後の配信で引退理由に付いて触れられていたらしい。私自身、彼女を追ってないことのもあり、この配信はチェックしてない。

だが、この引退理由というのはTwitterのトレンド入り、またネットニュース記事からも見る事ができた。

それは「果たし状なるもの」とぼやかしているが、ストーカー被害を思わせるようモノであった。

ただ、私が疑問に思ったのは最後の配信でもネガティブな話題、「引退理由」がトレンド入り、ネットニュースでもストーカー被害からの引退かと書かれることは、VTuber事務所にとってマイナス要素が野放しされていることである。ここは桐生ココにとっても、同様な点がいえる。

VTuber事務所にとって、所属するライバーを保護できてないとネットニュースですらそう捉えられる様な書かれ方をしている。そして、一個人の感想でも、トレンド入りすることからも散々であっただろう。

そもそも、ここ最近のVTuberではなくYouTuberとYouTuber事務所と照らし合わせることで、この異質さはより鮮明となる。

■ここ最近のYouTuberのニュースから

その前に、VTuber事務所の存在意義は何だろうか?

それは“新たなエンターテインメント”といった、各社の会社概要に書かれたことにはなってくるだろう。だが、見る側にとって、そこまでは意識しない。まずはサービスの安定供給となるだろう。それは所属するライバーの長期的な活動といったものになってくる。

しかし、同じYouTube上で活動する、YouTuber事務所の場合は入るメリットはゼロではないが、薄いとされている。また、無名でYouTuber事務所に入るという話もあまり聞かない。

こういった点は先に語ったが、最近のYouTuberに関するニュースからも見て取れるだろう。

少し前となるが、チャンネル登録者数だけでいえば、トップクラスのYouTuberが事務所社長の退任から、所属していた事務所を脱退していた。事務所脱退という点では、YouTuberでも卒業と似たケースが起きている。

だからといって、活動を止めるといっているわけでもない。ただ、事務所脱退しただけ。

また、レペゼン地球は名前、創作物等の権利を会社が持ったまま解散に至っている。

ただ、この場合は双方の言い分を見る限り、不透明な部分が多いため、ひとまずは裁判の結果まで見ていく必要があるとは思う。

それでも、「レペゼン地球」としての権利が会社にあるだけで、彼らは個人としては「Repezen Foxx」として今を活動している。

ともあれ、この二つの話題からも人気のあるYouTuberにとって、事務所に所属しようが退所しようが、活動という制約は芸能人のように受けることはない。

確かにレペゼン地球の様なデメリットはあるにせよ、活動停止にいたるダメージはないとはいえるだろう。当然、犯罪行為、それに準ずる行動では活動停止にいたる場合があるが、これは次元が違う。

ただ、これらの点でVTuber事務所とYouTuber事務所を比較した時に単純に同じではない。それでも、YouTuberにとって、組織力よりも個々の力に依存することが大きい点は共通している。

YouTuber事務所はある意味、YouTuberの人気にあやかって運営の補助をしているようなモノだからだ。だからこそ、案件やYouTubeへの橋渡しという所の組織力を事務所が肩代わりしている。ただ、それにしても立ち回りで個人でも対応は可能な部分ではあるが。

VTuberに至っても、ライバーの契約形態は個人事業主といわれている。先のYouTuberの事務所脱退も契約期間満了によるモノなので、ここに関しては間違いのない事実である。大きく違うのはYouTuber事務所と違うのは、ガワは別に用意してくれている点だろうか。

ゆえにYouTuber同様、VTuber事務所とライバーの関係とは対等なのである。

色々と語っていても長くなるため、一旦、結論だけ語ってしまえば、VTuber事務所に所属する理由は現在においてはメリットが薄くなっている。それは先駆者であるYouTuberの例から見ても感じ取れる。

そして、VTuber事務所が一定の人材を確保した中では、VTuber事務所への加入自体も狭き門となっている。また先にも述べた通り、トラブル解決を必ずしてくれるわけでもない。まあ、トラブル解決に関しては、YouTuber事務所も似た話だとは思えるが…

また、VTuberになるために必要な技術力、資金力も、今では組織である必要としない。だからこそ、現在のVTuberの広がりは1万人以上となっている。これは言い換えれば、誰もがYouTuberになる感覚で、VTuberへとなれる時代になっている。

そして、YouTuberとしての収益性は上手く当たれば、普通のサラリーマンよりも上となる。

迷惑系YouTuberであっても月額200万円の収益があったと、公判の中で語っている。これは公の場での発言あるから、いくら迷惑系とはいえ嘘偽りのない事実と見ていいだろう。

知名度さえ得てしまえば、サラリーマンよりも収益も好きなことは出来るのは誰の目からも憧れとなるだろう。そして、この収益は事務所への所属が必須ではない。だからこそ、過剰になった点はあるせよ。

この個人であっても、高い収益性をする機会があることもVTuber事務所を必要としない理由ともなってくる。

■卒業によって、VTuber事務所は自ら意義を破壊した

これは個人的な考えだが、VTuber事務所としては桐生ココにしろ、鈴原るるにしろ、卒業を回避しないといけなかったと思っている。それに待遇を良くするなりして引き留める材料はいくらでもあっただろう。

なぜ、私がそう考えるのか、今後のVTuber事務所としてはマイナスでしかないからだ。

芸能事務所であってもそうだからだ。所属する人気タレントを理由もなく手放すのは、それだけで戦力ダウン。また理由もハッキリしなければイメージダウン。それは見ている側だけでなく、所属内の人間でも後を追う者も出てくるかも知れない。
このケースは有名男性アイドルグループを多く抱えていた某芸能事務所でも、見受けられた話である。

ただ、それはVTuber事務所に取っての話だが。見る側にはまた違ってくる。

今度はスポーツに例えれば、トッププレイヤーが本人の意向でライバルチームに移籍する様なケースは何処でもありえる。応援する側にとっては移籍先というか、選手だけを応援すればいいだけの話となる。
また、ここ最近、芸能事務所を辞めたタレントもテレビで見られなくなるだけで、他の媒体で見る事も多くなっている。

話を戻すが、VTuber事務所の雇用形態が個人事業主といわれている。契約期間が完了して、ライバーを居続けてもらうには待遇面しかない。逆に事務所側の戦力外通知もあるだろうが、ここに関しては一旦保留とする。
ともあれ、YouTuberのケースでも事務所にいるメリットがなければ、契約期間が終われば去ってしまう。

ここらは芸能人というよりも、アーティスト、声優の方が近い。彼らのニュースで事務所移籍は良く聞くが、芸能人のように移籍に対してペナルティもないからだ。単に契約期間で切れているから移籍しているだけ。

VTuber事務所に話を移しても、桐生ココ、鈴原るるらに関しては、事務所が色んな面でサポートを得られていたか怪しいモノである。
一般的なネットニュースの記事の中でも、桐生ココの卒業には中国問題の影響があったのではないかと触れられていたほどだ。鈴原るるも先に語ったとネガティブな話題の引退理由である。

また、ここらは完全に推測というか、私の妄想となるが桐生ココの成果に対する報酬も満足の行くモノか微妙なモノだったと思う。
別に金銭を払っていないという話ではない。
スパチャを含め、1億以上の成果がリターンであっても、1億以上の国際的なリスクもあった。そう、ハイリスク、ハイリターンだ。

なら、月額200万円は一般人からも見てもハイリスク、ハイリターンではあるが、YouTubeにおける1億円プレイヤーにとって、月額200万円ローリスク、ローリターンとならないだろうか。
現にYouTuber事務所辞めていった人達にとっても、この感覚はあるはずだ。

■「桐生ココの卒業」後はどうなるか?

これは別に大層な未来のことではないが、桐生ココのチャンネル閉鎖こそなかったが、メンバーシップでのコンテンツは終了が決まっている。

また、鈴原るるに関してはアーカイブが最終的には消えるようである。これは過去の例としても御伽原江良の卒業後も同様で、チャンネル閉鎖という流れとなっている。また、メンバーシップはそうそうに消えている。

どちらもメンバーシップの終了はすぐさま終了から見ても、VTuberが卒業することで、そのチャンネルの所有権、むしろ収益は誰のモノかと揉めることになることを示しているのだろう。

YouTube上の動画は非公開、そもそも、サービスが終了しない限りは投稿された動画は継続的に見る事ができる。そして、収益化が達成されていれば、活動が停止した所で過去の動画だけで収益は見込める。
メンバーシップであれば、その収益性はより確実である。

活動停止後でも動画コンテンツという成果に対して収益が発生するのは、普通の仕事ではあまりないケース。芸能関係とて、ここらはどうなっているかは私には分からない。

だが、番組の再放送などに当たっては、出演者(著作隣接権者)との調整が必要であるようだ。

当然、契約上の取り決めで、これらは回避できる。
だが、ややこしい話になるのは明白。それに権利だけでなく金が絡むからだ。

桐生ココにしろ、鈴原るるにしろ、卒業後であってもしばらくは再生数だけでそれなりの額も見込めるだろう。そして、一番大事なのはYouTubeがサービス終了、収益性の規約を変えない限り、この収益は動画が無くならない限り、ゼロにならない点。

あくまでこれはYouTubeチャンネルだけの話。桐生ココのIP、知的財産権はYouTubeチャンネルだけではない。
話も長くなるため一旦省くが、桐生ココとしての終了は企業、ライバー双方にとって収益性を犠牲にしても面倒のない話となる。

ただ、これも権利者側での話でしかない。見る側、リスナーにとってはそんな話、知るかである。

鈴原るるの卒業に置いては、推す理由も失い、最終的にチャンネルがなくなれば推した結果も見られなくなる。何も形に残らないのである。
(ただ、切り抜きなどで動画は残り続けるだろうが、グレーとなるため一旦は抜きして考える)

ここの配慮がなされ無ければ、これもまたVTuber事務所のリスナーにとっての存在意義に関わってくる。つまり、いつかは完全に無くなる存在に推す理由などないと。

少し話は違うが、活動終了した磁富モノエの場合はファンアートや同人作品など今後も認められている。また、直接的な収益でもないためコラボ関係者での配信アーカイブは残すことに関しては問題無いと明言されている。

■改めて、VTuber事務所の存在意義

当然、一個人である私が、これら卒業の真相は知らない。

ただ、一般のネットニュースでもネガティブな話題が触れされている中では、一個人ですらこう語ったのもある種、仕方が無い話と私は思う。そして、これは私だけの話でもない。

この点だけでも、VTuber事務所の存在意義はYouTuber事務所同様、メリットが薄くなっている。本来こういった悪評、ネガティブな話題は事務所が対応していく点である。

最近の芸能人も週刊誌等での対応、ネガティブな話題は本人と事務所から強い口調で語り、世論を味方に付けている。メディア自体のパワーバランスも近年で大きく変わっている。
また、方向性は違うかも知れないが、ネットでの書き込みでも裁判を強行するケースも増えている。

本来、YouTuberという先端メディアで活動しながら、こういった部分は旧メディア体制なのはズレている。

このズレた考えがライバーと事務所に弊害がなっている気がする。これは詳しく語るには支障があるので、一旦は避けておきます。

ただ、いえるのはYouTuber事務所のように既に収益、企画力等の実力者を事務所に向かい入れるというのは、事務所も同等な力が必要になる。

芸能事務所の場合、新人から育てるだけに、このパワーバランスが逆でも成立していた。しかし、YouTuber事務所はこれと逆である。また、VTuber事務所もほぼ同様といえる。
しかし、今のVTuber事務所の主流は芸能事務所と同じ考えである様な気がする。だからこそ、このような問題として浮き彫りになっているのだと思う。

先日、私が提唱したVTuber第3世代は、大手VTuberに憧れ、自らVTuberになって育っていくと語った。これはヒカキンに憧れて、YouTuberを目指す者達と同じ構造である。ただ、YouTuber憧れてなるのに、芸能人のように事務所に入る必要は無い。

これからは事務所に所属してなくとも、トップYouTuberクラスのVTuberが出てくるのは自然である。

そこでは今の様にVTuberを一から作って運営していく事務所方式は、この先ミスマッチになっていく。そして、この先は事務所所属のVTuberと個人VTuberがしのぎ削ることになっていく。当然、仲良くやっていく面もあるにせよ、ライバルである事には変わりは無い。

現状でも、個人VTuberでもチャンネル登録者数10万など珍しくはない。今後、このような存在が増えていくのである。

だからこそ、今のVTuber事務所は実力者ほど出来るだけ手放さず、それに備える必要があると私は思っている。だが、現状は簡単に手放している。当然、事実は分からないにせよ、端から見れば簡単に手放しているのだ。

この事でもVTuber事務所は自ら意義を破壊したと思っている。


さて、この先は申し訳ありませんが有料記事となります。無料公開で語るに少しリスクのある部分であったりするためです。

内容としては、1億円プレイヤーを在野に放った事について詳しく語って見たり、桐生ココというIPはホロライブで生き続けるのか。そして、そこから見えてくる今回の件とは、といった内容になります。

若干、与太話ともなりますので興味のある方は、お付き合いください。


――――――有料パート――――――
ここからは有料記事となります。


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