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免罪符の有効期限、切れちゃったなぁ。

今日で21歳の誕生日を迎えた。

迎えてしまった。

21歳になっちまった。

旅をしていると、マニュアルでもあるのかなぁ?と思うほどに、ほとんど同じ質問をされる。

なんで旅してるの?

学生さん?

いつから始めたの?

いつまでやる予定なの?

どうやってやってるの?

そんな質問のうちのひとつ。

「今いくつ?」

この質問に今までは、

「今は20歳で、今年21になります。」

と答えていた。

でも、本日をもって、そう答えられなくなる。

「はたち」

そのフレッシュな響きに、どこか赦されていた気がする。

正直に言って、今やっている日本一周の旅には、どこか後ろめたいものがある。

大学と会社をやめ、地元で一年間フリーターをしたのちにこうして旅に出たわけだが、客観的に言って、人生うまくいってない。

ぼくは旅をしたくてしているけれど、正確に言うと、旅に出ざるを得ないのだ。

前に書いた記事で形容したように、旅人というのは、水の入れられた瓶の中でもがくマウスのようなものだと思っている。

好きでやっているのには違いないのだけれど、そもそもなぜ旅に出たくなるのかという。

旅をしていると、自然と旅人に出会う。

そこで話を聞くのだが、初対面なのに、聞き覚えのある話がどんどん出てくる。

やはり、旅人は旅に出ざるを得なかった人たちなのだ。

ぼくもそのひとり。

楽しそうでいいね〜なんて言ってもらえるけれど、たしかに楽しいのは認めるとしても、旅に出なくて済むならそれがいい。

そんな後ろめたさを「はたち」という免罪符が赦してくれていた気がするのだ。

でも、その有効期限は切れてしまった。

出発前から言っているけれど、この旅が終わったら真面目に働きたいと思っている。

ちゃんと自立したい。

これまで多くの方に甘えて生きながらえてきたけれど、それももうやめにしたい。

有効期限切れのぼくはそう思っている。

✳︎

一足先に誕生日を祝ってくれた友だちに、21歳の抱負を聞かれた。

上に書いたことと共に、抜けきらない自己顕示欲と承認欲求の意識高い系要素を脱していきたいと答えた。

さっそくこんな記事書いちゃってるよ。

ダメじゃん。

ダメとわかっていても、数分後には記事を投稿しているのだと思う。

こうやって卑下することで、自分以外の誰かから否定される前に予防線を張っているのだと思う。

ピエロはおいしいポジションだ。

みんなの笑いものになることで、一定のポジションを得るのと同時に、真正面から傷付くことを回避できる。

ネタでやっているんですよ、と言える。言い訳できる。

小さなころから、そんなピエロがぼくの居場所だった。

それは21歳になってしまった今も変わらない。

正々堂々と勝負するのを恐れているぼくは、ピエロというおいしいポジションに甘えている。

それもそろそろ有効期限切れなのかもしれない。

✳︎

繰り返しになるけれど、旅が終わったら真面目に働いて、ちゃんと自立して、善く生きようと思う。

来年の今日には、今日よりも一歩でも進んだ自分でありたい。

こういう記事を書くと、病んでいるんじゃないかと思われる。

でも大丈夫。元気だ。

普段はですます調なのに、こういうエモいエッセイを描くときだけは、である調を使うあたりわかってやっている。

ピエロを甘く見ないでほしい。

なんとか21歳までは生きてこれました。

家族や友だちをはじめとする、あたたかくてやさしいみなさんに生かされてきました。

こんなぼくだけど、これからも見守っていただけたらなと思います。

まずは無事に旅を終わらせて、それからみなさんに恩返し、社会に恩送りできたらなと思います。

今まで本当にありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!

読んでいただきありがとうございます! ところで、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究によると、人のためにお金を使うと、自分の幸福度が高まるそうですよ(乞食)