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卒業研究レポート③ 「宮古の若者たちを支えたい。」

皆さんこんばんは❗️
いよいよ卒業展示開催まで20日を切りましたね‼️
4年生一同、開催まで日々準備を頑張っております💪
さて、今回も実際4年生がどのように卒業研究を行っているのか、どんなふうに地域に飛び出して地域の方々とコミュニケーションをとっているのか、アクションを起こしているのかなど各ゼミから1人ずつピックアップをして、卒業研究取材レポートをお届けしようと思います✊

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第3回目となる今回は牛木ゼミ所属の佐可野 瞬大(さがの しゅんた)さんです。
それではどうぞ❗️

佐可野 瞬大(さがの しゅんた)
ニックネーム:しゅんちゃん
生まれ育ち:岩手県出身
所属ゼミ:牛木ゼミ
研究テーマ:「さまざまな授業に応用可能な自己決定を意識できるツールとは」

1.『自分の将来について考えることの楽しさを知ってほしい』

■まずはどんな卒業研究をしているか教えてください。

「さまざまな授業に応用可能な自己決定を意識できるツールとは」というテーマで、岩手県宮古市をフィールドに、高校生の自己決定力を高めるためにどんなツールが必要なのかを私と対象地域である岩手県立宮古北高校の先生とNPO法人の3者からアプローチする研究を行いました。

■研究の経緯は何ですか?

私の高校時代を振り返った時に、友人が自分のやりたいことが分からず、先生や親の意見を参考に就職先を決めたのですが、思い描いていたイメージとの違いがあり、早くに仕事をやめてしまったことがありました。高校生となると進路決定にはお金が絡み、家族と一緒に決めることが多いと思うのですが、親の意向に大きく左右されるケースがあると聞きます。しかし、私は高校生自身がやりたいことを表明することは出来るのではないかと思っています。この研究を通して今の高校生たちが自分の言葉で自分のやりたいことを話せるようになってほしいと思い、卒業研究を岩手県立宮古北高校さん(以下省略 宮古北高校)のご協力のもと、始めることにしました。

■何故研究を宮古北高校で行おうと思ったのですか?

宮古北高校は私の母校なんです。宮古北高校は全校72人の小規模校です。しかし、生徒数が少ないからこそ教員と生徒とのコミュニケーションが盛んな学校で、教員との面談では生徒一人一人に対して割く時間が多かったり、生徒全員に対して親身に対応している学校だと大学生になった今、私の高校生活を振り返った時に強く感じています。なので今回このテーマで卒業研究を進めることを決めた時も、母校である宮古北高校で卒業研究を行おうと思いました。

■どのように卒業研究を進めていったのかを教えてください。

まずは高校生たちの現状把握から始めました。進路指導の先生方に聞き込みをしたところ、『自分の将来についての言語化や具体的な将来について深く考える機会があまりない』ということが分かりました。なのでこの聞き込み結果をもとに、宮古北高校の高校生たちの現状と宮古北高校の取り組みを整理した提案書を作成するとともに、宮古北高校を対象とした卒業研究へのご協力をお願いさせていただきました。
それからの動きとしては、週に1回行われる探究授業での先生の補助や高校生たちへの声がけを行わせていただきました。高校生たちの探究テーマについてブラッシュアップを手伝ったり、スライドにまとめる作業や作り方、発表練習もサポートしていました。高校生たちが職場体験授業を行うときには、先生方と一緒に受け入れ先の事業所を回ることもありました。この卒業研究を通して、宮古北高校の高校生たちとは強く関わりをもつことが出来たと感じています。

■宮古北高校で瞬大さんが行った具体的なアクションについて教えてください。

宮古北高校の探究授業にアシスタントとして関わらせていただきながら、私自身も探究授業の最初のアシストとなる授業を4時間分行わせていただきました。
内容としては「高校生たち自身が自分の興味を知り、自分の将来について考え、マイプロジェクトをつくる」という授業です。
最初の2時間では、私がつくった「やりたいことリスト」を使って自分自身がやりたいことについて考えてもらい、やりたいことに対しての興味関心を出してもらうとともに、やりたいこと=高校生たち自身が興味関心のあるテーマと社会課題を結びつけるワークを行なってもらいました。
残りの2時間ではテーマに関した疑問・問い出しのワークを行いました。
なかなかこの疑問を持つこと・問い出しは難しいので、最初は問いだしの練習として宮古北高校の校則について思うこと、謎なこと、校則の意味を考えてもらって練習をしてもらいました。疑問・問いだしのコツを掴んでもらった後は、最初の2時間で設定した自分の興味関心のあるテーマについて調査してもらい、問いだしをしてもらいました。例えば、興味関心があるテーマを『ペット』に設定した子はペットに関する社会課題をペットの殺処分問題だと考えていたので、まずはペットの殺処分について詳しく調べてもらいました。殺処分の現状は勿論、どういう経緯で生まれた問題なのか、問題解決方法としてはどうしたらいいのかを考えていく流れです。
以上が私の担当した4時間の授業内容です。以後は高校生たち個々に内容を深めてもらいました。

■探究授業を行う中で気づいたことはありますか?

探究授業の中に、高校生たちが自分自身について理解を深め、自己決定力を高めることができるプロセスが必要だと気づきました。このプロセスに必要なのは3つの要素で、①自己の選択肢をつくる・絞る、②自己選択したものへの理由付けをして決定する、③自己決定したものを他者と共有する という流れです。また、この3つの要素はサイクル化する必要があると感じました。

■高校生たちとの関わり方や関係性づくりについて意識していたことはありますか?

はい、大きく4つあります。
1つ目はまずは高校生たちと仲良くなること、積極的にこちらからコミュニケーションをとることを意識しました。
2つ目は高校生たちの意見や考えを否定をしないことです。もし、高校生たち自身が意見を出している時に趣旨がずれそうになったら、意見を肯定しつつ趣旨にさりげなく戻したり、他の考え方も提案したりするようにしていました。
3つ目は高校生たちの探求テーマに私自身も興味を持ち、詳しくなることです。高校生たち一人一人がどんなことに興味関心があるのかを知ることは勿論、高校生たちでは気づけない視点や事例を共有するように心がけていました。
4つ目は、高校生たちの良いなと思ったところは直接言葉で伝えるようにしていました。というのも、自分自身に対して自信を持つことが出来ない子たちがいるな、と感じたからです。高校生たちには一人一人個性があって、ちゃんとスキルも持っている考えもすごく良いのに、やはり自分自身のことだとなかなか気づけていなくて。なので私自身、積極的に言葉にして高校生たち本人に伝えるようにしていました。

■一方で先生方との関係性づくりについても何か意識していたことはありますか?

そうですね、宮古北高校のコミュニティの一員であることの自覚を持つこと、そして意見や相談事があったらすぐ先生方に話すようにしていました。授業内でも授業外でもコミュニケーション積極的にとることは意識していました。そうしていく中で先生方とも関係性が深まり、宮古北高校文化祭のときには先生方と一緒にバンド演奏パフォーマンスをしたりしました!笑

2.『宮古は地元であり、あたたかいまち』

■瞬大さんの地元でもある『宮古』はどんな場所ですか?

私にとって宮古は地元であり、あたたかい街です。
街の中の人に対しても、外から来た観光客に対しても変わらず人をあたたかく迎え入れているように感じています。これは本来の宮古の港街ゆえのもてなす文化もあると思いますが、震災を経験したからこそのものもあるかもしれません。私自身、宮古に帰ってきた時は必ず商店街の人たちからお帰りと言ってもらっています。

■瞬大さんは大学生になった今、地元である宮古に対しての見方は変わりましたか?

実感としては変化はありません。私にとってずっとあたたかい街という印象があります。
変化はしていませんが、今は学科の先輩や同級生たちがインターンや卒業研究などで宮古に関わってくれていまして。先輩や同級生たちの外の視点から見た宮古の良さを知ることが出来ました。学科の先輩や同級生たちが「宮古はいい街だね。」と伝えてくれる度に、私自身宮古市民として誇らしいと感じます。また、このことを街の人たちにももっと知ってほしいと思っています。

3.『宮古の若者たちの支えになりたい』

■卒業後は何処に就職するんですか?

人材系の企業に内定を頂きました。配属先はまだ未定ですが、地元である宮古から離れることは決まっています。

■来春から宮古から離れるということですが、卒業後の関わり方としてビジョンはあったりしますか?

直接宮古に居て関わり続けるのは難しくなるかもしれませんが、宮古と関わってくれる人を増やすことは離れていても出来るのではないか、と思っています。そして、今までの学科の先輩や同級生たちのように、これからも宮古への関係人口を増やすことには関わり続けたいと思っています。
そしていつになるかは分かりませんが、私にとって宮古は地元であり特別な街であるのでいづれは戻ってきたいと思っています。

■もし、宮古に戻ってくるとしたらその時はどう関わりたいですか?

将来は宮古でキャリア教育に携わりたいと考えています。
私が今まで宮古の街の人たちのあたたかさに救われ、支えられてきたように、今度は宮古の若者たちの支えになりたいと考えています。まだまだ漠然とした考えではありますが、ゆくゆくはキャリア支援をする企業の立ち上げや、若者たちのための居場所づくりをしたいと思っています。そのためにもまずは一旦宮古を離れて、来春からスキルアップに努めたいと思っています。

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瞬大さんへの取材を通して、瞬大さんにとって宮古は地元であり、特別な場所であることが伝わってきました❗️
そんな瞬大さんの卒業研究・卒業展示は果たしてどんな展示になるのかとても楽しみですね😌

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東北芸術工科大学デザイン工学部コミュニティデザイン学科
2022年度 卒業/終了研究・制作展
開催期間:2023.2.7(火)- 2023.2.12(日)
時間:10:00 - 17:00
会場:東北芸術工科大学

■2022年度 東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作展 特設HP
https://www.tuad.ac.jp/sotsuten/

■卒展 来場事前予約フォーム
(2/11・2/12 土日開催のみ事前予約必須)
e-tix.jp/tuad_sotsuten/

■コミュニティデザイン学科 優秀者プレゼンテーション zoom配信予約フォーム
https://forms.gle/TJKic8QF6rky54HJ9


いかがでしたでしょうか?
「もっとコミュニティデザイン学科を知りたい!」「興味が出た!」という方がいましたら各SNSで情報発信をしているのでこちらからアクセスしていただければと思います🙆
それではまた次回の投稿でお会いしましょう👋
             コミュニティデザイン学科 プロモーションチーム

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