炎上しないためのbilibiliの利用規約と中国のタブー解説

昨年9月のホロライブの中国の問題はホロライブが中国の地雷を踏んでしまったことが問題の発端になりました。
そのため、多くの日本人が中国の地雷とは何なのか。また中国は得体のしれない国ではないかと不安を覚えているのではないかと思います。
しかし、実際に中国の地雷は「民族分裂問題」。つまり台湾やチベットやウイグルの問題以外殆どありません。
そこで中国の地雷についてビリビリの利用規約を翻訳しながら少しだけ解説したいと思います。
どこの国でも利用規約は基本的にその国の人にとって当然の常識しか書いていません。だから中国人にとってビリビリの利用規約を読む意味は殆どありません。しかし、中国人の常識を知らない日本人はビリビリの利用規約を読むことで中国の常識を知ることが出来ます。

bilibiliの利用規約は置く場所も内容もよく変わりますが、内容の本質は殆ど変わっていません。
そこでクリエイター用のビリビリの利用規約の紹介と解説を行います。

ビリビリクリエイター利用規約(基本条項)

https://member.bilibili.com/studio/creative-treaty/q0

明確なコミュニティ環境を維持し、良好なクリエイター環境と視聴環境を確保するために、bilibiliは関連法規の指導の下、以下のクリエイター規約を制定しました。 違法なコンテンツを発見した場合は、報告ボタンから報告することができます。

bilibiliは若者のコミュニティであり、bilibiliはすべてのコンテンツをより厳格かつ慎重に扱います。

ビリビリの11禁止原則
bilibiliは、以下の内容・行為を固く禁じています。

(1) 扇動的なもの、ポルノ、下品なもの、暴力的なもの、血なまぐさいもの、ギャンブル性のあるもの、その他違法な内容のもの
(2)カルトや封建的な迷信を助長すること。
(3) 社会秩序を乱し、国民の団結を損なうこと
(4) 公序良俗に反するもの、その他好ましくない内容のもの
(5) 他人への個人的な攻撃、侮辱、誹謗中傷
(6) 悪意ある戦争煽動、対立煽動、憎悪の拡散
(7) 未成年者の健全な心身の成長を阻害すること
(8) ネットワーク上の著作権その他の知的財産権及び利用者の権利利益を侵害する行為
(9) 猟奇的内容や嫌悪感を与える内容など、視聴体験に重大な影響を及ぼす内容
(10) その他、関連する法律、行政法規、国の規制により禁止されている内容
(11) 悪意をもって審査規定を迂回する目的での異常な投稿行為

規約に違反したユーザーに対しては、ビリビリは状況に応じて、投稿の流れを制限したり、返却したり、アカウントをブロックしたり、その他のペナルティを課します。 深刻なケースでは、bilibiliは処理のために関連部署に報告することがあります。

基本条項解説

見て分かる通り。ビリビリの利用規約には特におかしなことが書いてあるわけではない。
(2)(4)(5)(7)(8)(9)(11)は日本人からしても当たり前の話だし、(10)は(1)から(9)に反映されている。
日本人が気をつけなければいけない問題は(1)(3)(6)だけだ。

(1) 扇動的なもの、ポルノ、下品なもの、暴力的なもの、血なまぐさいもの、ギャンブル性のあるもの、その他違法な内容のもの。
血なまぐさい動画や暴力的な動画やエロい動画については、bilibiliはyoutubeより厳しい。そのためASMRは禁止されているし、おそらく龍が如くやGTAなどもBANされる可能性が高いと思う。

(3) 社会秩序を乱し、国民の団結を損なうこと
(6) 悪意ある戦争煽動、対立煽動、憎悪の拡散

これが昨年のホロの問題に該当します。中国は巨大な国であるゆえに社会秩序の維持に信じられないほど敏感です。国が乱れればとても大きな被害が出ると政府も国民もよく分かっているからです。
そして中国にとって、台湾やチベットは内政問題であり、領土問題であり、下手をすれば国が割れかねない死活問題なのです。つまり中国人にとって台湾やチベットはどの国でも神経をとがらせる領土問題である上、9・11直後のアメリカにとってのテロ問題のような自身の安全に直結した問題と認識されています。
そのため、これらの問題について中国政府だけではなく中国人にとても重要な禁忌なのです。
これ以外にも中国国内の共産党政治体制に対する批判も含まれるようですが、他人の国に行ってまでその国の政治を批判するような日本人は殆どいないので問題ないと思います。

※なお利用規約の詳しい部分は第2章に記載されいます。

結論

以上のように、中国は本当はそれほど危険というわけではありません。
他所の国で活動する以上、礼儀として最低限度のタブーを踏まえておくのは当然ですし、仮にタブーに触れてしまった場合は誠実に謝るのも当然です。
そして他人の国で活動するのに当たり前の配慮をせず常識レベルのタブーに触れ、しかもごまかしと機械的な対応だけで誠実な謝罪をしなかったホロライブが叩かれたのも理解できることだと思います。
中国人は理由もなく怒っていたのではなく、理由があったから怒っていたのです。ですので、きちんと中国人に敬意と配慮を持ち、誠実に活動すれば歓迎されることはあっても叩かれることはないです。
むしろビリビリには日本文化を愛してくれる人が沢山いて、日本人は歓迎されています。
ビリビリ公式のVtuberの歌謡大会では多くの日本人Vtuberが参加し、中国人Vtuberも沢山日本語の歌を歌いました。

日本人Vtuberと中国人Vtuberが日本語でじゃれ合って、その内容を中国人が翻訳してるくらい愛されてます。

ビリビリで登録者24万人の日本V乙女おとの記事


まとめ

1.中国の地雷・禁忌やタブーは実はそれほど多くない。エロ(と暴力)と台湾くらい。
2.そのことは中国の法律や国民感情が反映されているビリビリの利用規約を見れば分かる。
3.こんな簡単なことすら対策してなかったカバーはマジで無能だし、そのせいで地雷を踏んでしまったVtuberがかわいそう。
4.だから中国を必要以上におそれることはない。
5.むしろ、日本人は歓迎されてるよ。

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