私たちはつくづく過去に引っ張られている。
確かに、これからどんなゴールに向かって進んでいくか決めるときに、現在や過去のあなたがどんな人生だったかは関係ない。

でも今のあなたの立ち位置がどこかによって、そのゴールを掴み取るためにどういう道を辿るかが変わってくる。そして今あなたが身につけている考え・習慣によっても同じ場所からの歩き方も変わってくる。

「過去は関係ない」から、過去の考え方、今の立ち位置を一切考慮しないでいいというわけではありません。「過去は関係ない」というのはこれからどんなゴールを設定するかとか、あなたの能力は無限大だとか、そういった場面での説明です。
あなたが今立っている場所がどんな場所か考えなくていいという意味ではありません。

例えば、あなたがニューヨークに行くというゴールを設定するとしましょう。
「過去は関係ない」というのは、あなたがニューヨークに行ったことがあるかとか、英語が話せるかという、知識・経験に関する話です。あるいはニューヨークに行ってビジネスやアーティストとして成功できるかというこれからの可能性の話です。

そしてあなたが今どこにいるのか、収入はあるのかなどなど、現在の状況は「ニューヨークに行く」というゴールに影響します。あなたが現在東京にいるのか、ロンドンにいるのかでニューヨークへ行くルートは変わります。収入の金額や、仕事の内容、家族の有無などいろんな要素によって、どうやってニューヨークに行くのかということが変わってきます。
過去は関係ないと言ったって現在地が違えば、「ニューヨークへ行く」ルートが変わります。

これは物理的な話だけでなく、考え方などの習慣にも当てはまります。
日頃から旅に慣れている人と、いつも地元だけで生活している人とでは、仮に同じゴールを設定したとしてもそのゴールに向かう心理的な負担は変わってきます。旅に慣れている人は、お金の工面や日程調整だけですみますが、地元から滅多にでない人は、空港に行って飛行機に乗ることさえドキドキです。

このように「過去は関係ない」と言っても、現在今どこに立っているのかというのはとても重要なことです。今の足元をしっかりみずに、ゴールに向かって突き進むのはかえって危険です。

過去に縛り付けるつもりで言っているのではありませんので、ご注意ください。
このことをしっかり把握していれば、理想を掲げながら、地に足がついた行動もできて、より確実にゴールを達成できると確信しています。